日本家屋の構造
危なくないですが、この場合はR15に引っかかるのか? あとで少し変えるかもしれません
えっ! そんな! これ以上の攻防は無理なの!
胸元に侵入してきた手に焦りながら
「駄目!本当にダメ!」
手を抑えようとしても全然びくともしない!
涙目になっているかもしれない!
「………」
「だって、だって! 隣の部屋に人がいるし!」
「…………」
「…っ、こ、声が聞こえたらっ、は、恥ずかしいっ……」
「……、」
そうだよ! 腹を決めて結婚したんだけれど。
断れないのもあってなんだけれども――――ここでこんなに抵抗しているのは行為そのものじゃなくて。
筒抜け状態の日本家屋の構造に問題があるんだよ!
と、自分でも言った今、気がついた。
まあ、結婚したら当り前にするモノだって分かっていながらそんなモノを他人様に聞かせるのが嫌だ!
プライバシーの侵害だ!
と、相手の動きが止まっているので―――恐る恐る見ると。
空を睨みつけていた。
あれ。
じゃあ、成功でもしかして、もしかしてO.K ?
――――だと思ったんだけれども少しして。
「大丈夫。この近くに人はいないし幾らでも声を出しても大丈夫だから」
んな、馬鹿な!
と、思って耳をすませば自分の心臓の音が凄く聞こえて、周りの音が良く聞こえない。
それでも――きっと一晩中宴会をやっていたと思った隣の部屋からなんの音もしなくて安心した。
そんな状態が分かったのか
「…じゃ、あ。続き」
そう云って着物の帯を解きはじめた。
相手の意志を変えられないし、往生際が悪いのは分かっていた。
今出来るのは身体の力を抜くだけだった。
耳元に口を寄せられ
「大丈夫。優しくするから……」
鼓膜に色と欲を含んだ声が響いた。