表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
突然ですがあなたは今日から死神ですよ!?  作者: 来栖槙礼
禍津御霊編
PR
21/34

第21話 神隠し

『いなくったぁ!?』


 クロとウズメは瀬織津姫の言葉に心臓が飛び出そうになる。


「ひぃっ!! ご、ごめんなさい!! で、でもね、でもね! 私が水を汲みに行く少しの間にいなくなっちゃったの! 周りを見ても誰もいないし……わけがわからないよ~」


 瀬織津姫はももが呪により、不安定な状態になってから身の回りの事をしながら経過を見てくれていたのだ。それが今日になってほんのわずか目を離した間にいなくなってしまったそうだ。


「クロ、どうする? このまま私たちで探しに行く?」


 ウズメは放っておけないと探しに行く事を提案する。瀬織津姫も横で激しく頷き同意する。


「ん~。今は探しに行かないよぉ~。ウズメちゃん、瀬織津姫ちゃん、自分の役割をちゃんとこなそうね~。俺も今はイザナミ様を待って人間界の各神域の調査補助とか部隊編成とかしないと行けないからねぇ」


 クロの意見にウズメは猛反発した。


「クロは自分の部下がどうなってもいいの!? 信じられない!! ももが可哀想じゃないっ! もういい! あんたにも黄泉国のヤツらにも頼らない! ももは私が探す!! 瀬織津姫様は行きますよね!?」


 ものすごい剣幕でウズメはクロを責め、瀬織津姫には選択の余地すら与えない勢いでまくし立てる。


「あ、あの……わ、私は……そ! その……」


 瀬織津姫がおどおどしながらなにか言いたそうにしていたがウズメは一人で行くと走って行ってしまった。


「ウズメちゃんは相変わらず感情が先走るねぇ。瀬織津姫ちゃんは何かやることがあるんだねぇ~?」


 瀬織津姫下を向いたまま頷いた。クロはその様子を見てからため息をついた。後はその場でイザナミの帰りを待つ事にした。


「今、ウチのイザナミ様がやそ様と話してるから終わったらやそ様の所にいくといいよぉ?」


 クロは瀬織津姫に声をかけるとゆっくりとその場へしゃがみ込んだ。



 三十分ほど経った頃に天津国の神庭宮の入口にイザナミとアマテラスが現れた。


「クロ、ごめんなさい。話が長引いてしまって……」


 声をかけてきたイザナミとその後にいる八十禍津日神をクロは交互に見ると察した様で八十禍津日神に毎度お疲れ様ですと二人に返した。


「お父さん!? そのほっぺどうしたの!? 真っ赤だよ!? 」


 瀬織津姫は八十禍津日神を見て顔に小さいもみじ型に赤くなっているほほを心配する。イザナミは苦笑いしながら目を泳がす。恐らくまた八十禍津日神がイザナミにセクハラでもしたのだろう。瀬織津姫は二人の微妙な反応に疑問を抱いたが今はそれどころではない。


「お父さん! イザナミ様! ごめんなさい!! ももちゃんが部屋から消えてしまったの!!」



 イザナミは少し取り乱しながら瀬織津姫の両肩を掴み、揺らしながらどういう事か聞くが八十禍津日神とクロになだめられる。


 一通りの事情をイザナミと八十禍津日神に瀬織津姫は伝えた。


「そうか。報告ご苦労だったな瀬織津姫。イザナミ。この子にも責任を感じておるようでもある

 。もし良ければ黄泉国の部隊編成に組み込んではもらえまいか?」


 八十禍津日神は娘の申し訳なさそうな、それでいて悔しそうな表情を見てイザナミに提案する。


「人手が増えるのは嬉しいです。だけどいいのですか? 瀬織津姫、前線に出ることになるかも知れませんよ?」


 イザナミは瀬織津姫がももの事を心配してくれていたことも自らその世話をしてくれていたことも感謝している。瀬織津姫がもものために戦線に加わりたいというなら断る理由もなかった。


「構いません! イザナミ様。ももちゃんを助けるためにも、私を黄泉国の戦力として頂けるならどうかお願いします!」


「じゃあ、瀬織津姫ちゃんには取って置きのお願いをしようかなぁ~」


 クロがイザナミの横にひょこっと出てきてにこにこする。


「クロ? 瀬織津姫に何を頼む気かしら?」


 イザナミはクロのこういう時は適材適所な考えをよく分かっていた。黄泉国に帰ってから相談する予定だったので手間が省ける。


「瀬織津姫ちゃんはちょっと大変だけど人間界の全ての社、神域と繋がる黄泉比良坂に常駐してもらってぇ~監視と異常があれば部隊の手配をお願いしたいなぁ~」


「監視と部隊の手配……ですか?」


 瀬織津姫は自ら部隊に入り探しに行くつもりだったので少し期待はずれな感じになっている。


「そう! 要は管制だねぇ~。 ももちゃんがどこに行ったかわからないけど呪のせいならもしかしたら、人間界に行った可能性もあるしねぇ~」


 なるほど。それなら監視している時に見つけられる可能性も高いし、何より部隊を手配できるならすぐに救援を自分で出せる。


「やります! クロさん、その仕事を私にやらせてください!」


 クロはにこやかに頷く。



「瀬織津姫、良いのか? かなり大変な仕事だぞ? 全ての判断がお前の所で決まるほど重要なんだが……」


 八十禍津日神はクロの話に少しばかり瀬織津姫が心配になる。娘に部隊采配の要になる様な事が出来るのかと。


「やそ様~? 大丈夫ですよぉ? そこは俺が総括する事になると思いますからぁ。それに黄泉比良坂ならどのにでも行くことは可能なんでもしもの時も逃げ道は多数ありますよぉ?」


 クロの提案という事もあって八十禍津日神は不安もあるが娘を預ける事にした。


「分かった。イザナミにあとは任せるとしようかの。クロ、お前の腕を見込んでイザナギ様も期待しておられる。必ず禍津御霊を止めてくれ」


「了解ですよぉ~。きっとなんとかなりますよぉ」


 相変わらず飄々としていて本気なのが伝わりずらいがクロはこれでも本気なのである。イザナミは慣れているものの瀬織津姫はほんの少しだけ不安ではあった。


 イザナミは瀬織津姫を加え黄泉国への帰路についていた。天津国の神木へと歩く途中、クロは思い出したようにポツリと言った。


「ウズメちゃんは結局どこ行ったのかなぁ? なんの情報もなくももちゃん探すって走って行っちゃったからなぁ~」


 露店の並ぶ街並みを歩きながらクロは周囲をキョロキョロして見る。


「クロ、ウズメは一緒にいたの? アマテラスがさっきウズメを探してるって……ももちゃん探しに単独で行かせたの!? ちょっと! 先に言いなさいよ!!」


 クロは申し訳なさそうに笑う。そのクロの肩を後ろからグッと掴む手があった。振り向くとそこには鬼の様な形相のウズメがいた。


「ク~ロォ~。なぁんであとを追いかけてこないかなぁ~? 私一人で分かるわけなーいーでーしょ~?」


 イザナミと瀬織津姫が若干引くような顔をしているウズメ。その手には神気が込められている。


「あれ? あれれ? 待ってウズメちゃん。なんかすごぉく痛い気がするよぉ~?」


 口調はいつも通りだがクロの顔はだんだん青くなっていく。


「そぉでしょ~ね~? 痛くしてるんだもの……女の子を一人で行かせるなぁっ!!」


 徐々にクロが地面から浮き始めた。そして……


「ふぅぅぅんっ!!」


 次の瞬間、クロは神木の方へと高速で飛んでいった。いや、ウズメに投げられた。


「これさぁ~。女の子のすることじゃないと思うよぉ~?」


 クロは投げられた空中で腕を組みながら文句を言っていた。その声は当然、イザナミ達には聞こえない。


「なんか文句あるのかぁーーーっ!!」


 獣の様に目を光らせ自分が投げたクロを一直線に追いかけ消えていくウズメ。


「イザナミ様……アメノウズメ様ってとても綺麗で大人の女性な感じのする方だと思ってました」


 瀬織津姫が消えていった方を呆然と眺めながらイザナミに話かけた。


「あは……あははは……今回の事はクロはあまり悪くないようだけどね。ウズメは思い込みが激しいからねぇ~。」


 イザナミもクロに今回は同情しているようだ。


「さ! 気を取り直して黄泉国に行こう!瀬織津姫、これからよろしくね!」


「はいっ! よろしくお願いします! イザナミ様!」


 黄泉国に新たな戦力を迎え禍津御霊との決戦に向け徐々に体制を整えて行くのであった。


 ――続く










更新遅れてごめんなさい_(꒪ཀ꒪」∠)_


次回からは通常更新の予定です( ̄^ ̄ゞ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ