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19話 コイツは間違い無くヒロインの素質はねぇな・・・

「下ろしてよ~リュウセイ~」


「お前は俺を怒らせた。それくらいですんで感謝してもいいくらいだぞ?」


オリビアは洞窟の入り口のすぐ側の木に吊るされている。俺の毛根を殺そうとした罰だ。世の男性の95%はいつかハゲる恐怖と日々戦っているんだぞ?


流石に逆さ吊りは危険なのでやらなかったが。


「お前はそこでしばらく道行く獣にパンツでも晒してろ。白旗的な意味合いの何かだと思って近づかないかもしれん」


「キャアアアア!!!! 何見てるのよリュウセイ!!!」


お前がジタバタするから余計に見えるんだろうが。流石は露出狂、チャンスは逃さねぇな。


「暴れると余計見えるぞ・・・あ、そういう・・・」


「わざとじゃないわよーーーーーー!!!!!」


それでもジタバタするのを止めないオリビアは露出界の希望の星だと思う。きっと今年のドラフトの目玉だな。


《主殿の髪は色素が根こそぎ抜けてしまったようじゃのう。当分はそのままじゃな》


結局、俺の髪は色に染まるのでは無く、色が抜け落ちてしまったようだ。まぁ、当初の目的である髪の色を変えるというのは達成出来たので、ギリギリオッケーという事にしよう。


ローブも羽織ってみたが、中々具合がいい。顔以外は大体隠れるので、服と靴を隠すくらいは余裕で出来そうだ。


「しかし・・・白い髪に正体を隠すローブ。喋る剣に脳内居候が2人(しかも魔王と勇者)か・・・あとは手に包帯を巻いて眼帯をすれば完璧な中二病末期患者だな・・・」


むしろ今ですら俺の中の眠ったはずの中二心が疼きやがる。くっ、静まれ俺の心っ!


《主殿の言う事は時々ワケが分からんのじゃ・・・》


リアル異世界人に中二病は理解出来まい。だって普通にあるんだからな。


「おーろーしーてーよーっ!!!」


相変わらずオリビアはうるさいままだ。30分も経つのに元気な奴だな。華奢なクセに体力だけはあるみたいだ。胸は無いのに。胸は無いのに。大切な事だから2回言ってみた。オリビアが何かに感付いて睨んでいる様な気がする。


そろそろ不憫になって来たから下ろしてやるか。ついでにラギの力を試すとしよう。


「分かったよ、今下ろしてやる」


そう言って俺はラギを手に取って、オリビアの頭上のロープを見据えてラギを構えた。


「ちょ!? ま、まさかっ!?」


「ラギ・・・ぶった切れ!!!」


《承知なのじゃ!!!》


俺が剣を振るとラギが剣閃を放ち、それは一直線にオリビアの髪を掠めてロープを断ち切り、オリビアは当然の事として落下して来た。


「ぴゃぁぁぁぁぁあああああ!!!」


意味不明の叫び声を上げて落ちて来たオリビアを、俺は衝撃を殺しつつ受け止めた。普通は人間一人分の重さを受け止める事なんて出来ないが、今の俺のステータスなら枕を受け止めるようなもんだ。


「こりゃ便利だ。けど威力があり過ぎるな。森で水平に使ったら更地になっちまうぜ。なぁオリビア? ・・・オリビア?」


オリビアは白目を剥いて失神していた。コイツは間違い無くヒロインの素質はねぇな・・・

正直、オリビアはパンツ見せ過ぎだと思います。自粛して欲しいですね。

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