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突然ですがあなたは今日から死神ですよ!?  作者: 来栖槙礼
禍津御霊編
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24/34

第24話 開幕

「本日、集まってくれた皆にまずは御礼を……天地開闢以来、天津国の窮地に協力頂けることを感謝します」


 義勇兵を含む黄泉国の部隊、総人数は二百の精鋭を前にイザナミは冒頭の挨拶をして深々と頭を下げた。続けてイザナミは言葉を紡ぐ。


「今、私達のいる黄泉国は人間界から最も近く、そして関係の深い境界です。中には人間としての生を終え神徒となったものもいるでしょう。それ故に人間界との均衡を揺るがす事象は防がないとなりません。生者と死者が互いに干渉する事は私達にとっても人間にとっても望ましいものではありません」


 イザナミは一瞬言葉に詰まった。過去にイザナギとの禍根伴った事柄故に思うこともあったのだろう。


「故に! 境界を、人間界の秩序を脅かす『禍津御霊』を退けなければなりません。互いに手を取り合うことが叶わないのであればこれを天津国、伊邪那岐命の意思として、共に抗う事をここにいる皆に願い求める。異存ある者は立ち去りなさい。異存無きものは沈黙を持って自らの意思を示しなさい!」


 力強く宣言するイザナミの言葉に全員が沈黙で答えた。


「ありがとう。今一度感謝します。ここから先は黄泉国の総部隊長 死神第三部隊 隊長 クロに引き継ぎます。クロ! 前に!!」


 そう言うと壇上の端に整列した死神部隊の隊長三名の中から少し猫背なクロが前に進み出た。


「あ~。聞こえるぅ?今紹介されたクロでぇす! あ、どうも、どうも。」


 いつもと変わらないヘラヘラとした態度に全軍がざわつく。色んなところから本当に大丈夫か? 俺は認めないなど否定の声がする。それでも変わらずクロは続けた。


「色々言いたいことはありそうだねぇ~。ま、それならそれで指示に従わないのもありだけどねぇ。その場合、君らの生死には一切関与しないよぉ~? あと、君らは勘違いしてるけどウチの隊の新人君ほどの力もない君たちが俺に意見があるならかかって来なよぉ?今すぐにね? 」


「ち、ちょっとクロ! 言い過ぎだよ! あんた隊長なんだからっ!!」


 後から織姫が慌てて声をかける。しかし、遅かった。既に数十人の神徒が壇上に向かい攻撃を仕掛けた。言わんこっちゃないとばかりに織姫が割って入ろうとしたが織姫より早く動いた者がいた。その者は壇上のクロの喉元に刃を突きつけた状態で静止していた。飛びかかろうとした数十人もそれを見て動きが止まった。


「これでいいのか? クロ。文句はあるぞ? 新人で俺のことだよな? こんな出だしで巻き込むなよっ!!」


 倫也が操る数十本の刃がクロを取り囲むと同時に飛びかかろうとした神徒に各々刃を向けていた。


「そうそう! よく出来ましたぁ~!いやぁ~優秀だねぇ。うちの新人君は」


 再びざわつくが今度は倫也の行動によりざわついた。あれが新人?と倫也の能力に驚きを隠せない様子だ。倫也は刃を収めると皆に向かって深々と頭を下げた。


「ま、この新人ぐらいの力があるなら意見も聞くよ~?ただし、統率を乱すようなら遠慮なく切るからねぇ~?何より今回、全員に求めるのは統率された防衛が主な課題だからねぇ。その為に攻撃を受け持つ死神小隊の力を知っておいてもらいたかったんだよ~。わざわざ煽ってごめんねぇ~?」


 クロのやり口はいつも腹黒い。今回もわざと煽って反発した者に小隊の攻撃力を見せつける。これによって攻撃は安心して防衛に徹しろとの事だ。基本、脳筋が多い義勇兵は結果として納得したようだった。


「うん。それじゃ担当の地区と守護柱を紹介するねぇ~」


 そう言うとクロは各守護柱と守護柱の総隊長として、ヒノカグツチ。副長としてオロチを紹介する。その後、十三隊に分かれた部隊をそれぞれの守護柱が指示することになった。



「いやぁ。さすが精鋭の人らは理解が早くて助かりますぅ~」


 壇上から降りて倫也たちの所へクロが帰ってきた。


「なんだあれ? 隊長殿~?」


 倫也をはじめ、死神隊全員がクロを睨む。


「え~? なんで睨むの~?」


 慌てながら弁解しようとクロは必死に身振り手振り説明を使用としていた。


「すいません!! し、失礼します!! イザナミ様はおいででしょうか!?」


 息を切らしながら一人の神徒が走ってきた。


「どうかした?まだ集会終わってないよ?」


 織姫は不思議そうに神徒を見ながら答える。


「可及的な話なので、イザナミ様に!!」


 神徒は首を振りながらイザナミでは無いとダメだと伝えてきた。織姫は渋々、イザナミを呼びに行こうとしていた。そこへ八十禍津日神が現れた。


「事態が変わった! 奴らの…禍津御霊の狙いは天津国じゃ!! 既に黄泉比良坂への道は開かれてしまった!! クロ、部隊を連れて応戦に行ってもらえんか!?」


 藍はいち早く動き出した。東区の神木へと向かい走り出した。


「藍! 待てよ!! ……クロ! 俺は藍と先に行く! 秋津と準備を整えたらすぐに来てくれ!」


 倫也は藍の後をすぐさま追いかけて行った。


「あれ~?さっき統率が大事って言ったのになぁ。仕方ないなぁ。織姫と桃也さ、それぞれの部隊を引き連れて黄泉比良坂に支給応援に行って。秋津は俺とこの隙に禍津御霊に侵入しようねぇ~」


 そう言うとクロはカグツチとオロチに伝達し、イザナミを伴い訓練所を後にした。


 ――東区 林道――


「藍! 待てよ! どうしたんだよ!?」


 藍を追いかけながら倫也が止めようとする。


「黄泉比良坂が落とされたら全ての境界への足場を確保されてしまう! 動けるのは俺達だけだ! 倫也、急げ!!」


 藍の言うことも分かるが敵の戦力もわからない以上どうにもならないことは倫也にも理解出来るほどのことだ。それを藍が見落とすことはないはずなのだが……


「藍。もしかして、ももちゃんのことまだ引きずってんのか?あれは別に藍のせいじゃねぇって」


 ももが呪を受けた際にももより結界を優先した事が藍の中で大きな蟠りになっているようだ。


「俺がクロを信じていれば!ももの援護に行けばってずっと考えた。だから、今度は迷わない! 守る為に俺は行く!」


 焦りからではなかった。藍は今、自分に出来ることを確実にしたいが故に走り出した。例えそれが失敗だったとしても結果次に繋がるように自分が一番に動き出すことを決めていたようだ。


「やっぱ、一人で抱え込むの好きだな。面倒なやつだよ!クロと足して2で割れよ……」


 倫也は苦笑いしながらも藍の想いを理解していた。それに倫也自身も、ももの時のようにだけはしたくないとすぐに藍の後を追ったのだった。


 二人は走り続け西区から東区へとたどり着き神木から黄泉比良坂へ移動した。


 黄泉比良坂はまだ侵攻を受けた様子はない。静かに、虚ろに静寂を保っていた。


「間に合ったのか? 勾玉にイザナミ様からは連絡は来てないな。藍、どうする?ここからは神庭宮からの指示を一回待った方がいいんじゃね?」


 藍は倫也の提案に頷く。落ち着いて二人は周囲を見渡すが特に変化は見られない。静寂のまま時間は過ぎてゆく。


「藍! 倫也!聞こえる~?」


 クロだ。向こうから連絡が来るとは倫也たちの場所の確認だろうか?


「クロ。聞こえてる。倫也と俺は黄泉比良坂にいる」



「そっか~。じゃ戻って来て~。神庭宮までぇ!禍津御霊の本拠地に行くよぉ~!それと既に黄泉国に進行が始まったよ~?」


 藍と倫也は顔を見合わせる。黄泉比良坂を通らず、黄泉国へ!? どうやって?二人は困惑していたがクロに従い神庭宮へと向かう事にした。


「クロ! どういう事!? 黄泉比良坂を経由しないで黄泉国へ行けんのか!?」


 倫也は移動しながらクロに聞く。


「詳しい事は到着したら話すよ~! とにかく、二人とも急いで帰ってきて~。今のところカグツチたちで防衛は平気。死神隊は本陣に侵入して親玉を叩くよ~」


 通信を切り、倫也と藍は走った。早く、もっと早く!藍の風に乗って神木を抜けた先の林を二人は神庭宮へと急いだ。


 ――続く


20XX年、闘いの火蓋は切って落とされたァー!!


ってね……( ºωº )


はい!遂に『禍津御霊編』最終決戦パートに入りました!☆-(ノ゜Д゜)八(゜Д゜ )ノイエーイ


ここからはバトル、バトル、Battle!! になりますのでご期待下さい( *˙ω˙*)و グッ!

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