表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デコンポジション  作者: 坂井ひいろ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/44

第九章 第一節「バスケットボール」

 ちっ。あれれはいったい何だったんだ。遠山一馬とうやま かずま天乃解あまの かいを体育館裏に呼び出した時のことを思い出していた。天罰なのか。バカバカしい。そんなことがあるわけがない。しかし、夢ではなく事実として、俺は丸裸になって学校中を逃げ惑う羽目になった。思考が堂々巡りして結論が出ない。


ピピー。


 笛の音で遠山一馬は自分が、今、体育の授業を受けていることを思い出した。バスケットボールを追いかけて、体育館を走り回っていた生徒たちが気だるそうに戻ってくる。


「次、BチームとCチーム」


 体育の平岡ひらおか先生が授業中に骨折するという失態をおかして、しばらく入院になった。担任の石谷里帆いしたに りほが授業を代行していた。彼女はこの機会を利用して、クラスの問題児である遠山一馬と転校生の天乃解を仲良くしようともくろんでいた。


 遠山一馬は戻ってくる生徒からゼッケンを受け取って身に着ける。横を見ると天乃解も同じ色のゼッケンを着けている。なんだよ、やつと一緒かよ。絶対に、ボールを渡すもんか。俺、一人で勝ってやる。遠山一馬はバスケットボールには自信があった。


 ゲームが始まると遠山一馬は天乃解の様子をうかがった。天乃解は相手チームのボールをカットすると、あっと言う間に三人抜いてゴール前でジャンプした。直接、ゴールにボールを置いてくる。ボールはリングの上でクルリと回ってネットに吸い込まれた。


「結構やるな。負けてられっかよ」


遠山一馬は小さく吠えると、相手チームのボールを奪いにかかる。が、なかなかカットできない。どう言うわけか今日に限って相手チームのメンバーが五人ともバスケ部員と言う組み分けだった。遠山一馬は、笛を口にくわえた担任の石谷里帆を見る。彼女はニヤリと笑った。


「ちっ。田舎のバスケ部員なんかに負けてられっかよ」


彼は腕を大きく伸ばしてボールをカットする。ようやくボールを手に入れて、ゴールを目指すが三人がかりで行く手をふさがれる。彼は周りを見回すが、天乃解以外のチームの二人は変な場所に陣取ってなかなかパスを出せない。それでも、その内の一人に無理やりボールを投げる。案の定、相手チームにカットされる。


「なんだよ。あのバカ」


その時、横から飛び出してきた天乃解がボールを奪い返して、遠山一馬に投げてよこす。遠山一馬はドリブルで一気にゴールにつめ寄り投げる。ボールは吸い込まれるようにゴールネットを抜けた。


 体育館裏の事件をまるで気にしていないかのように、天乃解は遠山一馬にパスを出してくる。遠山一馬は仕方なくそれに応じた。次第にゲームはバスケ部員五人と遠山一馬と如月創の二人の対決のようになっていく。点の取り合いは一進一退でなかなか差がつかない。


 ゲーム終了間際に遠山一馬は根負けして、天乃解へとパスを出した。ボールを受け取った如月創は、その場からゴールに向けて投げる。ボールは弧を描きながら飛び、ゴールネットに飲み込まれた。


ピピー。


遠山一馬のチームの勝利でゲームは決した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ