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第11話 村長

本日2話目です!

僕に書き溜めができるようになる日は来るのでしょうか?

しばらく歩いて、村の前に着いた。


早速村に入ろうとすると先ず衛兵に槍を突きつけられた。

心当たりはある。


公然わいせつ罪だろう。


「貴様!もし、魔物の分際で言葉がわかるならハルフを離し、メイ達を解放しろ!さもなければ殺す!」


ハルフと言われてなんのことだか分からなくなるが、メイを開放するように言われて分かった。

公然わいせつという不名誉な罪で捕まることはないらしい。


どうやらまた、スケルトンと勘違いされているようだ。


魚人には今にも三段に割れそうな俺のムキムキの腹筋が目に入ら無いのだろうか?

嘘ついた。俺はそんなには、まだ三段になるほどは太っていない。

そのはずだ!


「ちょっと待ってください!この方はスケルトンではありません。

スケルトンに比べて断然恰幅がいいじゃありませんか!」


メイに心を抉られた。

そ、そんな太って無いと思う!


「この方は私達3人をシーカイザースケルトンから救ってくださった命の恩人です!」


そこまで聞いて衛兵は槍を下ろした。


「シーカイザースケルトン?あまり冗談に付き合う気分じゃないんだ。

しかし、槍を向けたのはすまなかった。

体からして違うことは分かってはいたのだが、先ほどのことがあった後ではな……」


「エターナルシャインが見当たりませんが、もしかして、本当に魔王が?」


シーカイザースケルトンのことが冗談になってるんだけど、そんなことより村の宝の方が気になるのは当然か。


「よく分かったな。先ほど、と言ってもお前らが魔石を採りに行ったすぐ後だな。

1000体近いスケルトンと共に魔族が数人現れ、エターナルシャインを要求してきた。

すぐに勝ち目がないと悟った村長がエターナルシャインを渡すことで誰も死なずに済んだが、このままでは我々は地上に戻らなければなら無いだろうな」


村長はしっかりしているな。

それだけの魔物に威圧されてもしっかり怪我人を出さない辺りは本当にすごい。


「その魔族について少し気になることがあるのですが、村長は何処に居ますか?」


「多分、村の講堂での話し合いに参加してると思うぞ。まぁ、無事に帰って来れたんだし、地上に行くことも考えて準備をしておいたほうがいいぞ」


「地上に行けるなら万々歳ですよ」


そういえば、メイはハルフとメロの話をした時に地上に自分が行けば2人は何も気にせずに一緒になれるとかも言っていたな。

地上には元から行きたかったのか?


「ははは、そういえばそうだったな。

まぁ、今は村の中ではそんなことは言わないことだな。

悪かったな客人。3人を救ってくれてありがとう」


「こちらこそ、こんな格好で申し訳ない」


そうして、俺たちは村の中へ入った。




遠くから見た時も思ったが、この村は村といえば村だが、どちらかといえば街といった感じに近い。

魚人も中々の人数が目に入るし、建物も多い。


建物はもちろん木製ではなく、家ほどもある大きな巻き貝の口に石の扉のようなものと、一部に窓をつけたものが主流な様だ。


奥にはひときわ大きい巻き貝と、石でできた神殿のような大きな建物が見える。


俺とメイはとりあえず、ハルフとメロを家に届けようと、身支度に慌てる魚人に時々当たりながらも小走りをしている。


俺はメイに合わせて速歩きな上に、街の人にSTRが7000近い俺が当たるとやばそうだからメッチャ注意してるけどな!


「メイ、あのデカい石造りの建物は何なんだ?」


「あれが講堂です。普段は劇や歌などの娯楽に使われたり、中にある勇者様の像を拝めに来る人もいますかね。緊急時は村の大人達を集めて会議をするんですよ」


「なるほどな」


まず、メロを家にいた親に届け、ハルフは親が外に出ていたようなので、メイに教えてもらい、部屋のベッドに寝かした。


そして今度は少し軽くなった身体でペースを上げてあの講堂に向う。


「ところでさ、さっき、『魔石を集める』みたいな事言ってたけど、メイ達はその為にさっきの沈没船に行ったの?」


「はい。昨日の夜からエターナルシャインの調子が悪かったみたいで、魔素が上手く集められなくて……

それで、村長の話で仕事はまだできないけど、そこそこ腕が立つ私たちにスケルトンの魔石を取ってくるように言われたんです」


「もしかして、あの沈没船ってスケルトンの住処だったの?」


「はい。シースケルトンは海で死んだ者たちの死体が魔物化した者なので沈没船などには集まるんです。

あそこも大きな沈没船なので住処だったのですが、まさかシーカイザースケルトンが……丁度、講堂に着きましたね」


少しわかった気がする。

俺があの沈没船を見つけたのは人面魚に『俺の仲間の場所』を聞いたからだ。

あの人面魚は俺をスケルトンと間違えていやがったんだ!


講堂に入ると、大人の魚人達が難しい顔をして悩んでいた。


「村長!」


「おぉ、メイか。村の事情は聞いたかの?」


メイの言葉に反応したのは髭を生やした老人。

いかにも長っぽい雰囲気を出している。

髭でそう見えるだけかもしれないが……


「はい。その襲撃の魔族ですが、魔王ゲパルドの眷属だと思われます」


「ほう、わしらもその可能性は考えとったが、根拠は何じゃ?」


「このシューヤです。彼は私たち3人がシーカイザースケルトンに負けそうだった時、シーカイザースケルトンをものの数十秒で1人で倒しました。

そのシューヤがシーカイザースケルトンは魔王の眷属だと言ったのです」


会場がざわめいた。いや、講堂がざわめいた。

「シーカイザースケルトン⁈」「嘘だろ」「あの体、地上の人間なのか?」「そもそも、何であんなものを被っているんだ?」

色んな声が聞こえる。

こんなものを被っている理由はあまり言いたくないな。


「静かになさい。名前はシューヤ殿といったな。シューヤ殿はどうしてシーカイザースケルトンがゲパルドの眷属だとわかったのじゃ?」


その質問に会場の中でもひときわ筋肉隆々の男が勢いよく立ち上がる。


「ちょっとお待ちください村長!こんな得体の知れないものの話を聞く必要はありません。そもそもシーカイザースケルトンを倒したなどあり得ないではありませんか」


男の言う事はもっともだな。海藻のようなもので大事な所だけを隠して、頭には緑竜の頭蓋骨。

得体の知れないことこの上ない。

その言葉に反応したのは村長ではなく、俺の隣に立つメイだった。


「見てください!この魔石が証拠です!」


そう叫ぶメイの手には拳ほどの赤い石が握られている。

あんなものがあったのか。全く気づかなかった。


「くっ、し、しかしその男がその魔石を1人で手に入れたとは……」


「わしが、シューヤ殿に質問をしておのるのじゃが」


ムキムキの話を村長が遮る。

ムキムキは苦虫を噛み潰すような顔で席についた。

威圧感があったわけでも、大声をあげたわけでもない。

優しい口調のままだった。

村長のカリスマ性スゲー!


「して、シューヤ殿、よろしければ質問に答えて下さるか?」


別に隠すことでもないし、カリスマ村長に嘘をついたらまずそうだ。


「《言語理解》というスキルを所持しています。ちなみに俺がここで普通にしてられるのもスキルの効果です」


「なるほどな、確かに《言語理解》はレベルを上げれば、魔物の言葉も理解が可能にもなるというのは聞いたことがあるの。

しかし、失礼かもしれんがシューヤ殿がそれだけ強いようには見えんでな。

そこで、どのくらい強いかさっきのローレと手合わせして頂けんかの?」


村長は俺を見定めようとしているのか目が光った気さえするような眼差しでこちらを見ている。


正直に言おう。

すごいやだ。

下手したら殺してしまいかねないし、水の中で動くと衝撃が水に伝わるのだ。

何か壊してしまうかもしれない。

隣でメイが期待のこもった眼差しを向けて来なければ断るのにな。


「分かりました。1時間ほど時間を下さい」


こうして、俺はムキムキ魚人との決闘を受けることになった。


ありがとうございます!

さっきは書き忘れたのですが、丁度1日くらい前にこの作品とはかなり雰囲気の違う短編を書いてみたのでついでに読んでもらえると嬉しいです。

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