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閑話『マアト天秤の仲間達と他の者達の動き』②

【瀬良太一】


 桂木流星と瀬良太一は中学からの知り合いだ。とはいえ、彼らも最初から仲が良かったわけじゃない。


 中学一年で同じクラスになっても碌に言葉を交さなかったし、流星も太一も明るい性格ながら違うグループに所属していた。いや、流星が若干孤立していただろうか。


 虐められているわけでも、友達と吊るんでいなかったわけでもない。でも、ゲームになるとフラっとどこかへ一人でいって、彼は一人で楽しむ傾向があった。


 自然とゲーム内で何をやってるのか誰もわからなくなった。そして誰も彼を気にしなくなった。


 一年の後半となって、あるVRMMOが中学生たちの心を捉え大流行した。名前はライフストリーム。太一も友人とド嵌りし、熱中した。でも、ある日そんな友人達が大喧嘩してしまった。理由は獲得したユニーク装備を誰が使うか。


 くだらないと思ったがトップクランでも結構ある話らしいので笑えない。


 嫌気がさし抜け出した太一はソロプレイヤーになった。そんな時だった。流星と出会ったのは。彼は二人でレイドボスと闘っていた。装備は適当、レベルも自分より低い。絶対に無理だと思ったが彼らは何と勝ってしまった。


 その楽しそうな笑顔を見ていたら自然と彼らの元に足が向かった。そして……気づけば太一は彼らの仲間になっていた。PTの名前は竜の爪(ドラゴンクロー)となりそれはクラン名に引き継がれた。


 桂木流星は太一からしても不思議な少年だった。驚くほどゲームが上手いが最強ではない。実際、何度も負けるところを見たことがあるし、彼はアホみたいなミスもよくする。けれど、彼とやると時々ゲームが数段面白くなる。


 これは当時組んでいたドラクロメンバー内でもよくでた話なので間違いないはずである。


 気持ちが悪いので決して口にしないが太一は流星に憧れている。だから、こっそりと真似したりする。彼がサポーターの有用性を語り育てると言い放った時、太一も自分のサポーターの育成を即決した。


 AIは決して人には勝てない。計算は早いが目だけで行われる阿吽、計算では弾けない行動にAI付いていけず未だ人に劣る。


 だから、普通はそこまで本気になって育てたりしない。育成はするがそこまで熱を込めない。


 でも太一は流星の勘を信じ動き出していた。


「黒ノ助っ!黒鳥三式『バードストライク』」


「カアアア」


 ここは水の都ストラージュ郊外。ゴグファングという名のついた狼と闘う太一は自らのサポーター烏の黒ノ助に指示を出していた。


 バードストライクは体当たりで自身も反動ダメージを追う技。太一はこれをあえて空振りさえ移動技として使わせた。後ろに回った烏ノ助が自らの判断でスキルを使用する。


「クワアアア」


 何を言ってるか全然わからない。これが空を飛べる代わりの代償といえるかもしれない。けれど太一は理解し走り出していた。黒ノ助が放った羽が矢のように狼の影を突き刺すと狼が一瞬ビクッと止まった。


 ◆───-- - - -            - - - – --───◆

 黒鳥五式シャドースナッチ 0,2秒影を刺した者の動きを止める

 ◆───-- - - -            - - - – --───◆


「堅術一式『シールドバッシュ』」


 完璧なタイミングで太一の盾が狼の鼻づらを捉えギャンっと悲鳴を上げて狼は弾かれた。


「ナイスだ黒ノ助」


「クエエエエ」


「いくぜ!これが俺達のゼンッ」


 この戦いをある生徒がみていて数百年前に世界を席巻したゲーム、〇モンみたいな戦闘やってる奴がいると一時話題の人になるが大体、獣系のサポートを持つ者の戦闘がこうなるとわかりすぐに風化することになる。


 瀬良太一 クラスF 彼は〇モンマスターを目指して……というのは冗談で、彼は目指すものをまだ決めておらず、その将来も未だ不透明であった。


【蒼龍ナズナ】


「う”あっ!?」


 ガバっと寝具から身を起こしたナズナ。悪夢でも見たのかその額からは汗が滲み、瞳孔が開ききっている。


 うっと口を抑え、トイレに駆け込むとオエーっと彼女は吐き出した。けれど、何もでない。それは精神的なものだった。


 フラフラと部屋に戻ったナズナ。彼女は注射器のような機械を取り出し腕に打ち込むとふうっと落ち着いたような息を吐く。


「んっ」


 パンドラボックスを眺めながらボーっとする。ゲーム以外、何をやっていいのかがわからない。あっと思いつたナズナはガサゴソとカバンをいじりだした。そして取り出したのは茶封筒。それをシャカシャカ振ると何枚も写真が落ちてきた。


 新見結にプリントアウトを頼んだのだ。データーとして持ってた方が嵩張らんでええのに?って言われたがナズナは頑なだった。


 それを一枚一枚大事そうにペチペチと壁に貼り付けてゆく。それはこれまでの冒険の記録。仲間達との思いで。


「もっと欲しい。もっと……」


 キラキラとした瞳でそれをいつまでも眺めながらナズナは青いマフラーをその首に巻くのだった。


 蒼龍ナズナ クラスF  彼女が目指すものそれは……青いマフラーの由来を知るものだけが知っている

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 流星ノート〇ラヴェルの持ち込み

 ラヴェルの持ち込みは定められ学生は余り多くの物資を持ち込むことを許されていない。その代わり様々なものが学内に取り揃えられており、学生たちは学内通貨を使用することによって購入することができる。ちなみに柊の本は図書館で借りたもの。返却期限なし制限なしである。

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