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80話 疑問形で絶対拒否とはこれ如何に

「じゃあフローラはひとまず仲間のトコに帰れよ。いい男の情報が入ったら知らせるから――」


「え? 絶対嫌よ?」


疑問形で絶対拒否とはこれ如何に。


「そんな事したらリュウセイがどこか行った時に連絡取れないじゃない。私はもうこのパーティーの一員でしょ?」


違うよ?


「それに私もうお金ないんだモン。みんな宿代と食事代は自分で払えって言うし・・・私お姫様なのに酷くない?」


知らんよ? またパンツ売れば?


「そもそもみんな私に非協力的なのよね~。私の仲間って実はウチの兵士なんだけど、全員彼女か奥さん持ってるから私に何もしてくれないし・・・ばれなきゃ別にいいわよね?」


「ダメに決まっとるだろーが!! ノット浮気!! 愛する奥さんは一人まで!!!」


「ちぇ~」


糞ビッチな女だな。兵士の皆さんの苦労が忍ばれるぜ。


「現実問題として、もうこの部屋に寝る場所は無いわよ」


オリビアの機嫌は非常に悪い。どうにもフローラとは相性が悪いし、俺としても先に居る仲間の意見は大切にしたいが・・・


「あら、大丈夫よ。この部屋のベッドは広いから。んしょっと。フフ、いらっしゃいリュウセ――」


ベッドの上で挑発的なポーズを取っていたフローラが瞬時に視界から消えた。オリビアが横から腹を蹴って落としたからだ。


「ゲホッゲホッ!!! い、いった~い!!! 何すんのよオリビア!?」


「そこは私のベッドよ。人型の糞を乗せていい場所じゃないわ」


「し、辛辣ぅ~・・・」


うん、今のオリビアはヤクザも真っ青だな。女同士って容赦ねえ。


「どうしてもこの部屋で寝たかったら床に寝なさい。毛布は無しよ。それと夜中にうっかり踏んずけちゃったら気持ち悪いからはじっこに居なさいよね」


「・・・ゔぇ~ん、リュウゼイ~・・・」


いい年して泣きつくなよ・・・


「・・・オリビア、こんなのでも一応姫的な何かだ、その辺にしといてやれ。フローラも言動には気を付けろ、オリビアはナリはちっちゃいし胸もちっちゃいが気は強ぇんだ」


「胸は普通よ!!!」


「一応じゃなくて本物の姫様よ!!!」


はい、マクラ投げ頂きました。


「・・・はぁ、しょうがねえ。オヤジに言って大きい部屋に変えて貰うか。マロンも入ったし、この上フローラまで入るんならこの部屋じゃもう無理だろ」


そもそも2人部屋に3人で泊まってる事自体が褒められた事では無いのだ。マロンが小さいからオヤジはお目こぼししてくれているが、本来ならば既に部屋を変えなければならなかったのだから。


「この女の為にそこまでしなくてもいいと思うけど・・・」


「オリビア、俺は仲間にしたからには皆公平に扱うぜ? それとフローラ、お前も付いて来るつもりならちゃんと働け。俺は姫だからって無条件にお前を養うつもりはねえ。働かざる者食うべからずだ」


オリビアはそっぽを向き、フローラは下唇を突き出して不平を露わにしたが、意見は変えんぞ。


「それと兵士の人達には事情を話して帰って貰え。お前は俺が守るってな」


「え!? ・・・も、もう一回言って!!」


「あん? だからお前は俺が守るって・・・」


フローラは自分の体を抱き締めてクネクネし始めた。・・・これ何の儀式?


「男の人にそんな事言われたの初めてだわ・・・ちょっと催して来ちゃった・・・」


「・・・発情してないでサッサと行け」


さっき発散してただろうが。賢者モード短すぎなんだよ。


「うん! イッてくる!! またねリュウセイ!!!」


立ち上がるやいなや、フローラはダッシュで部屋を出て行った。行き先がトイレでない事を願いたい。


「オリビア、俺もオヤジの所に行って来るからよ、部屋で待ってろ」


「・・・分かったわよ・・・」


テンション低いな。こんなんでやっていけるのかね?


「・・・別にお前をないがしろにする気はねぇよ。いつだって俺はお前の事は一番頼りにしてるし感謝して・・・って、何でこんなこっぱずかしい事をイチイチ言わんといかんのだ!?」


自分の発言に悪寒が走って頭をガリガリと掻きオリビアをチラ見すると、オリビアはうつ伏せで枕に顔を埋めて無反応だった。耳がピクピクしてるから聞いてはいたと思うが・・・


「はぁ・・・とにかく行ってくるぜ」


そう言って俺が部屋を出ると、何やらボスボスと足をバタつかせる音が部屋から聞こえて来た。・・・いや、もしかしたらオリビアが枕を俺かフローラに見立てて殴っているのかもしれない。怖くて確認は出来ないが。


「・・・オヤジに誤解されそうで面倒クセェ・・・」


宝石集めはこれで半分。後半分、何とか頑張ろう。

相変わらず下品ですいませんね。片方がシリアスなので反動が出てしまうんです。私は全然悪くないんですよ。

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