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第49話 休日

更新遅れてすいませんでした!

多分、久しぶりに遅刻だ。

まぁ、別に急いではいない。


許してくれるだろうという確信に近い願望を抱き、午後の日差しの強い駅のホームへクーラーの効いた電車から降りる。


俺の格好はいつもの学ランではなくチェック柄の上着とジーンズ。

別にオシャレではないが文句を言われるほど変な格好でもない。


平日とは違い、人のまばらな改札の先には見知った顔がすぐに見つかった。


背が高く、筋肉質で整った顔立ちを若干日焼けさせたスポーティーな美男子と、俺と同い年とは思えないモデル体型、いつも通りのポニーテールを揺らしながらあたりを見渡す美少女。


俺の人生の美少女、美男子ランキングで1、2を争う2人は何者かを待っているらしい。


このまま2人で映画にでも行けばお似合いのカップルになるのだが、その映像には余計な奴(ノイズ)が入ることになる。


「光、結城さんノイズが来たぜ」


「ノイズ?秋夜君、15分遅刻だよ?映画の時間送ったよね?」


送られた映画の時間は1時だった気がするが……


「えと……ヤバイじゃん!もう時間じゃん!早く行こうぜ!」


集合時間は12時45分。


15分遅刻したとなると映画館に行くまでの時間を10分と考えると冒頭が見えなくなる!


走り出そうとする俺の腕を光が引く。


「フッフッフッ、秋夜。お前が遅れることなんて想定内なんだよ!」


「ははは、実はね、映画の時間は1時10分からなんだ」


「え?……はぁ、焦って損したわ。2人とも俺のことをよくお分かりで」


「『スターシップ3』はお前のせいで冒頭が見れなかったからな!学習したんだよ!」


あぁ、あん時、光は怒ってこそいなかったものの、かなり残念がってたもんな。

確か結構申し訳ない気持ちになって昼飯を奢った覚えがある。


「あー、悪かったよ。あん時は本当にゴメンな」


「ははは、冗談だよ冗談」


俺たちは余裕を持って歩き出す。


やっぱり、許してくれると思った。


〜〜〜


「あぁ、さとし死んじゃったよぉ」


映画館から出てきた俺たちは近くののコーヒーショップで日差しを避け、ダベろうと一番安いアイスコーヒーを頼み、席に着く。


「はぁ、結城さんいっつも泣くよな。今回はハッピーエンドだったじゃん」


「でもぉ、聡が死んじゃったもん」


結城さんは感受性が豊かだからすぐに泣く。

ワンワン泣くよりはマシだけど、今もまだ目を真っ赤にしている。


「夏実は昔っから泣き虫なんだよな!」


「ちょっとぉ、からかわないでよ」


「聡はさ主人公を助けようとした時に自分の生まれつき持ってた強すぎる力が暴走したんだったよな?」


「うん」


「でも、死ぬ前に聡は嫌いだったその力を主人公の為に使って、失うことが出来たんだよ。あれって多分本望だったんじゃねーの」


「そ、それはそうだけどさぁ」


誰もが思いつくような考察を言ってみるものの、それでは納得いかないらしい。

どうしよ……


「はぁ、昔っから言ってんだろ、夏実」


光が結城さんの頭に手を乗せてポンポンする。


「お前は笑ってる方が可愛いんだよ。それにな、例え感動でも、お前が泣いてると俺が困るんだよ」


「え?や、止めてよ恥ずかしいじゃん、もう」


一瞬惚けた結城さんが頬を赤らめて、手を払う。


「ははは!冗談だよ冗談何ガチになってんだよ〜」


「はぁ?知ってたしぃ!ガチになってなんかいないし!バーカ!」


「お前の方が成績悪いだろ?バーカ」


「女の子の告白に気づかずにスルーしして泣かせるようなやつにバカとか言われたくないんだけど?」


「ば、お前中里のことはもう止めろって」


涙は止まり、いつもの結城さんが光と会話を始める。


というか何そのチート⁈

問題の根本は何も解決してないのに泣き止ませるイケメン力とかどんだけ⁈


「あのさ、2人よりも圧倒的に成績が低くて、女の子に告白されたこともない俺はバカを通り越して何になんの?」


「「……」」


「なんか言えよ!悲しくなるわ!」


「そ、そういえば俺たちこの後用事があるから」


「あ、そうだったね」


「明からさまに話を逸らされたのは置いとくとして、2人でいけないことでも?」


ニヤニヤしながら尋ねたにも関わらず、神妙な面持ちで言葉が返ってくる。


「いや、1年の時に引きこもってた杉山が最近また学校に来てないらしくてな」


「私たちが学校に行こうって言った手前、また呼びに行こうかなって」


杉山ってのはデブの名前だ。

欠席者で毎日毎時間名前が呼ばれるのでさすがに覚えた。

ところどころ休んでいたのが最近は毎日になっている。


「じゃあ、そろそろ帰るか。俺はあんまり関わりないし、杉山のことはお前らに任すよ」


こいつら2人は俺とは違って完全ないい奴だ。

俺が出来ないようなことを人のために出来る。


俺は光みたいになりたかった。


「おう、なんか気使わせちゃって悪いな」


「何言ってんだ。これから気使いに行くんだろ?」


「ははは、それもそうだな」


「それじゃあ、行こうか」


結城さんの言葉に合わせて3人で席を立つ。


「じゃあ杉山によろしくな」


「おう!」

「うん!」


太陽がピークを越えてだんだんと落ちていく中、少し早めに帰ることになった俺は足早に過ぎ去っていった今日のことをなんとなしに考えながら、家に向かう。


そういえば今日、何も能力ちから使ってないな……


〜〜〜


空が赤く染まり始めた頃、ようやく家についた俺を待っていたのは嬉しくもあり得ない状況。


「お兄ちゃん!鈴お兄ちゃんのことずっと待ってたんだよ!なんで早く返って来ないのよ!」


「鈴音ちゃん止めなって!お兄さんに迷惑だよ!」


俺の部屋のドアを開け損ね、ドアノブを拾おうとした時、俺の視界が闇に包まれ、暖かく柔らかい感触に包まれたのだ。


「おい、一旦離れてくれよ、鈴」


「えー、お兄ちゃん鈴のこと嫌いなの?」


しぶしぶといった感じで俺から離れる鈴音。

後ろには鈴音の友達であろうJCがモジモジしている。


どうしてこうなった?


サッカー部恒例のお泊まり会がハード過ぎて書き溜めも出来ませんでした!

えーとゆっくりいつも通り更新していきます!

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