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15話 戦場帰りの兵(つわもの)の目をしておる・・・

この世界では回復力も生命力に依存するらしく、適当に歩いていたら手の痛みも治まってきた。これは中々楽でいいな。


「もう、あんまり無茶しないでよ」


「わりぃ、でも見た目ほどダメージがあった訳じゃ無いぜ? 精々、オリビアのビンタ50発分くらいなもんだ」


「も、もう! あれはリュウセイが悪いんでしょ!!」


そういう見解が成り立たなくもないね。


《しかし、妾を手に入れても倒すべき相手がおらんのう。魔王も勇者もおらんのでは、妾は誰を斬ればよいのじゃ?》


「草でも斬ってろ」


《そんなのはアホのクサナギにでもやらせておけばいいんじゃ!》




《クサナギを馬鹿にするなっ!!!》




うおっ、突然なんだ!?


俺は急に頭に鳴り響いた音に驚いてビクッとなったが、これはあれだ、残念勇者の声だな。


「おい、突然大声出すんじゃねぇ。うるせえだろうが!」


《しかし――!》


《主殿、今の声は誰じゃ?》


あ、ラギにはセルフィの声が聞こえるのか?


「ど、どうしたのよ急に?」


逆にオリビアには聞こえないらしい。どうなってんのかね?


「今のは俺に取り憑いてる自称勇者の声だぞ、オリビアには聞こえないみたいだがな」


《ああ、あのアホのクサナギの主か。どおりでアホっぽい声をしておる》


《貴様、愚弄するか!!》


「おい、お前等黙れ。洞窟の中で騒ぐな、音が響いてうるさい――」




《我・覚・醒!!!》




――嫌なタイミングで馬鹿の筆頭がお目覚めになったようだ。ほんとにこいつ等どうにかならんの?








「じゃ、じゃあ今リュウセイには魔王と勇者がまとめて取り憑いているっていうの?」


「ああ、視覚的にも物理的にも何の役にも立たんがな。文句ばっかり垂れてるぞ」


オリビアには事情を掻い摘んで説明した。ついつい汚い寝姿を見て説明する気力を失ってたぜ。


《聞き捨てならんぞリュウセイ!》


《そうだ、謝罪して撤回しろ!》


「うるせぇな・・・いい加減にしねえとお仕置きするぞ」


《フン、何の力も持たぬ貴様に我等をどうこうする事など出来んわ!!》


《その通りだ。勇者は脅しなどには屈さぬ!!》


シリューとセルフィは俺が直接どうこう出来ないと気付いていつの間にか図に乗っていた。


・・・ほう、いい度胸じゃねぇの・・・俺を本気で怒らせるとはな・・・


《あ、主殿が戦場帰りのつわものの目をしておる・・・》


「そ、そうでしょうか? どちらかと言えば家畜を屠殺する時の目のような・・・」




「良く分かった。俺が間違ってたよ、シリュー、セルフィ」




《フッ、ようやく身の程を知りよったか》


《キミも心を入れ替えて人々の為に尽くすといいですよ、リュウセイ》


俺が下手に出たと思ってますます増長してやがる。こいつ等はガツンとかましてやらなけりゃダメだな。気は乗らないが、仕方が無い。こいつ等には――地獄を見せてやる。


「ラギ、耳があるなら塞いでおけ。今からこいつ等が上げる悲鳴は耳に障るぞ」


《わ、分かったのじゃ!!》


「何? 何をするのリュウセイ?」


俺は酷薄な笑みと共にそれを実行に移した。




「佐々木家一子相伝、『男が喜ぶ事~初級編~』を食らえ!!!」




《《キャァァァァァァァアアアアアア!!!!!!!》》




最初に2人に見せた妄想の更に上を行く妄想を俺は頭の中で大スクリーンで上映してやった。しかも、登場人物はちゃんとシリューとセルフィに差し替え済みだ。自分達の痴態をかぶり付きで眺めるがいいわ!!!




《《イヤァァァァァァァアアアアアア!!!!!!》》




2人は自分達の痴態に悶絶して転がりまわっている。ハッハッハッ!! 俺を怒らせるとこうなるのだ!!!




――その後、自分の嗜好と違う痴態を妄想して疲れた俺は晴子大明神に祈りを捧げて穢れを払うのだった。


慣れない属性(ロリ・貧乳)で無茶するもんじゃねぇな。

脳内だから許されます。

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