「声」
遅れましたが、投稿させて頂きます!
ぜひ、たのしんでいって下さい!
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「!?」
ーー俺は前から、ある悩みがある。
そう。悩んでいるのだ。
なぜだか知らないが・・・『声』が聞こえるのだ。
「っ、またかよ。最近多いな。この『声』」
幼い頃は小さかった声が、高校生になってハッキリ聞こえるようになった。
しかも頻繁にだ。夜、このせいで起こされる時も少なくない。
いやーこまったものだ。と俺は思う。
おかげで独り言が増え、周りからは危ない奴呼ばわりで学校生活も
詰みゲー&バッドエンドな訳だ。
だから俺は、家から出ない事にした。
だってさ?いつあの声が聞こえてくるか分からないし?
聞こえたところで?ほーらまた独り言。
結局これの繰り返しなんだろうと思う。
それからの俺は、アニメを貪り、ラノベを見まくった。
完全な引きこもりだ。『ひ・き・こ・も・り。』
でもこんな生活にもいずれ、飽きがくる。
よくよく考えてみれば、だ。この声ってなんだろうか。
目を覚ませだの、時は近いだのって、
どっかの主人公かよ。俺は。
あぁダメだ。アニメ見過ぎた。こんな考えしか出てこないわ。
ーーーーやっぱり俺は優柔不断だ。
昔から俺は、何かを考えるたび、最適な答えに辿り着くことができない。
でも、全く辿り着けない訳ではない。毎回答えが曖昧だったり、最適で無いのだ。
自問自答を繰り返すのが得意になりそうだ。
え?なに?学校へ行く?
今から学校へ行ったって結局詰みゲーだし、単位は取れないわで
なに一ついいこと無いじゃないか。
また独りで考えるだけだ。
ーー俺はふと思った。
やっぱり『声』のせいだ。声が俺の人生を狂わせたんだ。
声、声声声声声声、声こえ、こえ声。
幼い頃から付き合ってきたが、もう限界みたいだ。
ーー今、俺の中には選択肢が幾つか表示されている。
1 声を受けいれ、この生活を送る。
2 声を受けいれ、学校へ行こうと努力をする。
3 声を受けいれず、異世界に行く。
やっぱり俺はーー最後の最後までーーーー最適な答えをーーーー
見つけられなかったーーーー
『また決められないのか。』
ほら聞こえた。誰なんだよ。お前は。
その時俺は、38階建てのマンションの窓から足を踏み出していた。
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目の前に広がる青。口の中に広がる水。
見た事の無い魚や水草、それに星々が輝きを放っている。
ーーーーあれ? 俺、どうなってんの?
今の自分の状態が分からない。いや、分かろうとしていないのだろう。
ああ、そうか。ここって水中なのか。てかなんで水中に星があるんだよ。
普通ではあり得ないだろ。いや、俺自身が頭のネジいかれたか?
てかさっき飛び降りたんじゃ・・・
なんで・・・?どうなってんだよ・・・
答えに辿り着こうとしていたが、息が苦しくなってきた。
苦しい。苦しいな。おい。
やっぱここ水中か?
さすがに俺でもやばいと判断したらしい。
水中を一心不乱に上がって行く。徐々に光が強くなって来た。
「ぷはっ!!」
更に強い光に照らされる。この光は太陽光だろうか。
周りには見慣れない建物が立ち並び、幻想的な世界が現れる。
「えっ・・・」
気づけば俺はしっかりと二本脚で立っていた。しかも濡れていない。
水の中にいたのに濡れていないのだ。服も綺麗だ、乾いてる。
さっきまで俺が沈んでた水は? どこへ消えた?
またもや、ありえない状況が自分を襲う。
行き場のない疑問符が辺りを漂った。刹那、そんな空気を一声が破った。
「さぁ!私の召使いになりなさい! 魔力の塊人間!」
金髪で、長いローブの似合わないエルフらしき少女が言った。
突然召使いになれ、と言われても訳がわからない。
・・・我に返り、自分の状況を再確認しようとした。
あ?エルフ?召使い?魔力の塊?
さっきから出来事が多くて頭がついていかない。
まじでなんだ、なんなんだよ。
また自問自答だ。自問自答を繰り返し、繰り返し、繰り返す。
「ここって異世界かなんかですかね?」
何やってんだ俺。もっとましな答え方あんだろ。てかこの少女の話ガン無視しちまった。
でも、この少女。どう見ても耳長いんだわ。
エルフってワードが真っ先に出てくるやつなんだわ。
異世界要素がやばいんだわ。
自分の知ってる異世界知識の入った頭はシュンシュンと音を出し、擦り切れそうになる。
そんなのもつかの間、エルフみたいな少女が俺の考えを悟ったかの様に言い放った。
「わ、私の話を無視するとは・・・いい度胸ね!良いわ!教えてあげる!
様々な種が集う都市。 二ヴァルヘイストよ!」
誤字、脱字等が御座いましたら、
ご指摘のほど、よろしくお願い致します!l
次回もお楽しみに!