≫SIDE:T-3
現代知識でオラオラチート俺様村発展だぜ!!ヒャッハーーッ!!!
――なんて思っていた時期が俺にもありました……。
やあ(´・ω・`)
まず落ち着いて俺を見て欲しい。
うん、「三歳児」なんだ。済まない。
言葉がちゃんと喋れないんだ、まともに話を聞いて貰えるわけがなかったよね!!!
試しに「森に捨てている糞便を肥料にすればもっと良いお野菜取れるよ!取れるよ!」と訴えてみたが、実際俺が口にした言葉というのが
「もり!うんちー!おたたい!おやちゃい!」
うん、日本語でおk。
両親も近所の人も“まあまあ元気ねー”という生温かい目で俺を見る。
違う!俺は今!生活向上の第一歩をお前らに示してやったというのに!お前らって奴はー!!
慈愛の眼差しで俺を眺める暇があったら少しでも俺の言葉を理解する努力をしろーー!!
はあはあ……いかん、俺としたことが。あまりにもままならぬことが多いばかりに…ビークールビークール。
しかし本当に三歳児って思うとおりに出来ないな。
喋ること一つとってもそうだが、体の動きもよちよちと頼りなく細かい作業も出来ないし、体力が無いからすぐ疲れるし…子どもっぽく癇癪を起こしそうになったことが何度あったか!
中身が高校生じゃなきゃ今頃このわがままボディにもの言わせて騒音震源地になってるところだぜ!感謝するんだな愚村人どもよ!!フゥーハハハ!
……はあ。
家の戸口の前に立ち、胸を張って高笑いなんぞしてみるが、口から出るのは天使のようなきゃらきゃらした甲高い笑い声だけ。
「ティーエ、そんなところにいると風邪ひいちゃうよ。おうちの中に入ろう」
姉に促され、肩を落として粗末な小屋の中へ。
む、無力だ……。
さて、特に出来ることもない現状、この村の状況を確認しておこう。
一応この村、“農村”と言うことになっているが実は半猟半農…いやぶっちゃけ猟の比重が高い。というのも村の位置に原因がある。
この村、周囲を山に囲まれた、山あいの村なんだよなー。あっち向いても山!こっち向いても山!
そのうえ土地も痩せてて大した物は育ちゃしねえ。
ということで、主食と細々とした葉野菜を小さな畑で育てる以外は一切を山の恵みに頼り切りの日々。
周り中、どこを見回しても山だ。そりゃ狩猟だけで楽に暮らせると思うだろ?
ところがどっこい、そう上手くはいかない。山の中は立ち入ることの出来る場所が限られてるんだ。
なんでって?
魔物が出るからですよ。
MA MO NO !!
うひゃーキタキタキターー!これこれ、これですよ!さすが異世界!三歳児のままならなさに低空飛行中だったテンションがいっきに跳ね上がったね!だってですよ奥さん、“魔物”がいるってことは!
“魔法”だってアルンジャネーノ?!
ってことですよ!うwはww期待に胸膨らみまくりんぐwww 今なら母乳だって出だせる気がする!(キリッ
と顔を引き締めて俺は母親のオパーイに吸いつくのでしたww「きゃっ!ま、またっ…もう!」
いや違うんだ、これは決してやましい気持ちからではないんだ、いわゆる母子間のスキンシップというやつでだね、つまり俺が何を言いたいかと言うと、要するに、おっぱいは正義!!
そういうわけで俺は、二つの正義をちゅうちゅうしながら母親におねだりしてみる。
「てぃーて、もり!もりいく!」
てぃーて=ティーエ、俺のことな。
さすがに三歳で家の手伝いなんて出来ないから、最近は暇に飽かせて村の探索(という名のよちよちお散歩…)を行っていた。あらかたの配置は覚えたし、あと行ったことがないのは周りの山だけなんだよな…。
俺がおねだりしている“森”ってのは、村人が薪をとりにいったりする、山の中でも比較的安全な場所だ。いくら俺でもいきなり山奥へ突撃かける気にはならない。何せ「てぃーてたん、ちゃんちゃい!」ですからwww
今まで何回もお願いしてるけど、なかなか許可が出ない。
母親は少し困った顔をして、何事か父親と相談していた。二人は姉を呼ぶといくつか言い渡す。
三人の目がこちらを見下ろし、そして母親が一言。
「お姉ちゃんと一緒ならいいわよ。でも、少しだけね」
ヒャアァッホーゥ!やったぜええ!
小躍りして喜ぶ俺に注がれる三つの生温かい視線。
なんだよ!いいだろー!こちとら三歳だぜ!!




