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第29話 朝練

昨日は凡ミスをやらかしてしまい、すいませんでした!

感想それぞれ本当にありがとうございます!


12個の目覚ましがけたたましい音を上げ、俺の意識を覚醒させようと鼓膜を攻撃してくる。


しかし、俺はこんなことでめげるような男じゃない!

覚醒しかけた意識を頭の中に引きずり戻し、布団を頭から装備する。

今俺を鑑定したら頭から足まで羽毛ぶとんを装備していることだろう。


俺の意識が朝のまどろみを離れ、夢の中へ落ちて行こうとしているときに俺の頭に多数の攻撃が落ちてくる。

目覚ましだ。

ベットの上のギリギリに置いておいた目覚ましが俺の頭に攻撃を開始したのだ。


……9……10……11


あと1回攻撃に耐えれば安らかな睡眠を得られる!


「うるさい!朝から騒々しい!早く起きなさいよ!」


ドアが開かれる音とともに生態系の上位に位置するものが近づいてくる足音。

俺の本能が「やばい!」と叫び、俺の煩悩が「眠い!」と叫ぶ!

俺はどっちの選択をすればーー


「そりゃダメだろ!」


目が覚めたとき、周りで散乱する目覚まし時計がまだ鳴り続ける中、俺の前にあったのは妹の足。


しかも、踏み台にしているのは俺の首!

中学のときガラの悪い先輩に体で体感させていただいた頚動脈のい 位置は微妙に外しているものの、その足の位置はVITが高くて通常攻撃ではほぼノーダメージの俺にとっては俺の頭を踏みつけた魔王より悪意が上だ。


「私の睡眠を妨げるくらいなら永眠しろ(死ね)!」


「悪かったよ!もう起きたから!本当ごめんって!」


「もう!朝の5時半よ!あと30分は寝れたのにあり得ない!」


「いや、今日から朝練があってだな……」


そう、今日は火曜日。

先週、俺がトイレに引導を渡しながらも、サッカー参加の奴らを奮い立たせてから昼休みに練習が始まった。

そして球技大会が1週間後に迫った今日から朝練が始まったのだ。


みんなはまだまだ初心者の域は出ないがパスはまともに通るようになってきたし、ドリブルもだいぶマシになってディフェンスに関しては2人がかりなら大抵のサッカー部の奴を止められそうなほどだ。


そんななか、俺はかなりヤバい状態にある。

俺は今までの生活で、不意にでも人には当たらないように注意している。

理由は俺のSTRの高さだと当たっただけで骨折くらいはさせてしまいそうだからだ。

さらにはシュートもまともに蹴れない。

この1週間で学校のボール2個と、中学でサッカーを止めるまでの間使っていたボロいボールを5個もダメにした。正確には破った。


そう、力が強すぎるのだ。

足は手の力の3倍の力があるというが本当に手より加減が難しい。


学校行事で死人を出すとかたまったもんじゃ無い俺はみんなが強く蹴れるように頑張っているなか、1人だけ弱く蹴ろうと努力してるわけだ。


「はぁ、あ、明日からはそんな馬鹿あんたらしいことしなくても私が起こしてあげるわよ!私の安眠のためだけどね!」


「マジで?サンキュー鈴音大好きー!」


俺は鈴音に感謝のハグをしようと両手を広げてベッドの脇に立つ鈴音に上半身を近づける。


「きゃ!キモい!」


鈴音の足が見事に俺の頭を捉える。


「いた!」


「え?あ、ご、ごめん。やり過ぎた」


あーミスった、全然痛くなかったのに反射的に痛いって言っちゃったよ。たまにあるじゃん、当たってもい無いのに「いた!」って言っちゃう奴!

あー、鈴音がシュンとしてる!

可愛いけど痛くなかった分罪悪感がすごい。


「うっそ〜ま〜ったく痛くありまっせ〜ん!」


「でも大分強く……」


「お前程度の蹴りは痛くもかゆくもない!」


「そう。ごめん。そしてその話し方ウザい」


「ここで謝罪からの罵倒⁉︎」


まあシュンしたとこから立ち直ってよかった。それにしてもこれだけ暴力的なのはどうなのだろうか。

まぁ活発といえば活発だし、学校ではおしとやかにしているそうなのでお兄ちゃんとしては心配することではないが、ん?おしとやかにされると可愛い鈴音に悪い虫がつきそうだな。ここはむしろ学校でももっと暴力的になってもらって……



「痛い!」


またもや出た痛いって言っちゃう癖。その原因を見ると目覚まし時計の最後の1つだった。


時刻は6時を超えたあたりを示している。

え?何で?


「なぁ鈴音、お前が俺の部屋に来た時5時半って言ってたよな」


「言ったわよ。5時半からなってたじゃない」


「つまりお前が俺の部屋に来たのは……」


「5時55分くらいよ?」


「うわぁぁぁぁ!」


つまりあれか!俺が目覚まし時計と熾烈な戦いを始める前から目覚まし時計は鳴り続けていて、その音があまりにも止ま無いもんだから鈴音が来たと。

そして時間がヤバいと!


取り敢えずコーンフレークを食べながらテレビをつけ、制服ではなく練習着に着替える。

まぁ、朝早いし、門の前に誰か先生が立っているってことはないだろう。

よく考えたらそんなに焦る必要はなかった。

教科書の準備さえサボれば時間は飯食う時間と着替えの時間くらいなのだ。


この前、《ワープ》の時も田上に見せてもらったし、また見せてもらおう。


てか、教科書とか用意してても2教科ぐらい忘れるしな!


「はぁ、何でさっきまで慌ててて、今呑気にご飯食べてるのよ」


「飯は大事だからな!鈴音もカリカリしてて低血圧っぽいからちゃんと食ったほうがいいぞ!」


スゲー妹を思いやるお兄ちゃんっぽいアドバイス!なかなかいんじゃない?


「いや、あんたのせいだから」


はい、笑い混じりに一蹴。

実際その通りですね。


〜〜〜


朝練には間に合った。

呑気に飯を食ってたせいで5分ほど遅れたがまぁ許容範囲内だ!

その朝練ではすこしミートさせ無いようにしながら軽くけることで、速いけどまだ殺傷能力もあるけど、すこしマシなシュートが打てるようになったた。


しかし、問題は授業のほうだった。


1時間目のことだ。


「田上ぃ〜教科書見せて!」


「……無理」


「頼む!お願い!」


「……無理」


えーとどうしたんだろうか?普段の田上はなんだかんだ見せてくれるのだが……


「なんか怒ってるの」


「……怒って無い」


「俺のこと嫌いになった?」


「…………違う」


何?今の間!怖いんだけど!

嫌われたの?


「……これも教育」


「教育?」


もしかして俺があまりにも教科書を持ってこ無いから……


「……心を鬼にする」


「うそぉ。1日教科書なしはきついって」


「……宇宙人のため」


「マジで頼むよ!俺が悪かったから!明日からちゃんとーー」


キーンコーン……



結局授業は全て教科書なしでやることになった。

先生に当てられるたびに注意されるし、もうやだ。


明日からは光か結城さんに借りに行こう。


明日は鈴音が俺を起こしてくれる。

いつもは母を介するこの動作を鈴音がやってくれるという事実に少し胸を躍らせながら俺はベッドに横たわった。

ありがとうございます!

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