エイルとアイル
クゥが悲しみに暮れているとエイルが目を覚ました。
エイル『私を笑いに来たのか?』
エイル『お前からしたら私のこんな姿を見てさぞ気分がよいだろうな』
クゥ『そんな。僕はただ心配で』
エイル『こんな身体じゃ外にも出れない』
その時ちょうどアイルが目を覚ました。
アイル『んっ?』
アイルは全身に巻かれた包帯に気づくとすぐさま鏡に近づき自分の姿を確認した。
アイル『これが私?』
アイルは泣き崩れた。
エイル『アイル・・・』
アイル『もしかして姉さん?』
エイル『ああ。私もお前と同じ姿だ』
エイルはアイルを優しく抱きしめた。
鳴き声を聞いてイリスも目を覚ました。
クゥはイリスの元に駆け寄った。
クゥ『大丈夫?』
イリス『うん。でも足が動かない...』
イリス『私もう自分の足で歩けないのかな?』
クゥ『 大丈夫。治るはずだよ』
その後レイカがやって来た。
そしてエイルとアイルに対しては大人になっていき魔力が増大すれば自然治癒能力で徐々に火傷の跡が消える可能性があることを伝えた。
ただ数年はずっとこのままなので皮膚細胞がこの姿を正常と捉えてしまったら傷跡は消えることはないと。
またイリスはもう自分の足で歩くことはできない。さらにイリスは悪魔と言うより人間としての遺伝子を多く受け継いでいるため自然治癒は望めないと伝えた。
イリスは涙を流しながら
『そう』と呟いた
でもクゥが生きていて良かったと
11月8日
魔界からレイカの知り合いマリナがやって来た。
レイカとの交渉に来たようだ。
マリナの一族は魔界ではレイカに続く名門である。
マリナは自分の息子であるカイをレイカの娘アイルと結婚させ一族を強化させようようとしていたのである。
レイカ『私にどんな得がある?』
マリナ『レイカ様が探し求めていた神殺しのロンギヌス槍を授けましょう』
レイカ『まさかお前が持っているとはな』
話は続いた・・・
一方マリナが連れて来たレオナとカイは屋上でタバコを吸っていた。
そこで偶然エイルとアイルに遭遇した。
カイ『マジかよこいつアイルだろ』
カイ『こんな化け物と婚姻させられるのかよ』
レオナ『運が悪いね』
レオナ『まあ一族繁栄のため我慢しな』
エイルとアイルはにらめつけるだけで反論はしなかった。
カイ『こんな化け物を女として見れるかよ。気持ちわりぃ』
カイはアイルの元へ近づき、
いつまでもジロジロ見てんなよ気持ちわりぃなぁと言い唾を吐きかけ笑った。
キレたエイルがカイの顔面にパンチを喰らわした。
カイは『痛ぇな』というとエイルの腹にパンチをいれた。
エイルはお腹を押さえながらしゃがみ込んだ。
カイ『図に乗るなよ。化け物共が汚ねぇ手で触んなよ』
カイ『何でおれ様がこんな化け物と結婚させられなくちゃなんねぇんだよ』
カイ『とりあえず結婚はしてやるよ!でも俺の近くによるなよ!』
アイリ『.....』
レオナ『あら結婚はするんだ?』
カイ『仕方ねぇだろ』『それにこいつらの家系は力も金もたくさんあるしな』
カイは笑いなが言った。
カイ『まあ傷が治れば抱いてやってもいいぜ!』
カイ『昔見た時は結構綺麗だったしな』
話しを隣の部屋で聞いていたクゥが扉を開けていきなりカイを殴りつけた。
カイ『なにすんだてめぇ』
クゥ『お前見たいな汚い奴にアイルは渡さない』
カイ『何言ってんだよ。こんな包帯まみれの化け物なんて結婚してくれるのは俺くらいだせ。感謝して欲しいぜ』
クゥ『黙れ!アイルは美人だしお前とは釣り合わないだよ』
カイ『ぶはははっその姿が美人だと。笑わせんなよ』
クゥ『アイルの何も知らないお前が言うな』
アイル『クゥもうやめて。もういいから』
エイル『傷が治ったら覚えておけよ!ぶっ飛ばしてやる』
カイ『おっ怖い怖い』『アイリとは結婚してやるがお前はごめんだ』『お前はそこにいる人間でいいんじゃないか』『化け物のお前にはピッタシだ』
エイル『くっ』
レオナ『カイそろそろ行くわよ』
カイ『わかった』『んじゃなぁ化け物さん』と笑ってカイは部屋を出た。
アイルはショックで床に倒れた。
クゥはアイルを抱きしめた。
クゥ『大丈夫だよ。』
クゥ『アイルは必ず治るから!』
アイル『治らなかったらどうするの?一生このままなんて嫌だよ』
と泣きながら言った。
エイル『聞くところによると治る確率は50%だ』
エイル『私達のどっちかはこのままってことになる』
エイル『こんな身体じゃ結婚もできないしな』
クゥ『結婚したいの?』
クゥ『嫌じゃなければ僕と結婚する?』
エイル『はははっ何言ってんだよ』
エイル『私とお前が結婚?有り得ない』
エイル『いくら私が包帯まみれ化け物だとしても人間のお前だけは勘弁して欲しいわ』
クゥ『ごめんそうだよね』
エイル『....』