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第8話 沈没船

朝投稿出来なくてすいません‼︎

歩き始めて20分ほど経っただろうか。

海底は更に深さを増したらしく、周りは少し暗い。

体力も完全に回復したし、そろそろ上がろうかと思っていた矢先、俺の前に面白そうなものが現れた。


ボロボロになった船。

映画に出てくるような豪華客船の巨大な沈没船がそこにあったのだ。


「冒険の匂いがする‼︎」


よく見てみようと泳いで近づいていく。邪魔くさいから『緑竜の頭蓋骨』は外しておこう。

ん?


「いてててて、抜けない⁈」


全力で外そうとしているのに全く外れる気配が無い頭蓋骨を転がったり、揺すったりしながら必死に外そうとしている俺の視界にありえない反応があった。




説明しよう!世の中の男子高校生の一部にはあるものに対して、常人を超える探知能力を発揮出来るものがいる彼らはそれを


「ありえない、こんなところに」




ーーおっぱいセンサーと呼ぶ‼︎


そう、俺の視界に入ったのはおっぱい‼︎しかも、大きい!

俺は取り敢えず頭蓋骨のことは置いといて周りを見渡した。


すると、さっき見ていた沈没船に反応がある!

正直に言えばその中に数人の男女が入っていくのが見えた。


「海底人⁉︎」


そう、ここは海底。

気軽にデートに来れるような所では無いのだ。


俺はそれを見て追いかけることに決めた。

怖いけどさ、メッチャ気になるし、もしかしたら陸の場所についてなんか教えてもらえるかもしれないじゃん。


海底人を追いかけて俺は沈没船に入った。


沈没船の中はほとんど光はなく、なんとか少し前が見えるか見え無いかといった所。


海底人はというと光の玉のようなものを手の平の上に出して先を照らしている?


「おぉ!まほ……」


海底人たちが振り向いたので、咄嗟に両手で口を塞ぐ。

魔法だよ魔法‼︎

実用的なのはじめて見たぜ‼︎

メテオ?知ら無い子ですね。


光で照らされた海底人は3人、見た目は大学生くらいの男女と、中学生くらいの少女が水着で散歩している感じだ。

ただし、手に持つのは可愛らしい網などではなく、それぞれの身長ほどもある三俣の槍だ。

ゲームならトライデントといったところか。


男が魔法を使って先頭を歩き、大学生くらいのお姉さんは楽しげに残りの2人に話しかけ、中学生くらいの少女は警戒しながらもお姉さんの動きにオロオロしているようだ。

特徴的なのは全員が鮮やかな青い髪ということだろう。

おっぱいセンサーに反応したのは高いテンションで話しかけているお姉さんだ。

少女の方はギリギリCくらいだろう。

本人としてはこれからに期待だろうな。

俺は貧乳も大好きだけどな‼︎


そんな高貴な考察を俺がしていると、彼らは1番奥の部屋に姿を消し、不意に、ずっと聞こえていた女の話し声が止まった。


慌てて追いかけ部屋に入るが、誰もい無い。


「まさか、巻かれた⁈」


驚いたようには言ってみたが何も驚くことはない。

尾行とか中学1年の時好きな女の子を追いかけて以来だからな‼︎


その時初めからばれてて、言い訳したら、綺麗に誤魔化されてくれたのが結城だったりするのだが……


オオオオオォォォ……


複数の男の声?そうとも聞こえるような低音で腹に響き、それでいてなんだか気持ち悪い音が俺の回想を邪魔する。


俺の周りでは、今までの沈没船を冒険するファンタジーの雰囲気が息を潜め、沈没船で起こる怪現象によるホラーな雰囲気に変わった気がした。


「もう外出ようかな」


海底人にも巻かれてしまったし、仕方がないので引き返そうと思っていると、


「槍を構えろ!」


そんな声の後に断続的な金属音が隣の部屋から聞こえる。


俺が隣の部屋を覗いてみると、さっきの海底人達と大量の骸骨達が戦っている。


骸骨が動くのはホラーだが、頭を砕くと動きが止まるようなので、ゾンビ物っぽい。


声を掛け合いながら連携を見せる海底人達。

動き的に、男が前衛、お姉さんが中衛、少女が後衛のようだ。

注目すべき点は少女の動きか。

動きというと正確ではないが、詠唱をしてるのだ‼︎

魔法‼︎


「……癒せ《ヒール》」


「ありがとなメイ」


「メイ!後ろにもスケルトンがいるわ!気をつけて!」


おそらく男に回復魔法をかけたであろう少女に女が注意を飛ばす。

ん?少女の後ろっつったら俺の方だな。もしかして……

ギギギと音が聞こえそうな動きで後ろを見ると……





「何もいなーーイテ!」



頭を後ろから槍で突かれた。


「うそ、このスケルトン硬いです!」


「まったまった!俺スケルトンじゃ無いよ?まだ生きている健康な人間だよ?」


「え?今スケルトンが喋った?」


「だからちげーよ!なんで納得し無いんだよ!」


見間違えるところまでは男の光源しか無いこの空間なら分かるけどさ!

あの反応からしても、スケルトンって絶対しゃべん無いよね!

そう思って頭を掻こうとして気づく。

俺、緑竜の頭蓋骨つけたままじゃん‼︎


「ど、どういうことですか?」


「えっとね、いろいろ事情があって、緑竜の頭蓋骨を被らなきゃいけなかったんだ」


「よく見てみると、確かに頭蓋骨の形は違いますね。そういうことなら助っ人してもらっても……」


「うわぁ」

「キャァ」


そんな声が彼女の後ろから聞こえ、さっきの男が彼女の足元まで飛んできた。


その後ろにいたスケルトンは殆どただの尸になっているのにどうして……


そのただの尸の奥、一際も二際でかいスケルトンが剣を片手に立っていた。


「シーカイザースケルトン……」


「あいつそんな名前なのか。勝てそうか?」


「勝てそうか?じゃないですよ!あんなのでたら村人全員で迎え撃っても蹴散らされます!」


「本当か?んじゃとっとと逃げようぜ?」


「でも!メロちゃんがまだ向こうにーーいえ、なんでも。」


その言葉で俺は気づく。シーカイザースケルトンの足元にさっきの女らしき影があるのだ。


「じゃあ俺がそのメロ?助けてくるからそいつ見とけ」


そう言ってシーカイザースケルトンに走って近づく俺。

超怖いけど女の子に行かせられるわけ無いじゃない?

女を救うのは男の仕事だ。

というか、今の俺メッチャカッコよくね?


「待って下さい!死んでしまいます!」


俺がメロと呼ばれた女の子に近づくと、殆ど動かなかったシーカイザースケルトンが動き出した。


「うわっ!」


距離をとって避けるが、海の中なのでかなり動き辛い。

その後何度かチャレンジしたが、俺がある程度近づくといつも攻撃を仕掛けてくる。


メロさんを助けて逃げるというわけにはいか無いらしい。


シーカイザースケルトンはさっきからメロさんに近づか無い限りは動かない。ならば……

俺は指で鉄砲の形を作る。


「《ウォーターブレット》!」


そう、俺はこんなスキルを持っていたのだ!




ーーどこかで何かが壊れる音がした。


「なんで何も起き無いんだよ‼︎」


なんか《メテオ》の時も似たような状態だった気がする。

多分発動してるんだろうけど、何も起こら無い理由がわからないので、今回は使え無いな。

つくづく魔法に運が無い。



「ちょっくら本気出すかな、もう少し下がってろ」


仕方が無いので俺がシーカイザースケルトン善戦していることに驚いている様子の少女を叫ぶ。


断じて強がりでは無い。


相手に合わせて避けるのは苦手だが、移動速度などは夢と冒険の詰まった沈没船と後ろの女の子、向こうに倒れているメ何とかさんのために現代でかなり上手くなった手加減をしているのだ。


俺は少し本気を見せてやろう。


俺が踏み込むと、腐った床は殆ど抵抗なく崩れる。

仕方がないので水中でもう1度水を蹴ることでかなりの速度が出た。

シーカイザースケルトンは反応しようとするが、その時にはもう俺の間合いだ。

思い切り勢いをつけた俺はさらに大きく振りかぶり、反応しきれていないシーカイザースケルトンの頭に






ーー頭突きをかました!


殴ったら痛そうじゃん!

俺の頭突きはスケルトンの頭を殆ど粉砕し、水にいった衝撃波は船に大きな穴を開けた。


「船が!」


俺がその場で沈没船の破損を嘆いていると、


「ワレは命令され、準備ヲシテイタニ過ギナイワレらの王、『神速の魔王ゲパルド』サまの前にハお前など敵にならん」


そんな言葉が口しか残っていないシーカイザースケルトンの残骸から聞こえた。


「スケルトンが喋った⁉︎」


つい、少女の言葉が復唱された。

ありがとうございます‼︎

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