16話 聖剣を白刃取りしたりエルフのパンツ見たりして来たんですよ~
《主殿は鬼畜じゃのう・・・》
《うっうっうっ・・・そ、そんな所を触ってはダメだ・・・我が・・・我が壊れてしまう・・・》
《わ、私が・・・あんな媚びた雌のような・・・えふっ》
「ちょ、ちょっと、何をしたのよリュウセイ!!」
3分ほど妄想した所で2人から泣きが入ったので俺は妄想をストップした。脳内の2人は目のハイライトが消えて虚ろな眼差しをしてブツブツとうわ言を呟いている。あれだ、レイプ目ってやつか。初めて見たぜ。
「気にするなオリビア。そんな事より昼飯食おうぜ」
「そんな事で流していいのかしら・・・」
腑に落ちない表情のオリビアだったが、それでもメシの準備を始めたので一応流してくれたんだろう。
「さて、これからどうするかな・・・ラギ、お前は異世界に転移する方法を知らないか?」
一応ラギにも聞いてみる事にした。
《はて、妾も長く生きておるが、違う世界から来る人間の話はそんなに聞いてはおらん。大体は死ぬまでこの世界で暮らして居たと記憶しているのじゃ》
マジかよ。諦めが良過ぎだろそいつら。後輩の為に帰る方法くらい確立しておけよ。
《しかし、中には帰った者も確かにいたはずじゃ。古い文献などを地道に当たっていくのが無難だと思うのじゃ》
「そうか・・・面倒くせぇけど、地道にやっていくしかないか」
しかし、今頃日本では俺の事はどういう扱いになっているのかね? 急に失踪した事になっているんなら、親や晴子さんも心配しているかもしれない。警察に捜索願いも出てるかもしれんな。
いやー、実は異世界に転移しちゃってさー、魔王と勇者をシメて、聖剣を白刃取りしたりエルフのパンツ見たりして来たんですよ~。帰って来れてマジ感動ッス!!!
・・・・・・こんな供述をしたら、俺は精神病院に放り込まれてしまうだろう。婦女暴行も疑われて実家の部屋は警察に荒らされ、マンガやエロ本がピックアップされて「こんな本を読んでるからアホになるんです」みたいな事を現実と虚構の区別がつかない二流のコメンテーターに言われるに違いない。何がアナリストだ。尻でも見てろよクソが。
・・・そんな心配も帰る手段を見つけてからの話だな。出来るだけ早く帰りたいが、俺は指名手配されているであろう身だ。変装くらいはしておきたいね。シャツはいいとして、この世界にジーンズは無いだろうから、下に履く物を探したい。オリビアに頼むか。
昼飯が出来るまで、俺はそんな事を考えていた。
作風が下品かなぁと思わなくも無いのですが、大目に見てくれると助かります;