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第0.5話 帰宅

短くなりました。

「美しい夕焼けだ!」


「本州全域が曇り」と言っていたお天気お姉さんの言葉が当たったのも無視して、曇天の下両手を広げてそんなことをいってみる。なんでかって?テンションが高いからだよ‼︎


結論を言おう。俺は《異世界でチートしよう‼︎》を買うことが出来た。

お察しの通り光から返してもらった120円と元から持っていた300円によってだ。光様々である。おっと、少しにやけてしまった。ポーカーフェイスを忘れるな、俺。

兎に角気分が良い。どれ位かと言うと、会計でもたもたしてた同い年くらいのデブを見逃してやったくらいだ。見逃すと言っても「早くしてもらえませんか?」と言わなかっただけだが……


っと、やっと家についた。

半年前父がローンを組んでやっと手に入れた新築の一軒家だ。未だになれていない。


「ただいま〜」


買ってきたゲームをプレイしたいあまり「天神天神天神!」と叫びだしそうな勢いでそのまま階段を駆け上がる。


「おかえr、靴脱げ‼︎馬鹿‼︎」


下からママンの叫びが聞こえた気がするが、そんなことはどうでも良い。

自分の部屋に入る前に靴は脱いで思いっきりドアを押す。


「開かねー⁉︎」


その時、部屋の中から冷たく、無機質で家畜に話しかけるような声が聞こえた。


「あんた、頭おかしいの?死ねば?」


「あ、すいません」


そう、俺には妹がいるのだ。それも母親に似たそこそこ美人顏の妹が。名前はたき 鈴音すずね可愛らしい名前と言える。

しかし、俺が、《ブラコン クエスト》なんてモノに興味を持った点、そしてこの妹の態度のからも分かるように理想の妹とはとうてい言えない。ちっちゃい頃は「お兄ちゃん!」とか言って可愛かったのにね。


少しテンションが落ちた俺はそれでも高いテンションに任せて全身で思いっきりドアを押し、


「イテッ、開かねー⁉︎」


ドアに頭をぶつけた。

隣の部屋からさっきよりやや苛立った声が聞こえる。


「うるさい!ドアは引けば開く!」


〜〜〜


あの後久しぶりに使うD○を探したり(部屋が更に散らかった)、階段の掃除をさせられたり(適当に水拭きしただけなので階段はビショビショ)で、日は落ちてしまった。しかしこれでやっとゲームが始められる。


「ふふふ、さぁゲームを始めよう‼︎」


隣の部屋の主が壁を蹴った。





気をとりなおして、電源を入れ、本物の写真のようなグラフィックのタイトル画面を飛ばす。てかただの写真じゃね?

『通信で遊ぶ』と『始めから』のうち『始めから』を選ぶと、最早「絶対どっかで撮影しただろ!」ってレベルのリアル白ヒゲ白髪ジジイが、説明を始めた。

リアリティーいらねーよ!何で幼女じゃねーんだよ!

ジジイの長話とか誰得なので、適当に読んでいく。

ジジイの長話とか誰得なので、(大事じゃないけど二回言っとく)要約すると、


・剣と魔法の異世界にいく

・スキルを4つ貰える

・魔王を倒すたびに戻ってこれる。


と言う事らしい。異世界の名前とかも言ってたが変な名前だったって事しか覚えてない。

そこまで読み進めると、スキル選択の画面に変わる。


***


《鑑定眼》《アイテムボックス》

《ファイアーボール》《メテオ》

《真一文》《魔法抵抗》《操鞭》

《状態異常耐性》《ウォーターブレッド》

《ワープ》《ストップ》《竜化》etc.


***


どれもどこかで読んだ様な名前ばかりだ。

普通のゲームならあとの方で手に入りそうな名前もあるが、そこが『チート』という事だろう。


ゲームが初期設定でクリア不可能になるなんて思えないし、ましてや小学生に人気のD○のゲームだし、早く始めたい俺は適当に異世界で使いそうなものを4つ選んでみる。

最悪『始めから』でキャラメイクし直せばいい。

俺が選んだのは、


《アイテムボックス》

《鑑定眼》

《魔法抵抗》

《メテオ》


の4つだ。まず最初の2つは異世界を楽しむのには必要不可欠だろう。まぁ、定番だしさ、無かったら不便じゃん。


三つ目は主に高範囲魔法に対する対策だ。物理とか単体魔法はプレーヤースキルが伸びれば避けられるので、必要なのは範囲魔法に対する対策だ。


ん?俺まだこのゲームの戦いの方式知らないな?ターン制だったらどーしよ……いや、魔法は威力が怖いからこれを選んだんだ。そうだ、そうしとこう。

そして《メテオ》!

わざわざこんなチートっぽいものを用意してくれているのだ!《ファイアーボール》とか選ぶ奴がいるわけがない!困ったらこれで一掃ですわ!


こうしてスキル選択を終えた俺は『異世界へ出発』ボタン、もとい決定ボタンを押した。


「リンクスタートぉ!」


瞬間、光の暴力が俺の網膜を直接襲う。


「目が!目がぁぁぁぁ!」


壁に穴が空く音が聞こえた気がした。



ありがとうございます!

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