2日目〜発展しなかった妄想〜
何気ない高校生の日常の1ページ。絶賛青春中の少年少女達がここにいる。
「ポニーテールっ娘の凛とした佇まいこそ萌えなのよ」
今日の髪型をポニーテールにしてまでそう主張したのは古宮ことり。
通称ポニー・ことり
「ツインテールっ娘の優雅さと愛らしさこそ萌えですわ」
プラチナブロンドの髪をツインテールにして古宮に対するのは高橋・リーナ・紫。
通称パープル・ツイン
「ちょっと待て!前回と通り名全く違うじゃねぇか!」
そんな細かいことを気にするのはバカケル。
「……それだけ!?俺人物説明少しも無い上にフルネームも明かされないの!?」
「お前多分ダメ人間というか負け犬設定的なものだと思うんだよ」
柔らかな微笑を浮かべバカケルを慰めようとしているのは早河護。
「フォローになってないから。笑顔で言われるとか余計傷つくわ」
「バ、バカな!有り得ない!」
「なんで大丈夫だと思えたんだよ」
そしてバカケルと護のもとに、というより護のもとに古宮と高橋の2人が今日も質問にくる。
「個人的には両方好きだし両方萌えだと思うんだがなあ」
『まだ何も言ってないのに』
なんだかんだで息がぴったりな2人である。
「お前この作品の1話1話を長くしようとは思ってないだろ」
「長々と書いてもつまらないんじゃね?こんな感じの作品だし」
「確かにそこ否定できない!」
そんなバカケルを尻目に
「俺だけ!?」
2人が護に問いた。
「ポ、ポニーテールのがよくないかな?う、うなじとかいい感じじゃない?」
「う、うなじならツインテールのがいいんじゃありませんこと。ねぇ護」
「両方好きだよ。古宮だってツインテール似合うと思うし、高橋がポニーテールにしても可愛いだろうし」
2人に対し真顔で言葉を放つ護。告白さながらである。
「そ、そうかな。じゃあ明日ツインテールにしてこよっかな」
「わ、私もポニーテールにしてみようかしら」
「揺らぎ過ぎだろお前ら!確かに俺も良いとは思うが冒頭部分の会話とかもう意味ないじゃんか」
バカケルのことなど眼中にないかのように意気揚々と帰る2人。先ほどの対立など無かったかのように仲良く帰路についたのであった。
「本当に扱いひでぇな!これでいいのか?なあ、まも……いねぇ!」
誰もいない教室でバカケルの声が響くのであった。