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それでも
怖かった
目の前で光った刃物が……、
当たり前のように無造作に下ろされた凶器に
幾ら、入ってはいけない場所に入ったからだとはいえ、
当たり前のように人に向ける人たちに
旦那さまが来なかったら、
そのまま侵入者として――捕まる
怖い
怖い
町で生活している時には、こんなことは無かった
今まで知らなかっただけだったとしても
断れなかった結婚だけれど
本当に結婚して良かったの?
疑問が浮び、
旦那さまの顔が浮んだ
こんな相手と無理やり結婚して良かったんだろうか?
きっと後悔している
当たり前のことを知らない私のことを




