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今後の予定

スポーツドリンクと水筒の発売日を、私はドキドキしながら迎えた。


ーいっぱい売れるかなー?いや、やっぱりあんまり売れないかもしれない。


私のアイディア(とは言っても、地球にあった物だけどさ)を元に開発して販売している訳だから、売れなかったら私のアイディアが悪かったって事になるよね?


ーあー、胃が痛くなりそう…。


フィオ様もオルランドさんもリオン君も、『そんな事は気にしないで良い』『もし売れなかったら、『作ってみよう』と言った私にも責任はある』って言ってくれたんだけどねー。それでも気にしちゃうものですよ。


その日、1日そわそわしながら過ごした私だけど、仕事が終わってからオルランドさんに聞いた話にショックを受けた。


「あ、あんまり売れてないのですか…」

「まあ、そのようですね」

「そうですか…」


ああ、私の不安が的中してしまった。皆に申し訳なさ過ぎる。

私がそう考えていると、オルランドさんが慰めてくれた。


「まあ初日ですからね。これから売り上げを伸ばしていけば良いのですよ。まだ皆、商品の良さを知らないだけですから」

「…売り上げ、伸びると思いますか?」

「思います。旦那様が『良い』と仰ったのです。売れますよ」

「…そうですか」


もしかしたら、聞いた相手が悪かったかもしれない。旦那様バカなオルランドさんに聞いても信憑性がないよ。


「それに、騎士団からは大量注文を頂いていますからね」

「そうか!騎士団がありましたね!」


オルランドさんのその意見を聞いて、私は少し納得した。そう、騎士団からは水筒の大量注文を頂いているのだ。リオン君が忙しいのは、騎士団からの注文分を作ってるからなんだよねー。ちなみにスポーツドリンクも注文頂いている。


ーおお、なんと有り難い事か!


騎士団様々である。騎士団の団長さんにお礼を言いたいくらいだ。

そんな騎士団に売り込みをかけてくれたフィオ様にも感謝だ。


ーフィオ様もありがとうございます!


本当にいつもフィオ様には助けられてばかりいる。私にも何か恩返しが出来たら良いんだけどなー。

今は何も出来ないけれど、私に出来る事があったら、全力で恩返しをしよう!

私はそう心に決めた。

そんなフィオ様は、まだお帰りになっていない。今日は遅くなるらしい。フィオ様も大変だー。お疲れ様です。


「それで、次は何を作る予定なのでしょうか?保冷庫にしますか?」

「えっ!?次、ですか?」


オルランドさんに聞かれて、私は戸惑った。スポーツドリンクと水筒が発売したばかりの上、売れるかも分からないうちに次の予定を聞いてくるなんて…。採算は取れるって思ってるのだろうか。


「いえ、保冷庫は後でも良いです。先に購入しやすいピーラーにしたら良いかなーと思います」

「ぴーらーって何だい?」


リオン君に聞かれて、私はハッとした。


ーそうか、フィオ様とオルランドさんには説明したけど、リオン君にはまだだった。


「あのね、ピーラーっていうのはね、皮むき器の事なの」

「皮むき器?」

「うん、そう。今、野菜とかの皮って、ナイフで剥いてるんだよね。でも、皮むき器があれば、誰でも簡単にすぐに皮を剥く事が出来るんだー」

「へー、それはすごいなー」

「いや、あの、ごめん。『誰でも』は言い過ぎだった。小さい子供には危ないや」


私の言った事にリオン君が感心してくれたから、私は慌てて言った。


「そうか。そうだよねー。皮を剥くんだもんね」

「うん」

「で、それって、やっぱり、金属なのかな?」

「う、うん。そうだよ」

「だよねー…」


心なしかリオン君のテンションが下がってどんよりした気がする。そこで、私はまた慌てて言った。


「い、いや、もちろん今の水筒が終わってからで良いからね。ね、オルランドさん?」


私がオルランドさんに確認すると、オルランドさんは頷いてくれた。


「ええ、もちろんです」

「そうですか、良かったー」


そう言ったリオン君の顔は安堵に満ちていた。私が思った通り、リオン君はこの忙しい時に更に開発もするのかと不安になっていたようだ。


ー大丈夫で良かったね!リオン君。


こうして、今後の予定が決まっていったのであった。

すみません。しばらくの間、火金更新ではなくて、不定期更新にしたいと思います。

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