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⑶『或る一つの、部屋』

⑶『或る一つの、部屋』



何かの破片を探すかのように、点在した、部屋の物質を見ている。いや、見渡している、と言った方が適切だろうか。この部屋のものには、俺の後人のものになるような、いわゆる、崇高なものばかりではない。ボディバッグも、様々に積まれている。何処に何があったのだろう。



パーカーの類も見える。俺には何一つ必要としなかった、まさに、購入されただけのパーカー。しかし、これから着る可能性だってある。この部屋には、可能性も沢山あるのだ。流されて来た、漂流物の様に、悲しんでいる、この部屋自体が、悲しんでいる。



それでも、これは、或る一つの、部屋である。自分が金銭を払って得た、その刹那には必要としたものだ。ならば、もう一度、振り返ってみるのも悪くはないだろう。悲しみの救済は、今の暗い人生の、俺自身を、救済することに他ならないだろうから。

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