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ストップ!中止!
「……どうして?」
相手の人は、驚きもせずに里香の言葉に問いかけた。
「だって、私。あなたの名前すら知らない!」
「ああ。佐助」
「りか……里香」
相手が名前を云う。里香も名前を―――。
名前だけ答えた。
こっちの世界で知った人は姓を名のる人はいなかった。
だから、里香も同じように姓を云ったコトはない。
そのまま沈黙。
少しして、相手が了承として受け取ったか、そっと里香を布団に押し倒した。
え、え、え!
と、相手の胸を押さえて――どうしたらこの先の行為を中止出来るか懸命に考える
考えて、出てきた答えは!
「…あ、あと。私、初めてじゃないから……!」