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物語調の詩/短編

末広がりが届ける春の便りに

作者: 日浦海里

ただ望むから純心で

ほんのり女郎花(おみなえし)の色の襦袢に

青白磁(せいはくじ)の衣を羽織って

透き通るような肌が纏う香りは

気づけば引き寄せられてしまうよ


ねぇ 麗しい月影さん


奥ゆかしくて

お話することが苦手なあなた


あなたの魅力をお伝えしたくて

ふいと立ち寄ってしまいました


あなたのその身の香りをつけて

良き方との(えにし)を探しても?




『残雪の 真白の衣 纏いても

 隠しきれぬよ その華やぎは』




漏れ出づる梅重(うめがさね)の情熱に

山すら吹くような瞳で見据えて

立ち上る熱に漂う香りは

その濃さに立ち眩みしてしまいそうで


ねぇ 猛々しい烈公さん


実は照れ屋さんで

多くを語るのが苦手なあなた


あなたの熱に引き寄せられて

ついと留まってしまいました


あなたのその身の香りをつけて

良き方との(えにし)を探しても?



『花曇り 陽炎さえも 魅入るでしょう

 緋色に秘めた 熱と想いに』




引かれ惹かれて実は結ぶ

お礼などは要りませぬ


お二人の醸す甘い香りを

十二分にいただいたので


どうぞどうぞ幸せに

ご縁があればまた、いつか

感じ得るのはそれぞれで

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― 新着の感想 ―
[良い点]  読んでいると不思議な気持ちになる作品ですね。  なんだか十二単の時代の空気を感じます。    早春の陽の中。  美しい着物を纏った妖かしの者が、それぞれの梅  の樹に、くるりくるりと舞っ…
[一言]  お囃子が流れて来そうな縁側に  縁を求めて園庭巡り  縁談話に華やいで  結んだ甘い果実は身を焦がす  涙の塩に漬け入られ  干されぬようにとド壺に嵌る ――SUPPA!!――
[一言] 烈公、水戸の藩主様の梅ですね。 名前に似ない可憐な花ですね。今見頃でしょうか。 華やいだ詩でした。
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