第二話 初戦闘
イミテーション→偽能使いに変更
「ぅん………ここは?」
優羽は気がつくと何故か地面に横たわっていた体を起こし、周囲を確認した。
(木、木、木、どうやら森の中のようだな)
自分の周りの環境をとりあえず表面だけは理解し、今度は自らのステータスの確認に移る。
(ん?そういえば確認ってどうやるんだ?………こうか?)
とりあえず、ステータスと念じてみるとそれらしきものが出た。
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ユウ・カザキリ
Lv1
HP25/30
MP135/135
筋力18
耐久10
俊敏23
魔力25
器用15
《所持スキル》
【異界収納】
【鑑定】
【偽能使い】
【異世界言語、文字取得】
【加速】
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この世界の平均を知らないため、自分のステータスがどの程度なのかはわからないが、どうやらあの自称『神様』に頼んだスキルは備わっているようだ。何故HPが消費されているかは疑問だが。
(ん?なんだこれ)
しかし、【加速】と【異界収納】という頼んだ覚えのないスキルも所持していた。
「まあいいか、別に害のあるものでもないだろ」
そう考え、今度はスキルをチェックしていく
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【異界収納】
こことは違う空間にアイテムを収納し、自由なタイミングで取り出せる
【鑑定】
指定した対象のステータスを知ることができる
【偽能使い】
殺した生物のスキルをコピーし、自分のものとすることができる
【異世界言語、文字取得】
異世界の言語、文字を取得する
【加速】
発動後10分間、俊敏の数値が二倍になるが、耐久が半分になる。
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自分が要求したものではないが、【加速】は耐久が半分になるのは痛いが、かなり便利だ。
(アイツの言ってたサービスってやつか?)
貰えるなら活用させてもらおう。
そう考え、とりあえず前へと歩き出した。
「グギャッグギャッ!」
と、その時、前方に何か小さな緑の物体が3つ見えた。
それぞれ小剣、棍棒、棍棒を持っていた。
(ふむ、確認してみるか)
そこで優羽は、その小さな緑の物体に対して【鑑定】を発動する。
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リトルゴブリン
Lv3
HP52/52
MP0/0
筋力18
耐久16
俊敏13
魔力0
器用5
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なるほど、あの程度なら優羽にもやれそうだと思い、駆け出した。
(ゴブリンっていえば、初戦闘の定番だしな)
リトルゴブリンの内の一匹がこちらに気づいた。
しかし、優羽はそのリトルゴブリンの目の前まで瞬時に移動し、回し蹴りをリトルゴブリンの頭に放つ。
「グギャッ!」
蹴られたリトルゴブリンは体勢を崩した。
「フッ!」
体勢を崩したリトルゴブリンの腕から小剣を奪い取る。
そして、そのままリトルゴブリンの首をはねようとするが、隣から割って入った棍棒に阻止され、一旦後退する。
(あのままいけると思ったがやっぱ無理か)
仲間の武器が奪い取られたのがお気に召さないのか、リトルゴブリン達は同時に飛びかかってきた。
しかし、優羽は【加速】を発動し、それを難なく避けると、先ほど武器を奪い取ったリトルゴブリンの背後に移動し、首をはねた。
「グギャァァァ!」
仲間の命を奪われ、残った二匹のリトルゴブリン達は激昂し、武器を滅茶苦茶に振り回しながら襲いかかってきた。
「隙だらけだ!」
それを優羽はしゃがみこみ、地面を滑らすように蹴りを放ち相手の足を狙う。要は足払いだ。
「グギッ!?」
案の定滅茶苦茶に棍棒を振り回していたリトルゴブリンは、足を取られ盛大にこけた。
更に、その後ろから襲いかかろうとしていたリトルゴブリンも、こけたリトルゴブリンに躓き、その上に重なった。
「思ってた以上に雑魚だな」
そんな事を言い、ちょうど重なっているリトルゴブリンを上から串刺しにする。
「グギャァァァ!」
リトルゴブリンの悲鳴があがり、その体を痙攣させたが、すぐに収まった。
(ふむ………日本にいた頃読んだ武術の本を真似てみたが、予想以上に上手くいったな…)
リトルゴブリンの持っていた小剣を【異界収納】に入れ、他のリトルゴブリンが持っていた棍棒も同じように収納する。(さて、ステータスはどうなってるかな)
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ユウ・カザキリ
Lv2
HP40/43
MP168/168
筋力23
耐久13
俊敏28
魔力30
器用18
《スキル》
【異界収納】
【鑑定】
【偽能使い】
【異世界言語、文字取得】
【加速】
【毒耐性(弱)】
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(1Lv上がるだけで結構あがるな…それにこの【毒耐性(弱)】、あの中のどいつかが持ってたのか?)
そして、また元々進もうとしていた方向へ歩き出した。