「琵琶湖」を死守せよ
※この話はフィクションです。
〜
「琵琶湖を死守せよ」
2052年 8月30日
これが俺たちに課せられた任務である。
滋賀県 それは日本国・近畿地方北東部に位置する日本の行政区画及び地方公共団体。内陸県の一つである。
人口は200万人前後。
関西でも特に特徴の無い県で、他県からのイメージは基本「琵琶湖」であり誰も滋賀に気にかけることなどなかった。
あの日までは。
2052年 8月10日
国連総会で重大な発表がなされた。
それは、全世界で飲み水として使える水、「オアシス」の残量が、地球規模で「あと2年」で尽きるというものだった。
すでに世界200ヶ国のうち、80ヶ国以上でオアシスが尽きており、周辺国への避難を余儀なくされていた。
この時、オアシスの値段は1リットルあたり世界平均230,000円を超えていた。
その日オアシス指数は一時、1オアシス 424,000,000円まで高騰した。
しかし、指数を買うだけで、実際に水が手元に無いことを危惧した、世界中の投資家は
あらゆる手段を使いオアシスを集めようと動いた。
「オアシス」それは人工的には作り出すことが不可能で、自然の秩序に基づく化学反応で偶然生み出される。人類が生きる上でオアシスを3日間摂取しなければ死んでしまうとされている。
オアシスはかなりデリケートで人間が排出する様々な有害物質によって汚染されていた。
そんな中オアシス保有量が全世界1番を誇る「滋賀県」が世界中の投資家のターゲットとなってしまったのである。