水筒の完成
すみません。今回短いです。
リオン君は何回も試作品を作っては実験していた。保冷時間や保温時間を確かめては、改良品を作っていくのだ。
この段階では、私が手伝える事なんて、ほとんどない。私の一番の仕事は、最初にリオン君に説明する事だったと言っても過言ではないくらいである。
忙しそうにしてるリオン君のお役に立てず、申し訳ないよ。
そのリオン君は、本当に鍛治職人としても才能があるようだ。フィオ様とオルランドさんが口々に褒めていたもの。すごいねー。
でも、私がすごいと思うのは、私が何も言ってないのに、リオン君とフィオ様が水筒の2重構造と真空状態を思いついた事だ。いや、本当にすごい!
別に私は意地悪して教えなかった訳ではない。ただ単に知らなかったのだ。もしくは、知ってはいたものの忘れていたか。
それなのに、リオン君とフィオ様は2人であれこれ議論してたかと思うと試作品を作り、それが失敗したとなったらまた議論を重ねて試作品を作っていき、ついに完成させたのだ!
「おめでとうございます!!やりましたね!!」
私が完成を祝うと、フィオ様とリオン君から喜びの声が上がった。そして、オルランドさんもそんな2人を讃えている。
「ありがとう」
「やったよー!」
「おめでとうございます」
これで、スポーツドリンクと合わせて夏の間に売り出す事が出来る。いやっふぅー!!!
何でもこの水筒は、何を入れても大丈夫な仕様になっているんだそうだ。これなら、スポーツドリンクを入れても問題ない。
2人は私の要望も叶えてくれたのだ!ありがとうございます!!素敵すぎます!!!
「そうだ!完成のお祝いに乾杯しましょうよ!」
「良いな」
「やりましょう!」
私の提案に、フィオ様とリオン君が賛成すると、すかさずオルランドさんが反応した。
「かしこまりました。ご用意致します」
「私も手伝います」
私が提案したのに、さっと乾杯の用意しようとするオルランドさんは流石です!
私も手伝い、皆の乾杯の準備をしていく。グラスを4つ用意すると、そこにオルランドさんがぶどう酒を注いでいった。
「もちろん、ルーナの分はジュースですからね」
「はい。その方が有り難いです」
お酒はあの二日酔いで懲りました。今はジュースが良いですから。
3つのグラスにぶどう酒を、そして残りの1つにオレンジジュースを入れ、グラスを2人の所に運んだら、それぞれがグラスを手に取った。そして。
「完成を祝して、乾杯!」
「「乾杯」」
「かんぱーい!」
ーあー、オレンジジュース美味しいなー!




