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ダンジョンタワーと転生少女  作者: JP
第一部 エアリス・スチュワート
5/9

ダンジョン

《ダンジョンクリエイト》、開始します。

 突如視界・・・いや空間がぐにゃりと湾曲し、そこまであった洞窟の壁は不可解に曲がっている。

「・・・は?」

 ここはどこなの?これからどうなろうとしているの?だが、そんなことをかなど考える間もなく事態は急変していく。

 


 《ダンジョンの生成場所はここでよろしいでしょうか》

  YES NO

 

 困惑する私をよそに現れたディスプレイに目をやる。・・・これは《ダンジョンクリエイト》の発動に成功したと見ていいだろう。空間が歪んだ時はどうなるかと思ったが、とりあえず第一段階をクリアできたようでよかったよかった。

「ここはもちろんYESっと」

 目の前に浮かぶディスプレイの文字を押す。


 《ダンジョンの分類は自動的に洞窟に決定します》


 《ダンジョンの属性はLVが足りないため選択できません》


 《ダンジョンの階層はLVが足りないため自動的に1階層となります》


 《ダンジョンの規模を選択して下さい》

 極小規模  超小規模  小規模


「うーん・・・どうしよう」

 初めてなので極小規模にしてもいいような気がするが・・・。

「いや、初めてだからこそここは景気良くでっかくいこう!・・・といっても小規模なんだけどね・・・」

 自分自身に突っ込みを入れつつディスプレイを押す。 


 《ダンジョン内は元のままでよろしいでしょうか》

    YES NO


「うーん・・・いいやYESで」

 めんどくさいし。

 というかこれいつ終わるの?いい加減帰らないと不味いんだけど・・・。


 《ダンジョンに生息するモンスターを選択して下さい。なお発生させることができるモンスターはスキルのLVに準じます》


 《発生可能モンスター》

 ・スライム   ・ゴブリン  ・オーク(制限あり)  ・フレーダー

 

 ・ピクシー(環境不適用)  ・ウッドパペット  ・エレメント  ・レイス(一体制限)


 以下延々とわけのわからないモンスターの名前が羅列。


「って長えええええええ!」

 どんだけいるんだよモンスター!こんなのやってられないよ!もう上の方にあった10体の中から適当に選ぼう。

 えーと・・・なんかスライムは外せないような気がするから入れるとして・・・あとはなんか適当にパッパッパっと!

 乱暴にディスプレイを押しまくる。


 《モンスター数制限に達しましたのでこれで決定とします》


 《ボスモンスターを設置しますか》

  YES NO


「うーん・・・YES!」

 やっぱりロマンだしね、しかたないね。


 《ボスモンスターの種類を決定してください》

 ・キングスライム ・ゴブリンシャーマン ・トロール ・ゴーレム


 以下略


「ボスも長えええええええ!」

 流石に通常モンスターよりは少ないけど軽く50体はいるぞこれ。

「キングスライムっと」

 なんかもう、疲れた。もうさっさと決めて帰りたい。


 《ボスモンスターが決定されましたのでこれよりダンジョンの成形に入ります》


 その瞬間、やっと終わったという安堵に浸る間もなく空間がぐにゃぐにゃに折れたり曲がったりして凄まじい吐き気と不快感を覚えた。

「うっ・・・・!」

 やばい吐く吐く!お願いだから早く終わってぇぇぇぇ!

 そんな願いが届いたのか揺れは収まり、《ダンジョンクリエイト》開始前の状態に戻った。


 《ダンジョンクリエイト》が完了しました》


 ・・・終わった。最後の方なんか適当だった気がするけどとにかく終わった。なにはともあれ早く帰らなけれ・・・・ば。

「・・・・・」

 学校に帰ろうと踵を返した私が見たもの、それは・・・。

 プルプル、プルプル

「スライムぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

 なにこれ想像してたのと違うんだけど、なんというかそう・・・グロい!ドラ〇エみたいなのを期待してたのにこれガチのスライムじゃねえか!お呼びじゃねぇんだよ!

「ってこっちくんな!」

プルプル、プルプル

「わああああああああ!」

 ものっそい叫び声を上げながら私は一目散に洞窟から逃げ出した。実は私、スライムみたいなのって苦手なのよね。




「はぁ・・・どうしよう、あのダンジョン」

 いま私は冷静になった頭を抱えこんでいる。時刻は日本でいう7時。子供はとっくに帰っている時間だろう。

「まぁ、いいか。なんとかなるでしょ」

 それより早く帰らなければといわんばかりの足取りで私は学校へ駆けた。じゃないと平穏な日々をおくれないからね。



 だが、この時の私は知らない。もう、既に平穏など遥か遠い場所にあるということを。



  


 


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