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第25話 残酷

昨日投稿できなくて本当にすいません!


いつの間にか俺の後ろにいたヴェネツィア仮面は俺の肩に手を置き言った


「我が氷結の魔王フリーズ。人間よ、貴様の攻撃と素早さには感服した」


こいつ人間じゃないのか。殺すか。


「だが、少々お遊びがすぎたな。ねむれ」


その言葉の意味を理解する前に手と足が氷に包まれ始める。


「このまま凍ってしまえば楽に死ねる、さようなら、人間」


「ふーん、で?」


俺が《魔法抵抗》を意識することで何事もなかったのように俺の手足が動くようになる。


「チッ、高レベルの《氷耐性》持ちか。だが……」


いや、《魔法抵抗》です。前から思ってたけど、魔王って雑魚だよな?


「メイ、目は開けるなよ」



ーーこれから魔王を血祭りにあげるからな!


俺はメイを一旦おろし、魔王を絶命させるための一撃を放とうと足を踏み込む。


俺は思った、魔王は俺のAGIに反応できないだろうと。

俺は思った、魔王は俺のSTRに耐えられないだろうと。

俺は思った、魔王のどんな魔法も俺のMENは貫けないだろうと。


俺はおごった、自分が圧倒的に最強だと。



俺の拳は魔王の手前の何もない空間で止まる。


「は?」


俺の拳から激痛が伝わる。

魔王を軽視してなきゃ腕が折れてたかもしれない。


全く状況がわからないまま俺は自分の手を襲う痛みに手を抑えながらたたらを踏む……


敵の前なのに。


「《アイスタワー》、《アイスプリズン》!」


まだ動かすたびにズキズキ痛む腕を抑えながら声の方に振り向くと、地面から天に向かって直径5メートルはあるやたら透明度の高い氷の柱が伸びていた。

その上に見えたメイの姿はどんどん小さくなっていく。


俺はそこでメイを人質に取られかけていることにやっと気がつく。


ヤバい、この柱を壊す!


そんな思いも虚しく、突然俺の体から力が抜けた。

まず膝をつき、体を支える腕の力が抜け、うつ伏せの状態になる。


全く力が入らない。今までなんで力が入っていたのかわからないほど脳の指示を筋肉が無視する。

さらに続いて悪寒やめまいが俺を襲う。


なんだこれは?


原因となる可能性が最も高い氷の柱に何とか顔を向けるとその氷の影から魔王が出てきて俺の耳に不快な空気の振動を伝えた。


「我は貴様を侮り過ぎたようだ。しかし、貴様はそれ以上に我を侮っていた。

女は人質に取らせてもらった。

まぁ、麻痺と毒で動くこともできない貴様の目の前で先ほど貴様が殺し回った同士のようにこの人間をいたぶってやるのもまた一興かもしれんな」


麻痺と毒?いつ盛られた?


決まってる。

魔物を倒した時だ。大方ゆうれいやスライムの体に毒や麻痺の効果があったのだろう。

舌は回るので魔王に声をかける。


「殺し回ったのはお前らが人間に恐ろしいことをしていたからた!どうしてあんな残酷なことができるんだ!」


「残酷?面白いことを言うな。

貴様ら人間だって魔物や魚を食べて生きるし、時には隷属化させて見世物にもする。

新鮮なものには価値が出るために生きたまま調理したり、ひどい時には研究という名のもとに、自分達の発展のためと称して何の利益になるかわからない殺傷をし、無残な姿になった同胞をゴミのように放り捨てる。

我らのどこが貴様らより残酷といえよう?」


何も言い返せない。

確かにそうだと思う。人間が残酷だなんてあらゆるアニメで言われてきた。


くそ!結局道徳なんて関係ない、それでも俺はメイは助けなくちゃいけないんだ!


「関係ない!人間が殺されていいわけがない!」


「おいおい、議論にさえならないな。

人間という生き物は本当のことを言われると怒りを感じるそうだぞ、はっはっは!」


魔王は俺の頭に足を乗せ、高笑いする。

悔しいが動くことはできない。

何かないのか?

俺のスキルは


《言語理解》

《ワープ》

《魔法抵抗》

《絶倫》


攻撃系のスキルは何もない。

MPはそろそろ回復していそうだが《ワープ》ではメイに触れられていないから俺しか移動できない。

それでメイのところに移動しても高すぎて俺のクッションだけでなんとかなる高さじゃない。


魔王を倒してスキルを選び直せばなんとかなるかもしれないが、俺は動けない上にさっきの防御まである……


そういえばあの防御は一体なんだったのだろうか?



「最後に言いたいことはあるか?」


「俺のさっきの攻撃はなぜ防がれた?」


「おいおい、あの人間に声をかけてやらなくていいのか?

まぁ、答えてやろう。

我の能力は『凍結』あのとき、空間自体を凍結させておいたんだ。貴様の攻撃はその空間に阻まれた。

これでいいか?」


なるほどな。確かに空間自体に何かあったのなら俺のSTRでも攻撃が通らないこともあろう。


空間か。


一つ、案が浮かび上がる。


「そうだな、ありがとう。これで終わりだ!《ワープ》!」


俺はメイの隣に移動する。氷の柱の上へ魔王の胴体とともに。



簡単なことだ。

《ワープ》は触れたものとともに移動できる。


しかし、『1つのもの』とは何だろうか?


例えば耳や足、手などからなる人体は一つのものといえるだろうか?

もしそうなら俺たちが移動した時なぜ裸でなかったのだろうか。


『1つのもの』そんなのは時と場合による。


だから俺は自分の触れている魔王の足から胴体までを1つのもの・・・・・として見たのだ。


そして支えを失った魔王の体が下に落ちていき、その胴体とともに最後に見た最悪の町の光景が白に塗られていった。


ありがとうございます!

今日で一旦落ち着くんで、明日からなんとかなると思います。

最近の話は重いせいで筆が乗らないので、また今回のようなことが起こるかもしれません。

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