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64話 オリビアって脳筋だったんだ・・・

「どういう事だよ!? ドビーが群れるなんて聞いてねぇぞコラァ!!」


「わ、私だって知らなかったわよ!? 一体だけだと思ってたもの!! それとあんなのに名前なんて付けないで!!」


「お前ら依頼書をよく読んでねぇからこうなるです!!」


言い争う俺とオリビアにマロンが怒鳴って来た。なんでだよ、俺はちゃんと読んだぞ?


「どこがおかしいってんだ?」


「ココ! ココとココをよく見るです!!」


そう言ってマロンが指差したのは報酬の部分と備考の部分だった。そこは特に重要な部分だから俺もちゃんとチェックはして・・・あ!!


「そう言う事かよ!! クソッ、だからこの依頼は残ったまんまになってやがったのか!?」


「え、何? 説明してよ!」


「これだよ、これ!!」


俺はオリビアにまず報酬の部分を指差して説明した。そこに記されているのはこうだ。


報酬:金貨10枚(一体)


「俺も一瞬おかしいなと思ってスルーしちまったが、そもそもこんな書き方はおかしいだろ? 一体しか居ないんなら別にこんな注釈付ける必要はねぇんだからよ」


「あっ!?」


オリビアもようやく気付いたらしく、手に口を添えて驚きを露わにしていた。


「それにこっちも良く見りゃ変だ」


次に俺が指したのは備考の最後の部分だ。


備考:発生からそれほど(中略)体長は5~10メートル前後。


「5メートルと10メートルじゃ大きさが2倍も違いやがる。これは一体を指して言ってるんじゃねえ、5メートルの奴も居るけど、10メートルの奴も居るって意味なんだろうよ」


「ず、ずるいわよそんなの!? じゃあ何体も居るって書いておけばいいじゃない!!」


「読み解けねぇお前らが悪いです。組合は依頼はサッサと片づけてぇからワザと曖昧に書いたりしやがります。強いけどバカな奴らは使い潰されるのがオチです」


「ぐっ!?」


脳筋と言われてオリビアが胸を押さえた。うむ、見た目が小学生のロリっ子にバカ呼ばわりされると流石にキツイものがあるな。一部にはご褒美かもしれんが。


「そもそもドラゴンゾンビに『魔法のマジックアロー』は効果が薄いです。それも当てやすい胴体に当てても奴らは痛みを感じねぇんですから、狙うなら手足を狙うべきです。何も考えずに適当に魔力を垂れ流してるからエルフはアホだって言われるです」


「ゴフッ!?」


マロンの容赦無い言葉がオリビアを責め立て、その旅にオリビアはビクンビクンと体を仰け反らせた。・・・これ何かのプレイか?


「ぐぐ・・・! じゃ、じゃあ今度はちゃんと弱点の火属性の魔法で一網打尽に・・・!」


何とか持ち直したオリビアにマロンが冷たくトドメを刺した。


「お前はほん~~~~~~~~~~っとうに救えないドアホウです。一網打尽にするほどの魔法を森の中で使ったら大火事になって指名手配されちまいます。エルフのクセに森を焼きたがるなんて、お前の耳は飾りです?」


「ゴッハァーーーーッ!!」


見えないナニかに吹き飛ばされたオリビアはドシャっと地面に叩き付けられてピクリとも動かなくなった。だが残念ながら擁護出来んな。オリビアって脳筋だったんだ・・・


逆にマロンは見た目とは違い、随分と知能派のようだ。完全に俺の中のエルフとドワーフの立ち位置が逆転しているが、持って生まれた個性は変え様が無い。


と、オリビアをゴミを見る様な目で見ていたマロンの毒舌がこっちにも飛び火してきた。


「お前もお前です! あんな攻撃しちまったら討伐証明の角まで吹き飛んじまったじゃねぇですか!! 狙うなら首から下にするのが常識です!! そもそもですね・・・」


それから1時間、マロンの説教が止む事は無かった。

幼女に怒られる大人。


マロンは強くないですが頭はいいのです。そしてオリビアェ・・・

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