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プロローグ Burret of Croa

そして――、

彼は、トリガーを引いた。

銃特有の発砲音が鳴り、銃弾は一直線に敵の頭部に吸い込まれる様にして当たる。爆発して、赤い血飛沫を飛ばして霧散する。

「終わっ、た……」

彼は呟いた。すると何処からともなく悪魔の様な禍々しい男が現れて、こう叫んだ。

「おお!!素晴らしきわが主様！何と、何と、本当に――この戦争を終わらせたのですな……!!契約通り、貴方様の魂を戴きますぞ……！」

悪魔はその大きな口を開け、彼を丸々飲み込んだ。

「――！」

傍に居た女が、彼の名前を叫ぶ。

飲み込まれるその瞬間、彼は言った。

「オマエの憧れた僕はもう居ない。忘れるんだ……僕のことは……」

彼を飲み込んだ悪魔は、高笑いしながら消え失せた。

砂漠の真中に、女だけが取り残された。

ただただ、涙を流して――。