末広がりが届ける春の便りに
ただ望むから純心で
ほんのり女郎花の色の襦袢に
青白磁の衣を羽織って
透き通るような肌が纏う香りは
気づけば引き寄せられてしまうよ
ねぇ 麗しい月影さん
奥ゆかしくて
お話することが苦手なあなた
あなたの魅力をお伝えしたくて
ふいと立ち寄ってしまいました
あなたのその身の香りをつけて
良き方との縁を探しても?
『残雪の 真白の衣 纏いても
隠しきれぬよ その華やぎは』
漏れ出づる梅重の情熱に
山すら吹くような瞳で見据えて
立ち上る熱に漂う香りは
その濃さに立ち眩みしてしまいそうで
ねぇ 猛々しい烈公さん
実は照れ屋さんで
多くを語るのが苦手なあなた
あなたの熱に引き寄せられて
ついと留まってしまいました
あなたのその身の香りをつけて
良き方との縁を探しても?
『花曇り 陽炎さえも 魅入るでしょう
緋色に秘めた 熱と想いに』
引かれ惹かれて実は結ぶ
お礼などは要りませぬ
お二人の醸す甘い香りを
十二分にいただいたので
どうぞどうぞ幸せに
ご縁があればまた、いつか
感じ得るのはそれぞれで