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メイドのお仕事

掃除機の様な風魔箱を使い終えると、次に水道の様な水の魔道具を使った。

それは、私の予想した物に似た物だった。センサー式とプッシュ式の中間と言うか、タッチ式でした。まあ、魔石に触れる訳だから、そうなるよね。

水が出てくる部分は、まんま水道だった。何で、地球の物と異世界の物で同じ様な感じになるんだろうね?どこにいても、人間の発想は同じ様な感じになるんだろうか。まあ、私には馴染み深くて良いんですが。


他の生活魔道具に関しては、また今度教えて貰う事になった。他の生活魔道具って、どんな物があるんだろうね?楽しみである。


オルランドさんの授業が終わると、次はメイドのお仕事を教えて貰う事になった。メイド長のアンナ様が教えてくれるらしい。


「メイドの仕事は多岐にわたりますが、当屋敷のメイドの仕事は更に多岐にわたります。それは、旦那様が女性嫌いでメイドの人数が増えないからです。それで、ルーナに最初に覚えて欲しいのは掃除、洗濯、皿洗いです」

「分かりました」


どおりでメイドさんの人数が少ないと思ったよ。フィオ様の女性嫌いの影響か〜。納得。

私はアンナ様から教えを受けながら、部屋の掃除をした。その際、さっきオルランドさんの授業で使った風魔箱を使った。オルランドさんのおかげで、あんまりとまどう事もなく、掃除が出来た。


ーありがとうございます。オルランドさん。もうオルランドさんには足を向けて寝られません。


きっと、私がメイドのお仕事のするにあたって、あらかじめ魔石と風魔箱の使い方を教えてくれたのだろう。私の推測だけど。


掃除の仕方はあんまり日本と変わらないから、まあまあ覚えられたと思う。でも、忘れないように後で部屋に戻った時にノートに書いておかなくちゃ。本当は、説明を聞いてる時にメモを取りたいんだけど、私が持ってる紙とかペンとかが、こちらの物とは違うんじゃないかと思うと、他の人の前ではメモれなくって。

後で、『紙とペンを支給して頂けますか』ってオルランドさんにお願いしてみようかな。


次に教えて貰ったのは、洗濯だ。洗濯を教えてくれるのは、カリーナさんでした。


「カリーナさん、宜しくお願いします」

「うん。宜しくね」


掃除機みたいな風魔箱があるなら、洗濯機みたいな魔道具もあるのかな〜?と期待していたんだけど…。

ありませんでした。

『何で?どうして?』と思っていると、謎が解けた。

何と、洗浄の魔石なる物があるのだとか。


「洗浄の魔石って、普通の魔石とは違うのですか?」

「違うわね〜。これは、水の魔石と光の魔石を合わせた上で、術式がかけられている物なの」

「そうなのですね〜」


って返事したけど、さっぱり分からなかった。術式って何ですか?初めて聞きますけど。


ーうわぁ〜ん、オルランドさぁ〜ん。洗浄の魔石とやらも教えておいてほしかったですー。


何となく、魔術を使うのに必要な魔法陣とか呪文を簡略化したものなのかな?と予想する。今のところは、そんな認識で問題ないだろう。術式とやらを自分でかけるんじゃなくて、もうかかっていて使うだけなら、私が考える必要ないし。

『そういう物なんだ』という事が分かっていれば良いでしょう。


洗浄の魔石は、四角い大きい箱に洗濯物を入れた後、洗濯物の山の上に置いて魔力を流していくんだそうな。その際、カリーナさんはいつも『きれいにな〜れ〜』と唱えたり念じているんだって。別にしなくてもきれいになるんだけど、ついやってしまうらしい。


ピカピカになった洗濯物は、風の魔石を使って脱水する。魔力をいっぱい流せば、乾燥まで出来るんだって。でも、魔力をいっぱい流すのは大変だから、晴れの日は天日干しにするらしい。

雨の日は、風の魔石で乾燥させるから、雨が続く季節は大変なんだって。今年は私もいるから去年よりは楽になると言われた。

そんなに大変なんだ…。うへぇ〜。


お洗濯物を干し終えると、お昼ご飯の時間になった。私もとうとう使用人用の食堂で食事がとれるようになった。良かった。

やっぱり、お店じゃないところで食事を持って来て貰ったり下げて貰ったりするのは落ち着かないもの。


食堂にはカリーナさんと一緒に行ったんだけど、ベルタさんが先に来ていたから相席させて貰った。カリーナさんとベルタさんが、食堂の食事の仕組みやあれこれを教えてくれて、とても有り難かった。

食事の時には、お仕事の話や街の話をした。


ー街かぁ〜。行ってみたいなー。


買いたい物があるし。その買いたい物についてを2人に聞いてみると、快く教えてくれた。ありがとうございます。


お昼ご飯の後は、お皿洗いに行く事になった。アンナ様がまた私のところに来てくれて、厨房まで案内してくれた。そこで料理長のティーノさんに私の事を頼んでくれ、アンナ様は去って行った。


「じゃあ、皿洗いをしてくれ。やり方は分かるよな?」

「い、いいえ…」

「何だ。知らねえのか。おい、パオロ。この嬢ちゃんに皿洗いを教えてやってくれ」

「分かりました」


ティーノさんはパオロさんとバトンタッチして、晩ご飯の仕込みに戻っていった。


「パオロさん、すみません。宜しくお願いします」

「気にしないで良いよ。誰にでも知らない事ってあるしさ」

「はい。ありがとうございます」


パオロさん、何て優しい人!有り難や有り難や。


「ここに置いてあるお皿は、ここに置いてある洗浄の魔石を使ってきれいにするんだ」

「また洗浄の魔石!?」

「またって?」

「お昼ご飯の前に、洗濯を教えて貰ってたのです。それで、つい…」

「ああ、なるほど」


パオロさんは納得したようだ。


「それで、皿洗いだけど、お皿とかの上で洗浄の魔石を使えば良いんだ。こんな風に」


パオロさんは洗浄の魔石を使って、お皿洗いを実演してくれた。なるほど。分かりやすいです。


「分かりました」

「洗い終わったお皿は、ここに並べて乾燥させるんだ」

「それは、風の魔石を使ってですか?」

「そうだよ」

「分かりました」

「出来そうかな?」

「多分、大丈夫だと思います。分からない事があったら、また教えて下さい」

「もちろん」

「ありがとうございます。やってみます」

「分かった。じゃあ、宜しくね」

「はい」


私は洗浄の魔石を使ってお皿を洗うと、風の魔石を使って乾燥させた。食器は洗濯物より小さいから、乾燥させても魔力はたくさん使わないのかな?

そんな事を考えながら、無事お皿を洗い終えました。


ーふぅ〜、働いた。

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