77話 ヤバイ、コレ絶対スイッチ入った感じだ
えー、下品注意? グロ注意はした事あるけど・・・
「お? どうした兄さん、勃たなくて部屋を追い出されたのかい?」
「俺はいつでもビンビンだっての・・・だからさり気なく怪しげな食い物を取り出すんじゃねぇ!」
ドアの前であぐらをかく俺の前に宿のオヤジが明らかに食用として提供するべきでは無い色のナニカを手に、嬉しそうにすり寄って来た。このオヤジ、それなりに人望もある上にハイレベルなドーピングマスター(注:料理人の事)の癖にどうしていつも俺に構うんだろうな? ゲイは組合長命の冒険者だけで間に合ってるぞ?
「オリビアとマロンは下着の替えが無いから買いに行ってんだよ・・・って待った!! 今絶対誤解しただろ!?」
「ハッハッハ、俺を舐めて貰っちゃ困るな、兄さん!! ・・・つまりはアレだな、着たままヤッて替えが――」
「だから違うっつってんだろ!!! 思いっきり誤解してるじゃねぇか!!!」
とんでもねぇ下ネタオヤジだぜ。日本ならセクハラで訴訟起こされてるぞ。
「冗談だって。・・・ところで兄さん、あんたフローレンシアとも寝たのか?」
「・・・一向にシモの話題から抜けてねぇじゃねぇか・・・」
「いやいや、誤解しないでくれよ。でもアイツがあんなに食い下がる男なんて珍しいからな。食い物を貰う為に色気を振り撒く事はあるけどよ。兄さん達が来る前にも金が尽きて冒険者に自分のパンツ売ってたからな、大銅貨7枚で」
「微妙にリアルな額で反応に困るな・・・」
恐らく日本円で7000円くらいだろう。物好きで金に余裕がある奴なら買うかもしれんな。・・・ああ、だからパンツ一枚しか持ってねぇのか。そんな伏線の回収はイラン。
「男が欲しけりゃ仲間が何人か居たじゃねぇか。そいつらとヤレってんだよ」
「あれで中々男の趣味には煩いらしいぜ? だからいつも女を侍らせてる精力絶倫な兄さんが気に入ったんじゃねぇのかな?」
「俺の連れはハーレムじゃねえ!!!」
ちょっと胸や尻に手が当たっただけでギャーギャーウルセエのなんの。どうせ触るなら俺だってもっと触り甲斐のある胸や尻を触りたいっての。
「まぁ、色々残念ではあるが、気のいい奴だと俺は思うぜ? だからあんまり邪険にしないで、ちょっとくらい優しく――」
「ねぇリュウセイ、2人とも帰って来たの? 私いつまでも下半身すっぽんぽんだと風邪引いちゃいそう~。待ってる間に体の温まる運動しない~? 上下に動くやつ」
空気はおろか時間も思考も凍り付いた。この女、とんでもねぇ魔法を・・・と、俺が現実逃避する前でオヤジの顔がドンドン輝いて来る。ヤバイ、コレ絶対スイッチ入った感じだ。
「なぁぁぁぁぁああんだよ兄さん、口では色々言っといてもう部屋に連れ込み済みの上味見も済んでたたぁ俺もビックリの手の早さだな!!! ・・・だけど全っ然嫌いじゃないぜ、そういう所!!!」
「どういう所だよ!!! だから誤解だって何度言えば・・・!」
どうして俺がエロい事をしているとオヤジが喜ぶのだろうか? ・・・今この半径2メートルに俺以外ノーマルがいねぇ魔空間と化してやがる。桃色時空でもいい。
「ファック・・・しょい!!! うう、寒い寒い。こういう時は熱いのがホシイナー?」
そのクシャミ、わざとか? こんな下品な誘われ方エロ本でも見た事ねぇよ。完全に萎えたわ。
その後執拗に俺を誘惑するフローラと執拗に俺に正体不明のマゼンダの触手を勧めるオヤジを相手に俺は孤軍奮闘した。・・・ちなみに触手はパラサイトゲルとかいう魔物の物らしく、食べると自分の意志で自由自在に操れる触手が生えるらしい。遂にオヤジは俺に人間を辞めさせようとしている事実に割と本気で恐怖したのだった。
一月ぶりで更新がコレとか私の人間性が疑われるんじゃないかと気が気じゃありません。・・・今更感がパないんですが。