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ダンジョンタワーと転生少女  作者: JP
第一部 エアリス・スチュワート
6/9

訓練

「エアリス・スチュワートです。みなさんよろしくお願いします」

 ダンジョンを創ってからの日々は早かった。ダンジョンを創った疲れからか、帰ってから泥のように眠り、目が覚めたらなんと2日も経っていた。それからも何もする気になれずにダラダラと毎日を過ごしそして今日。

(やべぇ・・・この世界のこと何も知らない・・・)

 このザマだ。

「ではエアリス、お前は右端の列の一番後ろのあそこに座れ」

「はい」

 内心の不安を振り払いつつ私は自分の席に座った。ま、まぁなんとかなるでしょ、この世界のことを知るまで問題を起こさなければいいんだし。この学校に馴染んだ後にこれからの自分を考えたって遅くはないでしょ。

 様々な思いを胸に、私の学校生活が始まった。




「エアリス!しっかりしろ!」

「う、うぅ・・・」

「エアリス!!」

 やっちゃった。

 事の発端はついさっき・・・。

「これより戦闘訓練を開始する!」

 いかにも戦闘訓練を担当していそうな風貌の先生、いやこの場合は教官かな?まあいいだろう、その教官のが転校して間もない私に戦闘訓練をさせたことがきっかけだ。一応私はワケありって設定なのだからいきなし戦闘なんてありえないと思うのだが・・・。

「・・・む、貴様が転校生のエアリスか。俺は戦闘指揮担当のエドワードだ、転校生だからといって容赦などしないからな!」

 この様子ではもう私を訓練に参加させる気満々のようだ。・・・わかった、もうこうなったら私も覚悟を決めるしかないようだ。私と他の学生の差がどれぐらいかは分からないけど、なんとか上手くやってやろうじゃないか!

「あ、あなたは・・・」

 ん?この声どこかで・・・。

 妙に聞き覚えのある声がする方向に目を向けるとそこには・・・。

「・・・・あ!あの時の・・・」

 いつぞや廊下で暴言を喚き散らしていた少女だ。

「そうよ、まさか同じクラスになるとはね・・・あの時のこと、言ってないわよね?」

 怖い!目が笑ってないって表現を初めて現実で見たよ!

「い、言ってないですよ・・・」

「そう、・・・あなた、私の名前はララック、ララック・ウェルス。あと敬語はいいわ、よろしくね」

「わかった、よろしくねララック」

「せっかくだからエアリス、訓練私と組まない?」

 ・・・!これはひょっとして友達をつくるチャンス!?ど、どうしよう・・・まさか

あっちから来るとは・・・と、とにかく自然に振る舞わないと・・・。

「い、いいよ・・・訓練がんばろうね!」

「ええ」

 ふぅ・・・この学校に入った時はどうなるかと思っていたけど・・・なんとかなりそうだ。

 私は人知れず安堵のため息をついた。




「訓練開始!」

 エドワードさんのでかい声と共に一斉に戦闘が開始された。

「さて、私達も始めましょうか」

「そうね」

 ララックが戦闘態勢に入る。私も一応構えてみるが、他人からみたら相当お粗末な構えだろう。ちなみに武器は学校から支給されたショートソードを使っている。

「本気でいくわよ」

「うん」

 そういうとララックはいままでにないほどに真剣な眼差しでこちらを睨んだ。私も負けじとララックをなら・・・・・ん?


 ララック・ウェルス 種族 人族 LV4

 《基本ステータス》           《特殊ステータス》

 攻撃力   40            〈集中〉      Ⅽ

 守備力   32            〈ランナー〉    B

 魔法攻撃力 15            〈ランパート〉   A

 魔法守備力 26            〈バッシュ〉    Ⅾ

 速度    44

 運     21



 ・・・。え、は、ちょ、・・・は?

「ぼさっとしてんじゃないわよ!」

「あ・・・」

 随分と間抜けな声を最後に、私は意識を手放した。




 そして今に至る。

「うぅ・・・は!」

「やっと意識が戻ったわね・・・」

 目を覚ますと保健室?みたいな場所に寝かされていた。

「ここは誰?私はどこ?」

「落ち着きなさい。・・・あー・・・悪かったわね」

「?なんで謝るの?」

「私、エアリスを事情を知らなかったとは本気でやっちゃったじゃない」

 あー・・・・そういえば私ってそうゆう設定だったっけ、すっかり忘れてた。いけないいけない、今度からしっかり覚えておかないとね。

「別にいいよ、私だって言わなかったのが悪いんだし・・・」

 本当は設定を忘れてただけだけど。

「そう言ってくれるとありがたいわ・・・あ、あと私あなたの教育係になったから」

「へーそうな・・・ん?」

 なんか今すごいことをサラっと言われたような気がするんだけど・・・。

「なんかね、エドワード先生が「弱すぎる!話にならん、ララック、貴様がこいつを一から鍛えてやれ!」だって」

 おおぅ・・・なんてことだ。

「まぁそうゆうことだからよろしくね」

「うん」

 初めて友達ができると思ったら・・・とほほ・・・。

「それでねエアリス」

「何?」

「あなたの教育にちょうどいい所があるのよ」

「ほほう」

「最近、この町のはずれにある森の洞窟のモンスターが活性化していてね、これがまたいいカモがいっぱいいるのよ!」

「へー・・・?町はずれの・・・森?」

 それってもしかしなくても私のダンジョンじゃねぇか!情報早っ!まさか、この流れってもしかして・・・。

「今度そこにいってみない?」

 ですよねー!!

 まさか自分のダンジョンを自分が攻略しに行くことになろうとうは・・・全く、つくづく人生とは思い通りにいかないものである。


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