76話 おい、嬉しそうな顔するんじゃねぇ
さり気なく連日更新という不定期っぷり。
「ひぐ、ひぐ、えぐ・・・」
「・・・オリビア、やり過ぎです。可哀想です」
「・・・わ、悪かったわよ!」
流石に恥を知らないと思われるビッチ姉ちゃんも人のベッドの上で世界地図を描くのは恥ずかしかったらしく、隣のベッドで布団を被って引きこもっちまった。マロンやオリビアが同情的なのも同じ失禁仲間だからだろうな。
「どうしよう~・・・もう下着の替えが無いのに~・・・」
・・・前言撤回。どうやら漏らした事では無く替えの下着が無いのを嘆いていたようだ。
「・・・オリビア、パンツ買って来い。こんな事で落ち込まれたら話が進まん」
「・・・仕方ないわね・・・」
「あっ、お、オリビア、ちょっと耳を貸すですよ」
マロンがヒソヒソとオリビアに耳打ちしているが、少し声が大きくて聞こえちゃってるな。
「おい、マロンもパンツ欲しいなら一緒に買いに行けばいいだろ」
「ばっ!? リュウセイは女性に対する態度がなっちゃいねぇです!! 聞こえても聞こえないフリくらいするです!!!」
マロンのお子様のパンツがどうだろうと俺の知ったこっちゃねぇんだが・・・
「ダメよ!! 私もマロンも居なかったらリュウセイがその娘に変な事するかもしれないわ!!」
「ふざけんなし!!! いい加減お前は俺に汚名を着せるのをヤメロ!!!」
「えっ、するの?」
おい、嬉しそうな顔するんじゃねぇ。
「アンタはそっから出てくんな。話がややこしくなるから」
「もー、長い付き合いなんだからそろそろ名前で呼んでよね。私の名前はフローレンシア・アルサリーノ・ラディオマディオ・レ・ビストレイア・デ・グランブルーって立派な名前があるんだから!!」
長ぇよ。そして付き合いは長くねぇよ。
「そうか、黙ってろフローラ」
「誰よフローラ!?」
それにしても全く素行に合わない深窓のお嬢様みたいな名前してやがるな。フローレンシアなんて名前を聞いたら普通は純白のドレスを着たお淑やかな女の子を想像するが、実際は人の部屋のベッドで肉体関係を迫るビッチでお漏らしな貧乳とは世間の世知辛さに涙が出らぁ。
「グランブルー? ・・・どこかで聞いた様な・・・」
「いいから行って来いよ。俺は部屋の前で待ってっから」
「・・・まぁ、それならいいわ。行きましょマロン」
「リュウセイ、お金くれです」
「ほらよ。また漏らした時の為に10枚くらい買っとけ」
「「リュウセイのバカ!!!」」
口を滑らせた俺の両膝裏にマロンとオリビアのローキックが炸裂したが、勿論誰も擁護しちゃあくれなかった。
リュウセイは長い名前は略す傾向にあります。一々フローレンシア(中略)グランブルーとか正式名称で呼んでられないですもんねぇ。