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作者:

 兎は電車を待っていた。

 駅のホームの隅にあるベンチに腰かけた兎は懐の時計を手に取った。時間はとっくに過ぎている。ため息をついた兎は真ん中あたりで垂れた耳を後ろに撫でつけ、駅の向こうへと視界を飛ばした。

 蒸気も包まれ霞む摩天楼。茶色い無機質なてかりが街をより機械じみさせている。

 立ち並ぶ建物の間を縫うようにして飛ぶ飛行艇は能天気に人々の頭に影を落とす。その影は線路を横切り、徐々に兎の居るホームに近づいてきた。

 ホームを日陰にする飛行艇。

 兎はそのまま真上を見上げ続けた。飛行艇が去り、日の光が目に落ちる。

 今までなら目を瞑らずにはいられない光が今ではにわかに霞むだけ。

 兎の口から何とも言えない不足感にため息が漏れた。

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