『温める』だけですよ。
やっはり学園に居ると冷ややかな目で見られるなぁ。
そんなことを考える昼休み。
机の上で寝ていると…
茶髪でボブのキリッとした女子生徒がいつもの様に
「ねぇねぇレンジくん。コレ温めて?」
クラスで一番可愛い女子の楓がコーヒーを持ちながら
「「僕の名前は、限治。ゲンジだ。頭の文字を変えるな」でしょ?うふふ」
そんな風にいつも先読みされてしまう。
いつもの様に楓が『嫌いな』MAZコーヒーを渡す。
楓は、いつもの様に
「はいはいごめんごめん。でもレンジ君の方がみんな覚え安いよきっと!うん。そうに違いない」
何コイツ…
自己完結した上適当に返しやがって…
はぁ…
そんな会話をしてる間にMAZコーヒーは、温まっていた。
「はいよ。それにしてもお前夏場に熱いコーヒーってどうなんだよ」
楓は、落ち込んだ様に
「私は、体温を一定に保っていないと身体が凍っていくからねぇ。能力の副作用なんだぁ…」
妙に真剣な顔だったので反応に困ってしまう。
「お、おう」
「気を使わなくていいからね。まぁコーヒーは、毎日温めさせてねー。じゃーねー」
そう言って彼女は、女子6人のグループに行った。
「電子レンジかぁ…もう慣れた呼び名だなぁ…」
みんなからある程度慕われているのは分かるがやはり所詮は、電子レンジ。
ポンコツ『Origin』で電子レンジ程度の能力しか発揮しない。
だから馬鹿にされるんだよなぁ…
まぁいいかそんなこと。
「アイツまた楓さんと喋りやがったぜー」
「楓さんとどんな接点があんだよ」
「レンジだったら俺も楓さんと…」
「上手いこと言ってんじゃねーよw」
「なぁなぁレンジ!」
声を掛けて来たのは楓の非公認のファンクラブの4人組。
名前は、確か…
「なぁなぁレンジどうやったら楓さんとお喋りできるんだよ?」
とてもフレンドリーに話しかけるコイツらの名前が思い出せない…
決して悪い奴らでは、ないんだ。
「俺みたいな落ちこぼれに聞いてどうすんだよ。コーヒー毎日温めて渡せばいいだろ。むしろ変わってくれ」
「そりゃもう試したよ…いつも飲んでるMAZコーヒーを温めて渡したら…『気持ちは、嬉しいんだけど限治君が温めてくれた方が温まれるんだ。本当にごめんなさい』神対応過ぎておれのセンチメンタルハートは、今にも砕けそうだった」
「俺なんか楓さんに『コーヒーじゃなくても良いのでは?』って言ったら『思い出の飲み物だから嫌いなコーヒーを毎日頑張って飲める様に頑張ってるんだ』だぞ?健気な女の子だよおぉぉぉぉぉ」
「分かるぅ分かるぞぉぉぉぉぉぉぉ」
「同士よおぉぉぉぉぉおおぉおぉぉぉおぉ」
コイツらめんどくせぇ…
普通に考えて僕の方が温まれるってなんなんだよ…
もう逃げよう…
消えるように教室を出ていった。
幸いアイツらは、楓について盛り上がっており俺に気づかなかった。
ひまな時にいつも屋上で寝ている。
階段を登るといつもは、開いていないはずの扉だが限治は、見落としていなければ彼女と会う事は、無かったであろう。
屋上に行くと会いたくない人物と鉢合わせしてしまった。
彼女は、和とビキニを合わせたような水着姿ではち切れんばかりの巨乳に見合わない程の低身長のまさにロリ巨乳の和風美人。
まぁ厳密に言うと会いたくないと言うより合うとめんどくさいと言うのが確かな人物がそこにいた。
「やぁレンジ君!今日も最高のお昼寝日和だね。ところで研究所のデータ抹消は、順調かね?君の場合施設ごと抹消するからこっちも手を回すのに一苦労だよ…全く…」
学校内で水着姿でうろつくきこんな格好でこんな事を言うのは、限治が知る限りただ1人
「…はぁ…学園長…とりあえずちゃんとした服を着てください…威厳が塵もありません…」
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