33話 毒を盛って得意げに話してんじゃねーーー!!!!!
「さ、オリビア、メシも食ったしそろそろ行こうぜ」
「う、うん・・・」
ん? なんかオリビアのヤツ、顔が赤いな? 熱でもあんのか?
「どうしたんだお前。顔が赤いぞ?」
俺が手を伸ばすとオリビアはサッと後ろに跳び下がった。おいおい、露骨に避けられると俺も傷付くんだけど。
「だ、ダメ・・・今は触らないでっ」
一体何だってんだよ。もしかして具合でも悪いのか?
「お、流石にあれだけ卵を食ったら効きも早いな!」
・・・オヤジ、キサマ食事に何を盛りやがった?
「説明して貰おうか・・・」
「ああ、この嬢ちゃんがこんな様子なのは卵の食い過ぎだよ。それにママイの実を合わせると強い催淫効果があってな? 兄さんも少し体が熱くなって来たんじゃないかい?」
クソがぁぁぁああああっ!!! やっぱり毒じゃねーーーーかっ!!!
「オークステーキとハインフルの蜜は精力増強、ナガラの実は感覚過敏作用、ナナイロドクガエルの卵は催淫作用でママイの実はそれらの効果の補強だよ。効果は・・・へへっ、ご覧の通りさ!!」
毒を盛って得意げに話してんじゃねーーー!!!!!
「しかし俺もまだまだだな・・・本当ならここで兄さんに襲い掛かるくらいの効果を見越して作ったんだがな・・・半分しか食べてないとはいえ、もっと薬効を高めないとダメだな」
オヤジは真剣な顔で毒料理の改良案を考え始めた。嘘だろ? こんなの日本でやったら保健所どころの騒ぎじゃねぇぞ?
っていうか、俺用に出したって事は、俺がこれ全部食ってたらオリビアに襲い掛かってたの? こんな公衆の面前で公開レイプとか俺は初犯からどんだけ飛ばしてるんだよ。
・・・いかん、俺も何だか少々体が熱くなって来た気がする・・・怒りのせいだと思う事にしよう。
オリビアを見ると、いつの間にか立っていられなくなったのか、その場にペタンと腰を下ろしている。呼吸も荒く、目も潤み始め、頬は上気したままだ。こりゃ本格的にまずいな。
「おい、オリビア、立てるか?」
少しボーッとしながらオリビアは濡れた目で俺を見上げて小さく首を振った。・・・チッ、しょうがねーな!!
おんぶしようとしたが、今オリビアの体が俺に密着するのは俺もキツイ。だから俺はオリビアの膝の裏に手を入れて、もう一方の手で頭を支えながら持ち上げた。誤解しようの無いくらい完璧なお姫様だっこだな。筋力が上がってるせいか、猫でも抱き上げたくらいの重さしか感じないのはありがたい。柔らかさに関しては全力で無視する方向で一つ頼む、俺の煩悩。
「ヒュー、カレシやるぅ!」
「いいなー、あんな可愛いエルフの子とこれから朝まで・・・」
「バカ、あそこまで盛ったエルフを甘く見るなよ! 明日にはあの兄ちゃん、干からびてるかもしれねぇぞ!」
「私も混ぜて欲しい・・・」
このクソ野郎共、他人事だと思って適当な事言いやがって・・・ラギでぶった切ってやろうか? あとヨダレ姉ちゃんはビッチで確定だろ。何初対面の相手に3P希望してんだよ。
「付き合いきれん・・・行くぞ、オリビア」
「・・・イクの? リュウセイ?」
・・・お前も何言っちゃってんの? 毒が頭に回ったのか? ああ、回ったからこそこうなってるんだったな・・・
「黙ってろ、部屋に戻るぜ」
これはしばらく部屋で休ませるしかないな。俺は大はしゃぎのギャラリーを掻き分けてさっさと部屋に戻る事にした。
「兄さん、頑張れ! 負けるなよ!! 30回! 30回は保障するからよ!!」
オヤジの真摯な応援で耳が腐りそうになる。エルフに対しての愛情が屈折し過ぎてオヤジは壊れてしまったんだろう。それと人前で回数表示は止めてくれ。ヨダレ姉ちゃんがキラキラした目でこっちみてるだろうが。シッシッ、ハウス!
俺とオリビアは逃げる様に部屋へと小走りで戻ったのだった。
オヤジ、この落とし前はいつか付けるぞ!!
色々と表現がギリギリな気がします・・・
そして次回もそんなギリギリな状態が続きそうです。