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漆黒のグラディウス  作者: アカシックレコード
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プロローグ

この世界には神、悪魔、精霊、魔女、天使、竜人、人間という7つの種族がいる。


人間は一番下のランクで他種族から差別されてきた。


主人公クゥはそんな人間の一人だ。


だが彼は普通の人間とは違う環境にあった。

人間である主人公の父親ルキには二人の妻がいたのだ。一人は魔女のリンスでもう一人は悪魔のレイカである。


魔女ならともかく悪魔が人間と婚姻などありえない時代であった。



家族構成は父親ルキ、母親リンスとレイカ、長男クゥ、長女イリス、次女エイル、三女アイルである。


リンスの実の子はクゥだけである。

長女イリスと3女アイリはレイカの実の子となり悪魔だ。

次女だけは違った。

次女は元々神達と一緒に生活していたのだが能力的に劣っていた彼女は他の神々から見捨てられ地上へ置き去りにされた。その後レイカに拾われ育てられた。

次女エイルはレイカのことを尊敬していたし、家族として向かい入れてくれたことに心から喜んだ。

だが、人間のルキとクゥのことは軽蔑していた。


拠点はベーゼ城である。

ベーゼ城は二本の円形状の城壁から構成される。

そのど真ん中にある黒い城に主人公達は住んでいる。

内側の城壁には悪魔が、外側の城壁側には人間が住んでいる。

ベーゼ城の人間は全員がルキと同じヴァルクス人である。


5月12日エイルの誕生日。

クゥはイリスと一緒にエイルのためにショートケーキを作っていた。

エイルはクゥが話しかけもシカトするためクゥはほとんど会話したことがなく、これを機に仲良くできればいいなとクゥは考えていた。


クゥはケーキを作り終えるとエイルの元へと駆け寄った。

クゥは笑顔でエイルにケーキを渡した。

エイルはケーキを受け取るとクゥを睨み目の前で床に捨て足で踏み潰した。

エイル『汚ねぇ人間からのプレゼントなんかいるかよ!』

エイル『お前と会話すると周りから変な目で見られるだろ!』

エイル『人間の分際で気安く私に話しかけんなよ!』


クゥは涙をこらえて姿を消した。


クゥは分かっていた。

エイルが自分を嫌う理由が。

クゥは人間に生まれたこと後悔していつも泣いていた。


クゥとエイルの会話を聞いていたイリスはエイルになんでこういう仕打ちをするのか問いただした。

エイル『決まってるだろ奴は所詮人間』

エイル『人間はこの世界で生きる価値なんてないんだ』

エイル『人間が高貴な私達と対等に喋る権利なんてねぇよ。一緒に息をするのも汚らわしい』


エイル『イリスお前そう思うだろ?』


イリス『私はそうは思わないわ』

イリス『確かに人間は脆くて弱い』

イリス『でもこの世界で私達と同様に息をし同じ大地を踏み生活している』

イリス『それにクゥは私達の大切な家族でしょ?』


エイル『大切な家族?』

エイル『笑わせるな』

エイル『私はレイカさんを尊敬しているが、ルキもクゥも家畜くらいにしか思ってない』

エイル『そうかお前にはルキの血が流れてるからそんなことが言えるのだな』

エイル『所詮お前も人間の血が流れてる汚らわしい者だな』とエイルは笑い姿を消した。


エイルはレイカからお小遣いを貰っていたが、お金がなくなればクゥを脅したり、時には暴力を振るいクゥからお金を巻き上げた。


エイルは何かストレスが貯まる度にクゥに八つ当たりした。

それでもクゥはエイルに対して反抗しなかった。

エイルは日常的にクゥに暴力をふるっていたためクゥの身体はアザだらけだった。

でも彼はそれを隠していたため家族の誰もそれを知らなかった。


ある日クゥはお風呂から上がり体を拭いていた、そこへ何も知らないエイルがドアを開けて風呂に入りに来た。

クゥの裸を見てしまったエイルは『汚ない身体見せるんじゃねよ』と罵声を浴びせながら顔面を数発殴りつけるとクゥは鼻から血をぽたぽた落とした。

エイル『私がやったとかバレないようにしろよ。ばれたらリンチだからな』


その後クゥはすぐにレイカに見つかり誰にやられたか問われた。

クゥは転んで鼻を打っただけとごまかしたが、クゥの首下の二箇所のアザを発見したレイカはただごとじゃないことに気づいた。

レイカは身体にも他のアザがあるのではないかと思い、クゥの服を脱がそうとしたが、クゥが「やめてやめてよ」と泣き出したためクゥの気持ちを考えてやめた。

レイカは仲間の悪魔にクゥに暴力を振るう犯人を調査させると、すぐに犯人がエイルと判明。

エイルはレイカを呼び出すと数時間にも及ぶ説教をした。


二日後

今日はレイカが魔界の親戚のパーティーに行く日である。

エイルはレイカがいなくなったのを確認するとクゥの部屋に入り、ドアの鍵を掛けた。

エイルは「クゥてめぇチクリやがったな」と言うとクゥの腹に馬乗りしクゥを殴り続けた。

その後クゥの髪の毛を鷲掴みし、クゥを立たせるとクゥの腹にパンチを入れた。

クゥはあまりの痛さにしゃがみこみお腹を手で押さえた。

エイルは「しゃがみこみでんじゃねえよ」と言うと再びクゥの髪の毛を鷲掴みし、クゥを立たせ腹にパンチを入れた。

クゥは再びしゃがみこんだ。エイルは髪の毛を鷲掴みにしたままクゥを前えと引っ張り出すとクゥはそのまま床を這いつくばった。

エイルはクゥに馬乗りするとクゥの服をめくり背中を露出させると「私に逆らうとこうなるんだよ」と言いライターとタバコを取り出した。

エイルはタバコに火を付けるとクゥの背中の皮膚に押し付けた。

エイルは泣き叫ぶクゥを見ると笑い「次はこっちだ」と別の場所にもタバコを押し付けた。

エイルは「次チクったらどうなるか分かるよな?」と言い残すと満足気な顔をしながら部屋を後にした。


数日後クゥはルキの仕事を手伝おうと思ってルキの部屋に訪れたが父親はいなかった。そこにはタンスから現金を盗むエイルの姿があった。

エイルはこっちに気がついたらしく近づいてきた。

エイル『チクったら今度は腹焼くからな』

そうだクゥ来月分お小遣い貰ったら私によこせよなと言うとエイルは笑いながら部屋を後にした。

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