#4 放課後②
(やっぱり可愛いんだよなあ)
隼は自分では気づいてないようだが、中性的な容姿をしていて本当に可愛い。
高1の時に初めて目にしたときからそれは変わらない。
むしろどんどん魅力的になっていく。
そんな容姿とは裏腹になかなかに渋い低音ボイスだ。それがまた良い。
「で、今からどうするの?タピオカ飲みに行かないんでしょ?」
そう言って下から覗き込むようにして自分の様子を伺ってくる。
身長161センチメートル、体重43キログラムの華奢な身体つきはいつ見ても守ってあげたくなる。
「んー、やっぱお前んち行く!」
「結局そこに落ち着くのかよー」
「いいじゃんいいじゃん!久々に一緒にゲームでもしようよ!」
「久々って...毎週来てるくせによく言うよ」
自分は男なのに男が好きになってしまったらしい。自分のこの気持ちに気づいたのは初めて隼を見たその時だった。
初めこそ自分がおかしいのかと思ってネットやSNSでたくさん調べたが、少数派ではあるものの自分と同じことで悩んでいる人がたくさんいる事を知ってホッとしたのをよく覚えている。
それと同時に今まで何人の女の子に告白されても一人として心惹かれる事が無かった理由が明白になった瞬間でもあった。
友人からは、「お前、いつになったら彼女作るの?」だの「理想高すぎなんじゃないの?女選べるような立場になってみたいよ」だの、好き放題言われているが(笑)。
心の底から自分のモノにしたいと思ったのは隼が初めてだった。