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26話 女のやるこたぁワケが分からん!!

「いい、リュウセイは事故で記憶を失った旅人。森で迷子になってたのを私が保護したっていう事にするわ。私が保護者になるから、余計な事は言わないでよ?」


「おう、頼んだぜ?」


俺とオリビアはもうシューティに乗ってはおらず、街道を2人並んで歩いている。オリビア曰く、街が近いらしいのでシューティを引っ込めたのだ。


今シューティは左手の中指に黒い指輪になって納まっている。やっぱお前闇属性だな?


ちなみに、シューティが指輪になる時にも女達の中で一悶着があったが(俺は何故か離されてハブられた)、言動から察するに渋々シューティが折れたらしい。こいつら俺に隠れて何喋ってんだ?


いいよ、女のやるこたぁワケが分からん!!って爺ちゃんも言ってたしな。その直後婆ちゃんに急須で頭にお茶垂らされて悶絶してたけど、つまりそういう事なんだろうよ。


「そう言えばオリビア、お前さ、俺が魔王はともかく、勇者を倒したのに俺を捕まえたりしなくていいのか?」


ステータスを見せた時から疑問に思ってたんだよな。もっと騒がれるか、最悪俺を捕まえたり殺そうとしたりするのかと思ってたんだ。でもオリビアは冷静に【称号】の考察なんかしてたしな。あ、そういえば【称号】を詳細に見るっての、まだやってないな。街で落ち着いたらやるか。


「何で捕まえるのよ? エルフの勇者を倒したんならともかく、人間の勇者を倒したって別に捕まえたりしないわよ? まぁ、人間の勇者だけ倒されたんなら問題だけど、同じくらい強い魔王も居なくなったんだからこの世界も少しは平和になるかもね」


え?・・・もしかして、勇者って種族ごとに居るのか?


「でも、人間と魔族はリュウセイを許さないでしょうね。一番多い種族の人間と一番強い種族の魔族に追われて生き延びるのは流石にリュウセイでもキツイと思うわ。だから変装は意味があるわよ? 多分、どこに居ても追っ手が必ず現れるから」


なんだ、結局逃げる事には変わりないのか。


「精々隠れて生きる事にするさ。俺の顔を知ってる奴なんざ、今の所3人しか居ないからな」


俺の顔を見たのはあの城で難癖つけてきたクソエルフのイケメンと角付きの黒イケメン(鼻血付き)、後はオリビアだけだ。奴等にしても俺の顔面膝打ちで記憶が飛んだかもしれんしな。


・・・今ふと思ったが、死んでないよな? あの時点で俺のステータスは勇者並みだったみたいだが・・・勇者と一緒に居たあのエルフ、もしかしてエルフの勇者ってヤツか?


オリビアにはしばらく内緒にしておこう。話には時期ってもんがある。そのうち夜飯でも食いながら「そういえばさぁ~」とか言って切り出せばいいだろ。案外オリビアも簡単に流してくれるかもしれないしな。


「ま、それでも気をつけましょ。・・・あ、リュウセイ、街が見えて来たわよ!!」


そして俺はこの世界に来て初めての街に到着したのだった。

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