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第0話 古本屋

初投稿しちゃいました。二週間に一回は投稿したいと思います。エタるのは嫌なので最悪無理矢理完結させます。よろしくお願いします!

なんかで読んだ。「人生なんて糞ゲーだ」と。でもさ、糞ゲーってクリアできんじゃん。人生をクリアとか無理じゃん。だからさ、俺は思う訳よ、


''人生って無理ゲーじゃね?''


〜〜〜


「秋夜ぁー」


「はぁぁ、何の用だ?光」


高校2年生を明日に控える俺、たき 秋夜しゅうやは補習からの帰りに「本を売るなら♪」の某古本屋でライトノベルのコーナーを長らく占拠していた。


「何が『何の用だ?』だよ! お前いつまで厨二やってんだ、全然治ってねーじゃん。あとこれ、こないだのジュース代」


「違うしー、仮定の話だしー、後トラックに轢かれたい願望がなきゃ厨二要素なんて全くないしー、あー忘れてたわ。サンキュー」


「いや結構重いのあるな!」


そんな俺に話しかけてくる、小さな声で感嘆符付きのツッコミという高等技術を扱うこいつは同じ中学校の親友、高山たかやま ひかるである。

中性的な名前だがあくまで男子である。イケメン、サッカー部のエース、成績上位、と三拍子揃った美男子だ。


普通なら俺の爆破対象になるのだが、イケメンは別として他の2つは俺が逆立ちしても届かない努力の上に成り立ってることを知っている為に妬むこともできない。


息のあった二重会話からも分かるように、俺とはそこそこ仲がいい。中学時代同じサッカー部で、高校も一緒だった為に、よく話してるうちになし崩し的に友達と呼べる存在になってしまった。なし崩し的に友達とか意味分からんが、案外みんなそんなものなのかもしれない。

俺が光と話していると背後からトタトタと足音が聞こえてきた。


「光ぅ〜、あっ、しゅ、秋夜くん見つけたんだ。秋夜くんも一緒にそろそろ帰ろうよ〜」


「おぉ! もう結構な時間だな。秋夜、行こうぜ」


「俺はちょっとゲーム見てから帰るよ」


そして、その光に話しかけてきた綺麗な黒髪をポニーテールに結っている、女子にしては背が高めの彼女は光の幼馴染系女子であり、サッカー部のマネージャー結城ゆうき 夏実なつみである。クラスでもかなり上位の美少女だ。この二人と俺の合わせて3人が俺の母校青陽中せいようちゅう出身だ。


そして、まことに不本意ながら、ほんとーに不本意ながら、この少女、光に惚れているらしい。少し前に

『光との仲を取り持ってほしい』

的な事を頼まれたのは少し酸っぱい思い出と言える。

別に好きなわけじゃないけどさ、そこそこ話をする美少女がさ、親友に惚れてたらさ、ほら、ね、察しろ。

そんなこともあって、相談を受けた俺としては、ここで3人で帰るわけには行かないのだ。

その結城の気持ちに光は気づいていないふりをしているが、気づいているのだろう……いなかったら爆破する。


「じゃあ、先行くわ。行くぞ〜夏実」


「おう、気をつけろよ。結城もじゃあな」


「うんじゃあね〜……はぁ……」


そう言って歩いていく二人。

結城さん溜め息聞こえてますよ〜。あれ以上俺に何を期待していたというのか。

そうして二人と別れた俺は二人とは逆の方向に足を運ぶ。


話は変わるが、中学でも高校でも俺が行った学校はなぜかオタクに対する偏見が強く、特に高校では

「一度でもオタク認定されると3年間彼女はできない」

という話を聞くほどである。よって我が校青陽高校では、二次元に彼女を作った猛者以外は、ヒソヒソと厨二ライフを過ごすことになる。


もちろんリア充ライフを求める俺は自分の趣味を隠し、帰宅部ながらもオタクでは無いという立場を演じている。

いや、俺はまだオタクには''なれていない''と言った方が正しいかもしれない。二次を選ぶか三次を選ぶかは俺の高校生活最大の難題と言える。

まぁ、簡単に言うとそんな俺の状態を知りながらその2つの選択肢をもたせてくれているのがあの2人なのだ。感謝している。


っとそんな事を考えてるうちに目的の中古ゲームコーナーが見えてきた。


「なーんかおもしろそーなのねーかなー」


俺が見るのは100円から300円のエリアだ。このエリアが最も掘り出し物がありそうな気がする。正直に言おう、所持金300円の俺にはこれ以上は手が届かん。


そして、最近、スマホゲームのデータが消え、ほぼ毎日ここに足を運ぶようになった俺はちょっと前に流行ったゲームを昨日はなかったモノを中心に、眺めていく。

大量のゲームを見てると、怪しいものもある。


《ブラコンクエスト》


つい、手に取ってみると、なんか人気ゲーム名前はに似てるが完全に別物らしい。

ちなみに、恋愛シュミレートでさえなく、打った相手に妹属性を持たせる《エンジェルガン》という日曜朝の女の子が使いそうな見た目の銃によるシューティングゲームらしい。俗に言う糞ゲーという部類だろう。


そんなのにも目を通しながら更に眺めていくと、某ケータイ型ゲーム機D○のあるソフトが目に留まる。


《異世界で補助しよう‼︎》


いや、何で補助なんだよ!何の補助なんだよ!……じゃなくてその隣の、


《異世界でチートしよう‼︎》


おぉ‼︎

落ち着こう。俺は異世界とかチートとか、この手の言葉に弱いんだ。まず説明からだ。


『様々なチートスキルから4つを選んで異世界で好き勝手しよう‼︎ 戦い方はスキル構成に合わせて無限大! さあ、君も異世界へ!』


来たーーー‼︎ こういうのがあるかもしれないと思ってここ来てたんだよ‼︎あ、もうわかっているかもしれないが、俺は異世界転移に憧れる純粋無垢な高校生だ!値段は……


「400円……だと……⁉︎」


俺は膝から崩れ落ちた。


「何でだよ! お前最初から、最初から400円だったのかよ! なんでお前が300円エリアここにいるんだよ!」


そんな事を周囲の目を気もせず宣いながらも財布の中身を確認する。財布には記憶と寸分違わず420円……が入っていた……



ありがとうございました!

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