75話 そこ、俺のベッドなんだけど・・・
据え膳食わぬは男の恥!!!
「で、話っていうのは何かしらぁ?」
ベッドに腰掛けふんぞり返ってスカートを履いた足を組み替えるビッチ姉ちゃんを前に俺はどう言ったものかと考えた。あ、ちなみにもう光は収まってるぜ。焦って脱ぎ始めたビッチ姉ちゃんをボケーッと見てたらオリビアに殺されそうになったけどな。勿論俺が。
「ええと、それはだな・・・」
いかん、急に状況が進展したから交渉の言葉を考えてねぇぞ。とりあえず金で交渉か? でも世界で一個って訳じゃないがそれなりに数が少ないモンを譲って貰うのに十分な金があるとは思えんなぁ・・・最後の一個って訳でも無いから全部金を使い切る事も出来ねぇし・・・
「・・・フフ、なるほどなるほど。要はお兄さんは私が持っているこの宝石が欲しいのねっ?」
足を組み替えながらスゲェドヤ顔で言ってるけどそれを察するのは別に難しくねぇからな?
「まぁ、そうなんだけどよ・・・。ぶっちゃけいくらで譲ってくれる?」
「そうね・・・私も路銀が尽きて満足にご飯も食べられない身だけど、これをそう簡単に譲る訳には行かないわ。なんたって・・・フフフ、光るのよ?」
また足を組み替えながら得意そうに言ってるけど、光るのはメイン機能じゃねぇだろ。知らなくて取り乱してたじゃねぇか。
「そうねぇ・・・うぅん、どうしようかしら・・・オホンオホン、オホン!!」
こちらをチラチラ見ながらまた足を忙しく組み替え・・・って、今まで察する事が出来なかったけど、多分これ俺を誘惑してるんだ・・・と思う。段々足の振り上げる角度が高くなって来てるから殆どパンツは丸出しだから。案外オリビアと気が合うのかもな。こう堂々と見せられると俺は引くが。ブレイクダンスかよ。
「・・・・・・ねぇ、そろそろ私の希望に気付きなさいよ!! 女にここまでさせておいて何か言うべき事は無い訳!?」
うむ、やはり確信犯か。マジでお近付きになりたくねぇ。俺が言いたい事なんて一つだけだぜ。
「えー・・・黒のパンツはもっと体が育ってからじゃないと貧相で見てられないっていうか、可哀想っていうか、痛いっていうか・・・」
「何言ってるのよリュウセイ!!!」
ゴハッ!? え、延髄切りってお前・・・突っ込みで使う技じゃねぇだろうが!!
「え? ・・・お、お兄さん、もしかして下着は白じゃないと勃たない人?」
「ぜんっぜん違ぇよ!! 俺は心に決めた人が居るの!! だからビッチ姉ちゃんとは金で話を済ませたいの!!」
「リュウセイ・・・正直に言い過ぎです。0点です・・・」
「最低・・・」
うっせえ!!! お前らも交渉に参加しろよ!!!
「生憎白は持ってないのよねぇ・・・まぁ、脱いじゃえば別に・・・」
「前向きに検討するな!!! 男ならその辺の奴でも漁って来い!!!」
「やぁよ。私はお兄さんがいいの。そのステータスならさぞかし強い子が・・・あっ!?」
その一言に俺とオリビアは瞬時に臨戦態勢に移行した。マロンは急なシリアス展開に付いて行けずにオロオロしているが、今はそれに構っている場合じゃねぇ。・・・この姉ちゃん、今なんつった? ステータスだと?
「おい、オリビ――」
「リュウセイ、この女、多分魔眼持ちだわ。目立った道具も無いし、リュウセイのステータスが洩れるなんてそれ以外に有り得ない。ここでブッ殺しましょう。六魂珠は奪い取ればいいわ。体は灰にして森の養分にしてしまえば誰も真相は分からないわよ」
「ヒィィッ!?」
オリビア・・・お前たまにマジになり過ぎて怖ぇんだけど? 俺はとりあえず尋問しようって言おうとしたんだが・・・
「・・・はぅ」
オリビアのマジお前殺す発言にビッチ姉ちゃんは緊張が頂点に達したのか、そのままベッドに崩れ落ちた。そして・・・
「あ・・・」
股間から立ち上る湯気に俺は天を仰いだ。そこ、俺のベッドなんだけど・・・
リュウセイは据え膳は毒を疑って食わない派です。病気とか美人局とか怖いしね!!!
・・・いや、操を立ててるから食わないんですよ? ジュンアイですジュンアイ。