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3日目〜普通の日常〜

今日も今日とて何一つ変わらない日常を過ごす高校生達がいた。




「ねねね、紫。ここの解き方教えてくれない?」


「いいですわよ。あ、じゃあことりさんここの訳し方教えてくださらない?」


「おっけー」



古宮ことりと高橋・リーナ・紫は来週行われるテストに向けて勉強していた。



「ちょっと待てい!」



急に大声をあけだのは佐藤翔。クラスのムードメーカーである。



「ん?どしたの翔」


「どーしたもこーしたもねぇよ。どうしたんだお前ら。前回、前々回の出落ち並みのあのよくわからない討論はどうした」



「勉強中はお静かに」



そう言って眼鏡をかけなおしながら問題集のページをめくったのは早河護。


「お前もどうした。勉強するようなキャラだったか!?つーか眼鏡なんてかけてなかっただろ」



「ダテ眼鏡だ」



護は翔に対してキメ顔もといどや顔でそう言った。


「なんでそんな「してやったり」みたいな顔なんだよ。いらないだろダテ眼鏡」



この日常がまるで今までとは異常とでもいうかのように騒ぐ翔。そんな翔のもとに紫が近付く。


「佐藤さん。騒いでたらみんなの迷惑。メッですわよ。もしこれ以上騒ぐならお・し・お・きですわよ?」


紫は小悪魔のような甘い微笑を浮かべ翔の喉から顎にかけて人差し指でなぞりながら言った。



「なにこのちょっと嬉しい感じ。普段からこっちのが良い気がする!だけど…だけどこんなの俺の知ってるみんなじゃねぇ!」


そう言って翔はとびだした。現実から逃げ出すかのようにひたすら走る翔。その瞳には涙が浮かんでいた。



(きっとこれは夢だ。夢オチに決まってる。目が覚めたらきっとみんなといつも通りバカやれんだ。きっと。いや、絶対)


翔は心の中でそう呟き。ひたすら走った。これを夢と信じ、夢が覚めるまで。



「という翔的&読者的ドッキリとか面白そうとか考えた妄想オチ」



「怖すぎるわ!」



『いいね〜(ですわ〜)』


「何がいいんだよ!怖すぎて人間不信になるっつーの」


『え?』


「なんで三人して『なんで?』みたいな顔してんの?そっちのが不思議だわ」



こんな仲間達とのたわいない会話をする毎日がバカケルの日常。幸せな平凡な日常。



「みんなして俺をイジメてそんなに楽しいかよ!つーか最後最後で結局バカケルって呼ばれんのかよ」






「いやいや勝手に終わらせるなよ」



「あたし達もう今回出演しなくていいから終わろうよ、バカケル」


『うん、うん』


古宮の言葉に頷く2人。作者の執筆気分的にもナレーションの気分的にもそろそろ終わりでいいだろうというこの状況でバカケルはいったいなにをしたいというのだろうか。


「そういった悲しい裏事情明かさなくていいよ。……なんだよ、なんだよその「面倒くさい奴だな」みたいな目は。うぅ…みんなして、みんなして俺を馬鹿にしやがってえぇぇ。うわぁぁぁぁん」


泣き叫びながらバカケルは走り去っていった。


バカケルがいなくなり静かになったところで護が一言こう言った。


「さて、帰るか」



すると三人は荷物を片付け挨拶をかわしそれぞれの帰路についた。


誰もバカケルを追わなかった。何故ならこれがいつものことであり弄られキャラであるバカケルの日常もとい宿命なのまである。



「こんな宿命いらねぇよ!」

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