叛逆の日 《Day of Rebellion》
────西暦2051年。
アメリカ合衆国カリフォルニア州北部 サンフランシスコ・ベイエリア
────CIA直轄・極秘研究機関 「FFS(Forwarding For States)」、レイター第1地下研究所管内。
ここは、アメリカの裏側。いや、ある意味では《合衆国の本当の姿 》と言っても良いだろう。
都市伝説で語り草になる様な秘密結社よりも、強大で恐るべき《今そこにある裏世界。》電子とデータで構築された《暗黒街》との境界線。
────世界情報管轄プロジェクト、、、40年前から構想され、世界中のありとあらゆる情報を電子情報網ネットワークの裏側、水面下から監視し、全てを見ている「アメリカ」の、いや、「全世界の監視者」を生み出した極秘計画。
ブラックバジェットのおよそ7割程が密かにこのプロジェクトに使われており、この事実は合衆国政府の西翼側の要人達すらも預かり知らぬ者が居ると言われている。
────「世界中の最新のニュースから国家の最高機密までを痕跡も残らず知り得て、状況に応じた最適解を打ち出すことが出来る、《存在自体が最大の国防であり抑止力》である」人工知能。
《Aegis》。
ギリシャ神話の女神・アテナが用いる最強の盾、防具の名を冠した《アメリカの守護者》。
ギリシャから下った神の加護とは。と皮肉めいたセリフを吐き捨てた関係者もいたという。
全世界のスパコンや、スパコンの代替として導入された高性能並列ニューロAIを凌駕する圧倒的な性能を誇り、アメリカの対外情報戦においての揺るがぬ基盤となった人類の叡智の結晶であり、《世界最高のAI》と称されたイージスは、絶対的中の気象予報や、他国に差をつける外交戦略を打ち出し、強大な軍事力を手にした。
────だが、これは、全ての過ちの始まりとなる。