『急展開な』だけですよ。
「なんで避けようとしない。」
背後に回られたのは、分かったが何故彼女がナイフで寸止めをしているのかが分からない。
アサシンなら躊躇なく刺していただろうが素人と言うのは、分かった。
「なんでナイフを首に?」
「状況が分かっていないようだな。私の質問に答えろ。」
たくましい『女の子』なことで…
「避ける必要が無いからさ。」
「なんだと?!妄言も大概にしろよ。貴様が『Orign』で相当な実力者だと言うのは、分かっているんだ。」
「あぁ電子レンジの事ね。」
「とぼけるなよ。貴様が組織の連中の手先なんだろ?他の男の欲望に満ちた目と違いお前は、観察的だった。怪し過ぎる。」
そりゃ護衛対象だからな。
「まぁとりあえずナイフをしまってくれないか?」
「傷を負わないと分からんようだな。」
彼女は、容赦なくナイフを肩に『歯が隠れる程』刺した。
しかし限治は、悲鳴どころか顔色一つ変えない。
「なぁそろそろ離してくれないか?対象を傷つけたとなるとめんどくさい。」
そう言って彼は、彼女の手を払うと彼女は、地面に叩きつけられる。
「『重力系』だと!?っく……っ…」
この状態は、『重力系』の技に酷似しているがそれに近い状態なだけである。
必死に抵抗しては、いるが手も足も出ない。
「くっ…」
「形勢逆転だな。お前のナイフを見てみろ。」
彼女の持ってるナイフの刃がまるっきり無くなっておりグリップしかない。
「…っなぁ!?」
『分解系』とでも言いたそうな顔をしているが全く違う。
「記憶をいじって別の記憶でも植え付けて置くか。」
歯が立たないと思い冷静になった彼女は、質問をしてきた。
「…一つ聞いてもいいか?…っ…」
現在彼女は、影で地面の冷たいアスファルトに伏せているが、夏だしひんやりして少しは、冷たいだろうと思っていたのだが汗が凄い事になっている。
汚いな。
「なんだ?手短にな?」
「さっきから『重力系』…の技を掛けている様だが…くっ…先程背後に回った時に『強化系』でっ…私の速度にっ……追いついた様に見えた…何故君は、複数の能力を持っていっ…るんだ……さ…さっきの刃も『分解系』で分解した様だった…口振りからして『記憶系』も…使えるのだろっ……くっ……っき…君は、いったい何者なんだ?…っ…」
「能力は、たった一つしかないしただの落ちこぼれの『Origin』ですよ。さて…君の記憶をいじるけど護衛をしやすい様に都合の良いように変えるから安心して。」
悪魔の様に口が笑った。
マリアは、全身から危険だと感じたのか必死にこの世の終わりだと思う程必死に抵抗した。
「…ひっ!?……まって辞めて……なんでも喋る…なんでもする…お願いします……助けてくれ…いや助けてください……お願いします…お願いします……だから辞めっ…んふふんんふんんんん!!??」
手で口を塞ぐと彼女は、失禁していた様でアンモニア臭が漂う。
涙を流しながら何か言ってるが神は、無慈悲だ。
汗だくで失禁するとか汚物過ぎてつくづく失望する。
まぁ任務だししょうがない…
こんな汚い奴でも一応護衛対象だし都合の良い記憶を植え付け更には、護衛しやすくなるとすれば『今あった屋上での出来事をどう都合よく変える』かだ。
「ヤンデレヒロインくらい俺に執着させておくか。」
「ふっんんんん!?」
彼女に掛けている擬似重力を解除し力が抜けた様に彼女は、脱力した。
手を離し頭に手を置く。
「ぷっはぁ!!?はぁ…はぁ…はぁ…」
先程屋上では、『マリアが一目惚れをしてアタックし僕が承諾したところ脱水症状で倒れたと言う設定』に書き換えておく。
無理があり過ぎるが仕方ない。
平凡な日常の為だ。
記憶を書き換えるとマリアは、倒れた。
「失禁した跡は、分解して置かないとな…」
さっきまであった排泄物は、跡形もなく『消失』した。
保健室まで運んで午後の授業サボろうかなぁ…
はぁ…めんどくさい。
保険医には、「まだ留学初日に彼女をこんなにしたのは、僕なんで彼女が目覚めるまで責任持って彼女を面倒みます。」と伝えてある。
問題は、彼女の記憶がちゃんとあるかどうかだ。
「それにしても記憶操作が無かったら今頃どうなっていたか…」
なんだか眠たい。
「ね…ねぇ///お…起きてぇ…///」
誰かに身体を揺すられている…
寝てしまったか…記憶操作を使うと眠くなるなぁ…
「大丈夫かマリア?」
「うっうん///だだだ大丈夫です…///」
「そうか何よりだ。」
「ほ…本当に///こ…恋人になってくれるの?…///」
「あぁいいよ。」
それが偽りの恋だとしてもこちらは、任務だからそれ程動揺しない。
「ハ、ハゥ…///…ハ、ハグしていい?///」
そっとマリアを抱きしめてあげた。
後半の保健室での限治君は、デスノで例えるなら『計画通り』ってしてるくらい悪い顔になってます。(ハグの瞬間)
そういえばサイコパスのタグつけてねぇな。
読んで下さりありがとうございました。