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魔弾  作者: 稲葉明
6/8

日本のナデシコ

遅くなりました。

地下都市・東京――。


整然とした雰囲気はどの場所でも同じだが、やはり東京と言うのは洒落ている。

ワシントンの方がヨーロッパ地域の流行と似通った雰囲気を持つが、東京は、何というか独特の文化があるのだろう。古代から浮世離れしたような島国だったそうなので、現在でもそうなるのは当然の結果かもしれない。

「ひっさしぶりー! チャオ~ヨーロッパ、オ~ラトーキョー」

レスカがスペイン語で挨拶した。

この世界はもう殆ど英語しか使われていない。大戦前に、多くの国が言語を英語に統一していた。さらに、大戦中に様々な言語がミックスされて、どれもこれも使い物にならなくなったのが原因だ。作られてからほぼほぼ変っていない〝エスペラント″と言う言語が残っていた。が、話せる絶対人口が非常に少ないなどの理由で、結局のところ、一番普及している英語が世界言語となった。今ではこのように、挨拶程度にしか使われない。

イケメンのレスカは黒髪の女性達の気を引きながら、クロアはその名の有名さで目を奪いながら、二人はづかづかと都市庁へと向かう。

「フー! 美しいねそこの彼女」

「レスカ。ナンパ癖もいい加減にしなよ」

「いいじゃんか、ちょっとぐらい。クロアもやればいいのに」

「ちょっとじゃないから言っているんだけど……」

南欧の血が濃いらしいレスカのナンパ癖を、適当に押さえつつ。

東洋独特の異色な街並みを、観光気分で楽しみつつ。


ついに、その時がやってきた。

「うう……。ホントにこれを受けて良かったんだろうか。……僕は、まだよく分からないんだけど……」

クロアはそう呟いた。心なしか、顔が青い。

レスカは、無言でクロアに視線を送る。大丈夫だ。お前なら、出来る。

それを感じ取ったクロアは、やっと、東京都市庁の扉を叩いた。少しのやり取りで、入室を許可される。二人は、中に入った。


クロアは、その瞬間。

彼女に心を占められた。

美しい艶やかな黒髪の天使。

それが、彼女に一番相応しい形容詞だと思った。


読んでくれて有難う!

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