表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
廃人遊戯譚『ヴァラエティーパラシス』~人とAI率いる俺が廃人へと至る道  作者: 流体紀行
βテスト『学園ラヴェルとヴァラエティーパラシス』
22/110

有栖川胡桃と宣戦布告

 寮の自室。ランプを焚いて、俺はこれまでの情報を紙に書き記す。

 ◆───-- - - -            - - - – --───◆

 市民          フィールド職/暮らす者

 会話好き

  レベルの上昇によって町の者から聞き出す情報が増える。また入れない場所に

も入れて貰えるかもしれない。サポーターとプレイヤーで効果が変わる

 ◆───-- - - -            - - - – --───◆

 剣術士           前衛職/切る者

 多彩な剣技を操る事ができる。武器で受ける事もできるが耐久値が著しく減少

するため避けて戦うスタイルとなるだろう


 〇剣術一式『マギア一閃』

 剣を引き、溜めの後に放つ一撃。連続使用不可。ギアを巻けば巻くほど威力

が上がる。最大5秒。体勢が崩れた所を狙うのがセオリーだ。硬い敵では剣が

折れる恐れがある


 〇剣術二式『一刀閃火』  

 突進居合抜刀術。抜刀の構え状態で加速。進んだ距離によって威力速度が向上

 ◆───-- - - -            - - - – --───◆

 弓術士         中・後衛職/放つ者

 離れた位置から攻撃可能なアタッカー。弓は消耗するためお金が掛かるため 

初心者には向かない。エルフにゆかりのあるジョブ


 〇弓術一式『バーストショット』

 真っ直ぐ、そして飛距離が伸びる。一瞬のタメが必要となる


 〇弓術二式『バックショット』

 射出と同時に後方へバックジャンプ回避を行う

 ◆───-- - - -            - - - – --───◆

 武術士         前衛/殴る者

 前衛でありながら敵の攻撃に最も無防備となるジョブ。それを補うスピード

とスキルによる位置変化によって戦闘を行う間合いの技術職。


 〇武術一式『破天掌』

 前方に距離を詰め、片手で放つ掌底。相手をノックバックさせて体勢を崩す


 〇武術二式『恐竜踏破(ダイナステップ)

 地を蹴り飛び込む移動技

 ◆───-- - - -            - - - – --───◆

 治術士         後衛/癒す者

 体力を回復させる術式を扱う。レベルが上昇すれば範囲・効果が上昇


 〇治術一式『タッチヒール』

 触れたものを小回復 


 〇治術二式『エリアヒーリング』

 半円状の光の膜を設置。範囲内にいる者を徐々に回復。効果時間130秒。

重複しない。モンスターにも効果あり

 ◆───-- - - -            - - - – --───◆

 魔術師         後衛/魔の者

 魔道の力を行使する。クラス最強レベルの火力を放てるが詠唱時間が長く隙が

 大きい。また当てるのも容易ではない


 〇灼熱低位ガナフレア

 詠唱後、火炎の火球を放つ 


 〇雷鳴低位ライトニングベル 

 詠唱後、紫色の電撃を放つ

 ◆───-- - - -            - - - – --───◆


 さて、これらのジョブ・スキルをどう組み合わせるか。俺は目を閉じてあのエテ公ランドエイプキングLV10の事を思い返す。


 ハイヒューマンになれば情報が不足した相手と戦うなどザラである。これはキッカだけでなく俺にもいい経験になる。俺は頭でシミュレーションを行い続けいつしか眠りこけてしまうのであった。


 朝、やる事は変わらない。今度は体を使っての一人空組み(カラクミ)である。特に気を付けなければならないのが前回一撃で終わった地面からの尻尾攻撃だ。予備動作モーションがあったようには思えなかった。予測しなければならない。


 持った木刀をギュッと握って技を放てば女性の声が掛けられた。いる事は分かっていたが、放置していたのだ。そんな苛立った有栖川胡桃が口を開く。


「今のは剣士のスキル、マギア一閃ですね?少し低いのでは?角度を合わせないと補正が入って威力が下がりますよ」


「ん?ああ分かってるよ。これは敢えてやってんだって」


「敢えて?何の意味があるのですか?強がりにしか聞こえませんが」


 俺は気が散ると溜息をついた。


「そんな事を言いに来たんじゃないだろ?何の用だよ?」


「ふふっ私から言わせるおつもりですか?」


 ニヤついた笑みを俺に向ける有栖川さん。しかし訳がわからんと首を捻れば、え?っと有栖川も子首を傾げた。


「宣戦布告したでしょう?まさかお逃げになると?」


 宣戦布告?っとあの店でのやり取りを俺は思い返すもさっぱり思い出せなかった。


「あの店での話なら悪いが逃げるので必死で聞いて無かったんだが」


 大体、キッカのせいで。


「そこではありません。始業式に宣戦布告したではありませんか」


「誰に」


「貴方に。実技満点の者は出て来なさいと」


 ああーそういえばそんなことを言っていた。え?


「実技満点?」


「そうです。桂木流星は貴方でしょう」


「マジで!あれ俺なの?え?じゃあ何で俺Fなの?」


「し・り・ま・せ・ん!大体、何で貴方はご自身の成績を把握されておりませんのっ!」


「何か成績表入ってなかった……か多分捨てた」


 そう俺がびっと親指を立てれば、有栖川がガクリと項垂れた。


「こんなのに宣言しただなんて……ほとほとふざけた男ですわ。まあ、もうこれで私が貴方に関わる事は最後だと思いますが」


「ん?そうなのか?」


「ええ、私より上など何かの間違いでしょうから。事実、貴方はFクラス。私はそれが証明されればいいのです。さあ、白黒付けるためにも勝負といきましょうか」


 ガっと俺の腕を取り、つかつかと歩き出そうとする有栖川に慌てる。


「ちょっ!ちょっと待てって。今からは無理だ。俺、今は猿に集中してえんだ」


「猿?」


「ほら、フィ―ルドボスの」


「ああ、私達が倒したあれですか」


 つまらなそうに有栖川は言うが俺は素直に関心した。


「おおっ! 有栖川はもう倒したんだな。凄いな流石Sクラス」


「当然ですわ」


 ふふーんとご機嫌な顔をする有栖川。何かチョロそう。そんな失礼なことを考えつつも俺は聞き返す。


「相手は猿か?」


「私達は龍でしたわ」


 龍!?何それ滅茶苦茶凄そうだと俺は食いついた。


「龍か、龍って一番強そうだよな!強かったか?」


 是非とも戦いたい。バトルジャンキーの俺はウキウキとした興奮を抑えきれず、有栖川に若干引かれてしまった。


「ええまあ……12種の中では最強ですわねっ。一番気を付けなければならないのがブレス攻撃で……てっ!そんな話をしに来たわけじゃありません。全く……貴方と話していると調子が狂います。まあ、でもそうですわね。交換条件としましょうか」


「ん?」


「私との勝負を受けるなら、ptを組んであげると申し上げているのです。Sクラスptと組めばFの貴方でも突破できるでしょうから」


 勿論、ソロ専を決めた俺は首を振る。まあ、Fからすれば有り難い申し出なのだろうが。


「いや、それはいいや。遠慮しとく」


「安心してください。Sの力を使ったなどと周囲に広めるような事はしませんから」


「そうじゃなくて。俺、サポートとのソロで挑戦してんだよ」


 シンとしてしまい。彼女の首がブリキ人形のようにギギギと此方に向いた。


「は?そっソロ?」


「うん、ソロ」


「フィールドボスにですか?それも学園が用意した特殊なアイテムも落とさないフィールドボスにソロで?」


 そうと頷けばクラリと有栖川がフラリとふらついた。どうやらショックを覚えているらしい。太一と並ぶ、オーバーリアクションな子である。


「それは……一体、何の意味があるのです?無駄でしかないではありませんか」


「意味?楽しいからだろ」


「あっ貴方はハイヒューマンを目指しているのではないのですか?」


「目指してるよ。でもゲームつうのは楽しむもんだろ」


 そんなに可笑しな事を言っただろうか。これに有栖川は愕然(がくぜん)とした顔となった。


「私はどうにも貴方のような者の存在を許せそうにありません。それはハイヒューマンになろうとする者の思考ではありません。如何に効率よく時間を使うかで大きな差が出るのですから」


 理聖も効率第一主義だった。上の方の生徒は皆そういう考えなのかも知れない。というかまぁ俺がおかしいのだ。あの人のせいで。


「そうか?俺の知ってるハイヒューマンは全力で遊んでたけどな。まあてなわけでSのトップと戦いてえのは山々だけど、忙しいんだわ。またの機会ってことでよろ」


 俺が素振りを再開すれば、そこにジト目を向けた有栖川がボソッと呟いた。


「勝負を受けなければ貴方のサポートがロリっ子であり既に近しい仲を築いていたと広めます」


「う”」


 俺が顔を(しか)めれば有栖川がニチャーっとした笑みを深めた。やだこの子、案外性格悪いかも。


「第二のロリコー」


「分かった。分かったやるよやるやる。ただ、一回だけな」


 よしっと有栖川が軽くガッツポーズをする。こうして俺は急遽、有栖川と個人戦を行う()めとなってしまったのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ