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眠り天女

すみません。今回、いつもより短いですが、きりが良いのでここまでにします。

お酒を飲んでしまったという事実が判明して、私は一気に血の気がひいた。


ー未成年者飲酒禁止法!!


「わ、私、お酒を飲んじゃったんだ…。どうしよう!警察に捕まっちゃったり、解雇されちゃう!わぁーーー!!!」


私は、一気に悪い想像が膨らんで、両手で口と頬を押さえて叫んだ。


「ど、どうした?」

「フィオ様!どうしましょう!!私、未成年者飲酒禁止法を違反してしまいました!!!」


私はフィオ様に訴えた。法律違反の事実を。


「未成年者飲酒禁止法?その名称からすると、未成年者の飲酒を禁止する法律なんだろう?」

「そうです」

「それで、ルーナはその未成年者飲酒禁止法とやらを違反してしまった事に衝撃を受けているのか?」

「そうです…」

「そうか。なら、安心して良い。この国では、未成年者の飲酒を取り締まる法律はないからな」


フィオ様のその言葉に、私は俯いていた顔を上げた。


「えっ!?えええええ!!!そ、そうなんですか?」

「あ、ああ…」

「それって事は、つまり、私は法律違反をしていないという事ですか!?」

「そうなるな」


フィオ様が頷くのを見て、私は安堵でイスの背にへたりこんだ。


「あ〜〜、良かったぁ〜。てっきり、私は警察に捕まった上、仕事もクビになるんだと思ってしまいましたよ」

「そうはならなくて、良かったな」

「はい!!」


私は笑顔で頷いて、テーブルの上にあるグラスに手を伸ばした。そして、ゴクゴクと飲んだ。飲んでしまった。安堵のあまり、グラスの中身がレモン酒だという事を忘れていたのである。

ゴクゴクゴクゴクゴク。


私は全部グラスの中身を飲んだ後、フィオ様の表情と更にふわふわのふらふらになった自分の状態で、さっき飲んだのがお酒だった事に気が付いた。


ーあ〜〜、私ったら、バカ過ぎるぅ〜〜。


さっき衝撃を受けたばかりだったのに、またやっちゃうなんて……。これは、酔ってるな。うん、さっきも十分酔ってたんだ。そして、今はさっきよりも更に酔っていると。


「ルーナ?大丈夫か?」

「はいぃ〜、大丈夫れすよ〜〜」


ふわふわのふらふらだけど、記憶はしっかりしている。だから、大丈夫だ。


「いや、大丈夫じゃなさそうだな」

「え〜〜?そんな事ありませんよ〜。私は大丈夫れすよ〜」

「……ルーナ。酔っ払いは、皆、そう言うんだ」

「え〜?そうなんれすか〜?確かに私は酔っ払ってますけど、記憶はしっかりしてますよ〜?」

「そうか。それは良かった。だが、歩けないだろう?今、水を持って来るから、そのまま待っているように!」

「うぅ。すみません〜。分かりましたぁ〜」


水を持って来る為に部屋から出て行ったフィオ様を見送ったら、何だか眠たくなった。


「ふわぁぁぁ〜〜」


あくびが出る。眠い。これはまずいぞ。このままだと、フィオ様が戻って来るまでに寝ちゃうかもしれない。頬をつねってみるけど、酔っててつねる力が入らない。うーむ。困ったなー。困ったー、困ったー……。


ーはっ!寝てた!


目を閉じて考えてたら、いつの間にか寝ちゃってた。何か良い目覚める方法はないものか………。……………。ぐーぐー。スヤスヤスヤ。ぐーぐー。むにゃむにゃむにゃ……。

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