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黒犬と旅する異世界 ~人の意思、世界の意思~  作者: 緋龍
突然攫われるに至った理由
1/70

これまでのあらすじ

 あらすじとはとても言えない代物となっております。読まなくても何の支障もございません。

雷華「はじめましての方もそうでない方も、こんにちは。雷華らいかです。そして、こっちの黒犬が」


ルーク「ルークウェルだ。よろしく頼む」


雷華「二人でこれまでの出来事をお話したいと思います。必要ないって方は飛ばしちゃって下さいね。では、ルークお願い」


ルーク「ある日、起きたら黒犬になっていた。だからライカをこの世界にんで元の人間の姿に戻るために二人で旅をしている。以上だ」


雷華「ちょ、ちょっとルーク、省略しすぎよ。いくらなんでもそれじゃ何の事だかわからないでしょ」


ルーク「そ、そうなのか。人に何かを説明するのはあまり得意ではないからな……要領がよく分からんのだ」


雷華「ルーク、口下手だものね。王子で騎士なのに」


ルーク「それは口下手と関係あるのか」


雷華「あるんじゃない? さあ仕切り直して、ちゃんとこれまでの出来事を振り返るわよ」


ルーク「……ああ」


雷華「ええと、さっきルークが私をんだって言ってたことからも分かると思うのですが、私はルークの世界の人間ではないです。非番中に買い物をしていたら突然この世界に来てしましまいました……しかも砂漠に」


ルーク「そこに俺が駆けつけたんだったな」


雷華「わんわん吠えながらね」


ルーク「俺はちゃんと話していたんだがな」


雷華「思いっきり噛まれるし」


ルーク「仕方ないだろう、そうしなければ話が出来なかったのだから」


雷華「まあね。しっかし、血を飲むことで言葉がわかるようになるなんてね。この世界って、ほんと理解出来ないことだらけだわ。この世界に喚ばれた理由だって、私が《白い神の宿命を持つ者》だからでしょう? 《白い神》って何? 《黒い神》? 《色のない神》? って最初のころは疑問だらけだったわよ。まあ、今でも不思議に思っていることは多々あるんだけどね。私の過去を見る力とか感情を読む力とか」


ルーク「俺だって最初は何故自分が《黒い神の宿命を持つ者》に選ばれたのだと腹立たしく思っていたぞ」


雷華「最初は? 今は違うの?」


ルーク「今はむしろ感謝している」


雷華「感謝?」


ルーク「《宿命を持つ者》にならなければライカと出会わな」


ロウジュ「ライカ、何をしているんだ?」


雷華「あ、ロウジュ。ルークとこれまでのことを振り返っているところよ。そういえば、ロウジュと最初に会ったのはクレイの館だったわね。ルークと幼なじみの。伯爵のめいで私を暗殺しに来たんだった」


ロウジュ「そうだったな」


雷華「あの時は本当に殺されると思ったわ」


ロウジュ「とてもそんな風には見えなかったぞ。最後まで諦めないと言っていたしな」


雷華「それはそうだけど、でもあの時ロウジュが私の言葉を聞いてくれなかったら間違いなく死んでいたわね。そういう意味では感謝するべきなのかしら」


ロウジュ「いや、感謝するのは俺の方だ。ライカのおかげで俺は自由の身になったのだから」


ルーク「いつまで二人で喋っているんだ!」


雷華「わっ、ルーク。ごめんごめん、話が途中だったわね」


ルーク「なぜ貴様がここにいる」


ロウジュ「相変わらずよく吠える犬だな」


ルーク「なんだと!」


雷華「ルーク、落ち着いて。ロウジュには、というか私以外にはルークの声は吠えてるようにしか聞こえないんだから。ロウジュもルークを怒らすような言い方しないで。話が進まないわ」


ルーク「……ふん」


ロウジュ「……わかった」


雷華「はあ、一緒に旅をしているのだから、もう少し仲良くしてほしいんだけど……。えっと、どこまで話したかしら……とにかく私とルークは、彼を黒犬から人間の姿に戻すために《色のない神》を捜す旅をしています。手掛かりを求めて東へ西へ、という感じです。旅の途中で、野盗に襲われたり卵泥棒を追いかけたり侯爵家で人捜ししたりもしました。ロウジュはもとより、ルークの幼なじみであるクレイとリオンさん、騎士のエルさん、双子のキールとマールなど、たくさんの人に助けられながらだけれども、何とか無事に旅は今も続いています」


ルーク「こいつの助けは必要ない」


雷華「何言ってるの。ロウジュがいなかったらもっと大変な旅になってたわよ」


ロウジュ「ライカ、そんな犬放っておいて酒でも飲みにいこう」


雷華「え? いや、まだ話は終わってな……わわっ、手を引っ張らないでー」


 ぼふんっ


ルーク「貴様いい加減にしろっ!」


雷華「ちょっ……いい加減にするのはルークの方でしょうがあぁっ! 公然わいせつ反対っ!」


 ばきいぃっ


ルーク「ぐふっ」


 ぼふんっ


雷華「まったく! 人間の姿に戻れば全裸なんだから、気を付けてって言ってるのに!」


ルーク「……す、すまん」


ロウジュ「強烈な蹴りだったな……」


雷華「お見苦しいところをお見せしてごめんなさい。ルークがぐったりしてしまいましたので、ここらで終わりたいと思います」


ルーク「それはライカが」


雷華「ここまで読んで意味が分からないと思われた方は、申し訳ありませんが『黒犬と旅する異世界』をお読み下さいませ。さ、ロウジュ飲みに行きましょう」


ロウジュ「いいのか?」


雷華「いいのいいの。ルークもそのうち来るでしょ。ちゃんと服を着て、ね」


 ギロリ


ルーク「う……わ、わかった……」


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