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36話 こうして善も悪も滅びた。

どれだけ眠っただろうか。俺が話し声に目を覚ますと上の方にあった太陽は大分傾いていて、少し肌寒くなって来ていた。


「んが・・・ふあぁぁぁ・・・んだよ、うるせえな・・・」


下半身は相変わらず元気だが、これは寝起きだからだと思っておこう。


《リュウセイ、起きたか!》


「どうした? 何かあったのか?」


《フッフッフ、あったもあった、大アリよ! 見よ!》


目を閉じるとシリューがどこかを指さしている。見る為に目を閉じるって意味分かんねぇな。


その指の先には体育座りしたセルフィが明後日の方向を向いて黄昏れていた。おい、背中が煤けてるぞ・・・


「・・・一応聞くけど何があったんだ?」


《勇者があまりにチビチビうるさいので実際にお互いの胸を計りっこしたんじゃ。結果は・・・フッ、我の圧勝よ!!》


《異議ありだ!! ほんのちょび~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っとだけだっただろう!! 誤差だ誤差!! 明日計れば私の方が大きいに違いない!!》


《べーーーーーっ!! 測定は一月に一回だけでーーーーーーす!! つまり来月まではキサマは「魔王様より胸の小さい勇者」じゃ!! ハーッハッハッハ!!! し、身長は勝ってるのに胸はま、負けるとか・・・くひゃ、ウヒャヒャヒャヒャヒャ!!》


《ぐぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ・・・》


・・・


《ん? なんじゃリュウセイ、我が勝ったのだぞ? ホレ、一緒に祝わんか!!》


《リュウセイ! キミが不躾に女性の体について話すからこんな事になったんだぞ!! 猛省しろ!!》


・・・・・・


《それともアレか? 我の胸を想像してあまりの神々しさに声も出ぬか? リュウセイは相変わらず変態だな!! むしろド変態だな!!!》


《なっ!? また我らをその様な目で見ていたのか!? リュウセイ!! キミはクソだな!!》


・・・・・・・・・


《まぁ、魔界に並ぶ者無しと――一部の部下に――言われていた我を前にしては仕方の無い事よ!! これからは精々我に尽くすといい!! ひ、ヒモをずらすくらいのご褒美はくれてやろうではないか!!》


《な、何と淫らな取引を・・・ええい!これも人間の為だ! りゅ、リュウセイ、ほ~ら、う、うなじだぞ~~~?》


・・・・・・・・・・・・OK分かった。俺が間違ってたよ。少しでも話が通じると思ったこの俺が。


俺は空を見て一つ深呼吸した。どこまでも高く、青い空。心の中の澱みが吸い込まれていくような、そんな空だ。


俺は空を見上げたまま、言った。


















「佐々木家一子相伝、『男が喜ぶ事~番外編・初めてのしょくしゅ!~』」



















《《ヒギャァァァァァァァァァアアアアアア!!!!!!!》》


















こうして善も悪も滅びた。


《ちょ、リュウセイ!! これ、これ止めてぇぇぇええ!!!》


俺達はどこで間違ってしまったのだろう。俺が甘かったのだろうか。


《む、無視とか止めなさい!! あ、だ、ダメ!! そこはダメーーーーっ!!》


でも俺は話し合えばきっと分かり合えると信じていたんだ。いや、違う。きっと信じたかったんだ。


「す、すまん!!! 謝るからもう許してくれぇぇぇえ!!! ヒッ! そ、そこは違うぞ!!! や、止めよ!!!」


出会いは最悪な俺達だったけど、そのうち打ち解けてダチみたいに話せるかもなって思ったんだよ。ハハ、バカだな俺は。


「ちょっと!!! あ、も~~~っ、バカーーーーーッ!!! あ、すまない、う、嘘だからそんな物騒なモノを仕舞って・・・・アーーーーーーーーーッ!!!」


俺は空の彼方にその答えがあるような気がして、しばらく魅入られた様に空を見上げ続けたのだった。


あ、尻がカユイ。ポリポリ。

打ち切り最終回みたいなタイトルですが終わってません。まだまだ開発・・・じゃない、調教・・・でもないな・・・そう! 教育が終わってませんから!

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